「楽園」
原題「Le Paradis」
英語タイトル「The Lost Boys」
ずっと気になってた映画です。
1月からオンラインで開催のフランス映画祭「マイ・フレンチ・フィルム・フェスティバル」で見られるようになりました。
最近は配信のみの映画祭というスタイルも増えていますね。
映画祭の作品は公式サイト以外にもAmazonプライムやU-NEXT、楽天TVなどいろいろな配信サイトで見られるのも親切です。
この映画、私が「絶対見たい!」と思ったきっかけはイギリスの映画配給会社Peccadillo Picturesのツイートでした。
「楽園」はジャン・ジュネの唯一の監督作品である映画「愛の唄」(UN CHANT D'AMOUR)へのトリビュート作品、とのこと。
たしかに上の画像のシーンは「愛の唄」での刑務所の壁を隔ててやりとりをする恋人たちのシーンを思わせますね!?
と言っても「泥棒日記」とか「花のノートルダム」を読んでたような方でもさすがに実写映画「愛の唄」を見てる方は少ないかも。
ゲイ映画の元祖とも言える「愛の唄」は1950年のモノクロ映画でセリフ無しの25分の短編です。
長らく上映禁止だった映画ですが今の時代手軽に視聴するなら「Ubu Web」がオススメ。ぜひ見てみてください。
▼Ubu Web「愛の唄」視聴リンク
※Ubu Webは世界各国のマイナーな映像作品、音声作品などをアーカイブ化して誰もが手軽にアクセスできるよう一般公開しているサイト
というわけで前置きが長くなりましたが…
「楽園」を見ました!
私は楽天TVでレンタルしました。275円で二日間視聴可能。
少年院の中で二人が出会い、求め合う様子は若さゆえに本能的でどこか野生の動物のようでもあり生のエネルギーに満ちています。
問題を抱えた少年たちばかりが集まる場所だから不安定さや孤独、鬱屈した感情も充満していて…
そんな中で育っていく二人の恋愛感情、お互いを強く求める様、青い性の衝動、すべてが鮮烈です。
少年院内でお互い隣り合う部屋の壁越しに相手の存在を確かめ合うシーンはジャン・ジュネの「愛の唄」へのオマージュそのもの。そのDNAはフランスのクィア映画に受け継がれているようです。
余韻の残るエンディングも詩的で映画らしく、久しぶりに心地の良い後味でした。
オンラインの映画祭で出会えた良作。
ちなみにウィリアム役のJulien De Saint Jean出演の映画「Lie with Me」もずっと気になってる映画。