風と木の主婦日記

風と木の主婦日記

ドラマや映画をいろいろ見つつ、小説、コミック、音楽ネタや舞台についても書きます。
好きなものはBL、ブロマンス、ときどき百合。韓国BL強力推し。GagaOOLala民。
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実は最近、動画配信サブスクを全解約しました。


だって最近テレビ放送だけで見るもの多すぎる。


地上波の日本BLドラマも追いきれないくらいあるし…


CSチャンネルもアジアBLをわんさか放送しています。(LaLa TV、日テレプラスなど)


それをかたっぱしから予約してたら録画がパンパンになりました。


で、そんな大量の録画リストから私が最初に見たのがこちら。




テレビ初放送、LaLa TVで放送された
「Laws of Attraction」


お久しぶりのタイBL記事になります。


たぶん前回のタイ記事が「KinnPorsche」なのですが、私ここで一つの真理に辿り着きました。


曰く「タイBLは社会人モノが良いかも?」←あくまで私の場合


人気のタイの学生BLにことごとく挫折してきた苦い思い出があります。世間のブームに乗れない虚しさ、そして孤独感。


けど私、KinnPorscheは大好きだったし、記事は書いてないけど千星とかムーンライトチキンとかLaLa TVでちゃんと完走しています。


そう、全部楽しく見てた。


ということは??
つまり私、タイの大人BLだったらハマるのでは!?


そんな折、ちょうどLaLa TVで弁護士とテコンドーの先生とのサスペンスフルな大人BLが放送されると知りまして…


これだ!と思いました。


そして。
ほぼ1週間で全8話完走しました!


私にしてはめっちゃハイペース視聴。
つまりバッチリはまったということです。

えっとですね、このドラマ、ガチタイ沼の方々はもうとっくにリアタイして記憶の彼方と思うんですね。



なので細かいストーリー紹介とか概要とかすっ飛ばして、ただ私の萌えポイントだけ語ります。




まずこのドラマ、攻め(たぶん攻めと思う)のルックスとキャラが好きでした。


ガッシリ体型で塩顔。硬派で良識的な大人の一般男性。ただしテコンドーの先生なのでわりと武闘派。




この場面写真を見ても誰もBLドラマと思わないんじゃないでしょうか。



普通にアジアのアクション映画にでも出てきそうなビジュ。



そんで前半もまったくBL展開しそうもないムード。どうやってこの人たちラブに発展すんの?って予想すらできない。



そういうの、いいですよね!!





受け(たぶん受けと思う)の俳優さんもぱっと見は片寄涼太系の腹話術人形カテゴリのお顔立ちなんだけど、見てるうちにどんどん愛らしく思えてくる。



お洋服もちょいちょいフェミニンディテールのシャツとか着てくれて、それも似合ってるしツボだった。



受けくんは勝つためには手段選ばないやり手のかなり稼げる弁護士、攻め氏は普通の一般人で体操教室のしがない先生。



経済状況とか価値観とか全然合わなそうな二人なんだけど、惹かれあっていく。



攻め氏は性格に派手さはなく堅実、そして誠実。



弁護士くんは過去の恋愛遍歴も派手で元カレも出てきたりする。それに攻めが静かに、けど激しく嫉妬したりするのも最高。



▼嫉妬心に苦しむ攻めストイック&セクシー



▼自分のために争う攻め二人を阻止する受け




受けを巡っての喧嘩勃発シーンとか拍手喝采の出来。「これ見たかった」を分かりすぎてて脱帽したし、元カレも文句なしのイケメン、そしてもれなく体もすごい。



タイの「BLでこういうの見たかったでしょ?」って次々に差し出してくる感じはすごいです。



全部怖いほど的を得ていて他国のBLがなかなか敵わないレベル。





そんでこの坊ちゃんとボディガードのカップル。



この二人も私は前知識なしで見てて初登場からCPであれ!と願掛けしましたが、その通りになってくれた。なんという至れり尽くせりぶり。





甘やかされた金持ちバカ息子だけど実は孤独で心に傷を負ってる坊ちゃん。私がめっぽう弱い毒親チルドレン属性でもあります。そんな坊ちゃんを子供の頃からずっと見守り、秘めた想いを抱いていたボディガード。



パーフェクトすぎ。言うことなし。



▼愛を見つけた坊ちゃん



良かったです!

