見てきました。
映画「ゴッズ・オウン・カントリー」
名古屋のセンチュリーシネマでは上映期間たったの一週間。
ギリギリでなんとか行かれました。
これ、
すっごい良かったです!
映画ラスト近くでは涙がじわじわ来てしまいました。
【ストーリー】
年老いた祖母や病気の父に代わり、家族経営の寂れた牧場を切り盛りする青年ジョニー。
孤独な労働の日々を酒と行きずりのセックスで紛らわす彼のもとに、ルーマニア移民の季節労働者ゲオルゲが羊の出産シーズンを手伝いにやってくる。
はじめのうちは衝突してばかりの2人だったが、羊に優しく接するゲオルゲに、ジョニーはこれまで感じたことのない恋心を抱きはじめる。
ストーリー自体は王道のラブストーリー。
ただし。
この映画、出だしからけっこうハードです。
ライトな腐女子、特に実写苦手腐女子は受け付けないかもしれません。
まったくロマンチックでも無いし耽美でも無いしキレイでもないです。
とことんリアルで男くさい。
イギリスのどこかに本当に生きてそうな彼ら。
主人公のジョンが行きずりの男とセックスするシーンは、潤滑剤代わりにペッとつばを吐くワイルドさです。
ツバ表現、立ち小便シーン多いです。
この映画の主人公は牧場で働く肉体労働者の男たちです。なので荒々しくて当然と言えば当然なのです。
ところが…
この映画後半からグッとロマンチックになります。
それは鬱々とした日々の中暗い表情だったジョニーにじんわりと笑顔が生まれるようになったり。
ゲオルゲがジョニーを見つめる眼差しに優しさがにじむようになったり。
取っ組み合いのような荒々しいセックスで始まった二人が次第に慈しむように肌を触れ合わせるようになったり。
そんなシーンの積み重ねで気持ちが動いていく様が描かれるから。
前半とのコントラストが良い。
一人の男が本当の愛を見つけるお話です。
人生って退屈なことの繰り返しかもしれないし、避けて通れない辛いことだってある。
だけどそこに一緒に生きてくれる愛おしい人がいたら。
見える風景も感じる気持ちもまったく違ってくるんですね。
人間はだから愛を求めてしまう。
男くさいのにロマンチックなラブストーリー。
ジョニーの甘えるような表情とそれを受け止めるゲオルゲの微笑み。
後半はこれは間違いなくラブストーリーだと思わせてくれる甘さがありました。
評価の高さも納得の作品。
もう一回じっくり見たいです。