このドラマ、ファンを喜ばせよう、楽しませようというサービス精神がすごいなって思った。



最終話もラブラブをしっかりこれでもかと噛み締めさせてくれて、BLドラマでよくある「この後の平和なラブがもっと見たかった」という消化不良さゼロ。



美味しいものをたらふく食べさせてもらえたような満足感。



私すっかりこの主演の二人(名前がまだ覚えられていない)好きになりました。



引き続きLaLa TVで録画してるクンチャイにも取り組みます!!!







▼定番タイ土産猛暑必須クーリングパウダー



▼コッテリ濃厚美味しいタイの紅茶






「ひだまりが聴こえる」


コミック原作で映画化もされてる人気作。


今回はドラマ化、ということでTVerで1話を見てみました。




最近のBLドラマ、日本もアジアもビジュアルが超ハイレベルすぎて、私もすっかりそれに慣れきってました。



そのせいでこのドラマの二人が最初、ややもっさりに感じてしまったのが正直なところ。



もちろん俳優さんだから顔立ちも整ってるしスタイルもいい。



けどその辺の大学生みたいな、ちょっとイモっぽく、垢抜けない雰囲気なんですよね。



これは最近のBL実写スタンダードからするとどうなのか?





けど私、ドラマを見てるうちに気付きました。



これ、もしかしてあえてやってる?



この普通っぽさ、リアルさ、その辺にいそうな男子感。



聴覚障害を扱うストーリーということもあり、過度にキラキラさせず、地に足の付いたビジュアルで安定感を出してるのかも?



 


特に右の太一役の小林虎之介さん。



この方の雰囲気、存在感が最近のBLドラマの俳優さん達と全く違う。



▼あえての普通感


▼作り込まないリアル



彼の自然な佇まいでBLドラマを見てる時の「あぁ、私は今おとぎ話を見ている」という異世界に飛ばされている感がありませんでした。



この俳優さんのビジュは最近のBLドラマからだいぶ離れています。



例えるなら「二十歳の微熱」の遠藤雅さんとか「渚のシンドバッド」の岡田義徳さんとかに近い気がする。



(例が古すぎて申し訳ないけど、これ以降こういう実写がほぼないので)



▼「二十歳の微熱」より




▼「渚のシンドバッド」より




現実味がある。



BLドラマ特有の二次元を三次元化したフィクション世界のお人形、ではなく生身の人間っぽい。





最近のBLドラマが完璧ビジュを追い求めすぎてすっかりそれに慣れきってたけど、本来人ってリアルな生々しさにこそドキドキしたり色気を感じるものです。






見た目だけじゃなく表情も話し方も普通の男子大学生っぽい。



まぁドラマだから多少大袈裟に騒いだり暴れたりはありますけど…(1話だけで2回人殴ってる笑)



まっすぐで明るい太一のキャラがこの俳優さんにはまってると思います。



▼ ちょっと若い頃の妻夫木聡さん的雰囲気もある



友達として一緒にいるうちに少しずつ惹かれていってしまうようなタイプ。






こういう表情がいい。



こんな顔して笑いかけられたら左の男子は好きになっちゃうのでは?



もし私がゲイだったら絶対恋に落ちてます!(よく分からない仮定) 



▼黒髪の短髪がまずBLでは希少




この後二人はどう進展してくのでしょうか!?



って映画見たはずなのにストーリーすっかり忘れてます。



2話以降もちゃんと見ていこうと思います!













久々にBLコミック買いました。


岩本薫先生の小説をコミック化した
「αの花嫁」


超有名作品です。
読んでる方も多そう。


これ、帯にも書いてあるけど、王道すぎてちょっと敬遠してたのです。


古の耽美を思わせるような長身美形スパダリ×華奢美少年。


30年前の雰囲気。


オメガバースとは言え、なんか古すぎる気がして気になりつつもずっと買わなかったんですよね。




絵も古典系。体格差は笠井あゆみ先生とかの路線、つまり超クラッシック。



試し読みした時も攻めがあまりに古いタイプでビビりました。


圧倒的威圧感、徹底した無表情ぶり。「今の時代に、これ!?」という違和感がすごい。


私ですら最近はマイルドBLに慣れて、ホッコリ癒し系な攻めがスタンダードになってます。


この古すぎる攻めのテイストさすがに無いわぁ。昔は好きだったけど、やっぱりもう過去のものだよなぁ…って思った。


▼韓国BLにも通ずる「古の攻め」感

画像引用 幸村佳苗先生公式X



結論から言うと私がどアホでした。


王道上等、古くて結構、こういう攻めこそがBLの元祖であり起源!このコミックは私を初心に立ち返らせてくれました。


▼三白眼強執着攻め



4巻完結で一気に4冊全部買ったけど、一気に読んでしまいました。


はぁー良かった〜


やっぱり古い攻め最高!
ついでに古い受けも最高!(華奢美少年、快楽に弱いがプライドは高い系)


岩本薫先生の原作だから外すわけもなかったのです。90年代から活躍してる超ベテランBL小説家先生なので。


鉄板中の鉄板に決まってます。


ちゃんと王道当て馬(幼馴染イケメン、受けに対する思いをずっと秘めてた)も出てくるし、女がコテコテの悪役なのも古すぎて胸焼けしそうだけど、そう、これ、百万回読んだから知ってる!感がすごい。


BLはテンプレでいい。コンサバでいい、古くていい。


時代に流されない古典系BLが、今もこうして生き残ってる事に感謝です。


そもそも私みたいな人間が古典系王道を読まずして一体何を読むのか。


これ、私のためのコミックだったんですね!


▼受けも可愛いだけではない芯の強さあり



絵柄もすごい綺麗だし好みです。



攻めの無表情もだんだんクセになる。



攻めは美貌と名声、富と権力、その全てを持ち「氷の帝王」と呼ばれる大企業グループのトップです。



一切ブレのない完璧なスパダリ設定。



この攻めに親しみやすさ、癒し要素はゼロです。



圧倒的「迫力」で近寄り難く、完璧過ぎてスキも無い。



常に徹底した無表情。まず歯を見せて笑うシーンは皆無。笑うとしても口角が微妙に上がるくらい。



この感じ、ほんと懐かしい。攻めカテゴリとしては間の楔のイアソンみたいなタイプ。



何十年前の話してんだよ!?って思うでしょ?でもそのタイプの攻めがこの令和の時代にまだいたんですよ!



今や絶滅危惧種と言ってもいい。



最近の攻めはみんな表情豊かで分かりやすくて、照れて赤面とか取り乱して泣いたりとかします。こんな無愛想で怖くて何考えてるか分かんない無表情な攻め、いないの!



あまりに攻めが無表情だから、受けが「あれ、今安心した?」「心配してる?」「もしかして笑った?」って心の声で気付いて教えてくれます。



まじで受けにしか見分けられない表情の変化。セリフで教えてくれないとこっちには伝わらない。



いたしてる時も受けは素っ裸に剥かれてますが攻めはスーツ着たままです。なんなら上着も脱がないしネクタイすら外さない。これも韓国BLに通ずる古典スタイル。



もちろんズボンも脱ぎませんので、前だけ開けて事に及びます。



髪も乱さないし、顔もあんまり歪めたりしないから、たまに「うっ」みたいな切羽詰まった表情が見れるだけですごい貴重。



▼やっと微笑みました


つまりそんな鉄壁の無表情攻めが受けにだけは自我を失うようになる様がこの作品最大の見どころです。



古の伝統である、攻めの執着&独占欲による暴走も健在。



傷付く受け、そして後悔する攻めという定型図式も完璧。



でもそこから取り返しのつかないデストロイ展開にならないのがやっぱりイマドキBLで安心。



昔のはたいていそのあと大バッドエンドになりました。※主に受けが死んだりする



令和の古い攻め、ほんと良い。

これからもこの路線の攻めが絶滅しませんように。



あとこれは最近あんまり新しいBLコミックを買ってなかった私が驚いたことですが…



この作品、修正がかなり甘いです。



細白短冊がほとんど用を成してなくてほぼ見えてます。攻めのPにビキビキに血管が浮いてるところまで書き込まれてて感動しました。



電子だから?紙だとまた修正が違うのでしょうか。



私がBLコミックよく買ってたのがたぶんもう5〜7年前くらいの実写に沼る前なんですけど、その頃のPはたいてい白抜き、ぼんやり輪郭、斜線みたいなグシャグシャ、海外作品だとライトセーバーとかでした。



今ってこんな見せてOKなの?規制が厳しくなるなら分かるけど逆に緩くなってます?



もう電子なら短冊もいらないのでは…

ていうか短冊になんの意味があるのかもはや不明。



せっかく漫画家さんが描き込んでくれてるのにもったいないし、そのまま拝ませてほしい。

韓国の電子みたいに成人認証アリにしてくれてもいい!全然認証します。(19禁読むためにRIDI BOOKSにパスポート画像送った人)

   


Pも表現の一部です。Pの描写から伝わる心情もある!これほんとです。ぜひよろしくお願いします!



すみません、

つい取り乱しました。



最後に、もしまだ「αの花嫁」読んでなくて迷ってる方いたらお伝えしたいのですが。



これ、オメガバースだけどわりとオーソドックスなBLとして普通に読めます。



面倒な設定説明とかも出てこないし要素は薄め。



なので古典系は好きだけどオメガバースはあんまり…って人にもオススメできます。 



ヒートとか番描写もクドくないので読みやすいし、妊娠出産もないので地雷の人も大丈夫。



あ、もちろん私はオメガバース大好きな人です。



ものすごい濃くてコッテコテのオメガバースのオススメ作品がもしあったらぜひ教えてください!

















とある昼下がり。


ぼーっとXを見てたら、最高すぎるポスタービジュアルに出会いました。




ワイルドな黒人青年が細身の白人を軽々肩に担いでニヤッと笑っています。



えっ、何このシチュエーション!?


よく分からない。

でも破茶滅茶に良い。





さらにこちらのバージョンにもやられました。



目を閉じて抱きつく巻き毛青年、まさに恋してるって感じ。そして抱きつかれながら「見てんなよ」みたいな目線くれてる彼も気になりまくる。



おおぃ!この映画!!

どこで見れるんだ!?



久しぶりにアドレナリンが全開になったのでせっせとネットで調べました。



「Fogo fátuo」



ポルトガルのジョアン・ペドロ・ロドリゲス監督の2022年の映画。



英語タイトルは「Will-o'-the-Wisp」
日本語の直訳タイトルは「鬼火」です。


この映画、日本でも一度上映されていました。2022年の東京国際映画祭。


…ってそれ私が「エゴイスト」見に行った年だよね!?なぜこの映画に気付かなかったのか。




このポスターだったからスルーしちゃったのか?



どっちにしろ今現在日本では配信もされていません。



何が何でも見たかったのでVPN+海外配信サイトでレンタル視聴しました。



さて。

結論から言います。



この映画、百点満点大好き最高ラブラブラブ!!!!でした。



出会えてありがとう!と歌いながら踊り出したくなるような…



そう、実はこの映画ミュージカルです。



ファンタジーでコミカルなゲイミュージカル。





この監督さん、かなり奇想天外な映画を作る方らしい。



クィアでウィアードと海外サイトの説明ではお決まりのように書かれてるけど、まさにそれ。


▼ストーリー



ぶっ飛びファンタジーでミュージカルと聞いてトキメキは期待できなそうと思いきや…


それがめちゃめちゃに、
ある!!!


まさに私が惹きつけられたポスタービジュの要素そのままに、ロマンスがぶち上がってます。




左の白人青年がアルフレード王子。
右の黒人青年が消防士のアフォンソ。


映画は2069年から始まります。
死の床にあるアルフレード王子は遠い日の青春の恋に思いを馳せる…




そして舞台は2011年へ。
若かりし日の王子は憧れだった消防士の夢を叶えるためボランティアで消防隊に入ることに。


そこで出会うのが教育係となるアフォンソです。


細身でいかにもロイヤルなアルフレードとガッシリ消防士アフォンソの出会いシーン。すでに最高。




王子がとても可愛いです。



見るからに世間知らずな王子様。

しかも森林火災に心を痛めて、とか消防士の夢が諦められなくて、とか夢見る少年みたいなんだけど愛らしい。





アフォンソと一緒に訓練することになり手取り足取り指導してもらう王子。



二人の距離が近づいていくシーンのドキドキがやばいです。



ゲイの監督ならではの「こんなことがあったら…」というファンタジーが詰め込まれているんだろうけど、それが次から次へと特大のBL花火となって打ち上がってます。



救助訓令で擬似スモークが充満する中、現場に取り残された人の役をする王子。



視界が真っ白で怖くなって泣きそうな顔してる時にアフォンソ登場。王子を軽々とお姫様抱っこで運び出すシーンとか…



心肺蘇生の訓練でアフォンソの肌に触れてドキドキしたり、人工呼吸の練習から思わず…とか。



もう演技とか表情とかカメラワークとか、とにかく全部が好みのど真ん中であり「おぉ…」としか言えない。



ちなみにポスターの印象的なシーンは絵画をモチーフにしたものでルーベンスの「ガニュメデスの略奪」が元ネタ。



試しに絵を回転してみたら確かにそっくりな構図です。




▼向きを変えたもの


▼こちらがオリジナル



ルーベンスの「ガニュメデスの略奪」は美少年ガニュメデスに魅了されたゼウスが鷲に変身して彼をさらう瞬間が描かれている絵画とのことで、ストーリー性もバッチリ。





そしてこの映画、ミュージカル、ダンスのシーンもとっても素敵です。



黒人の俳優さんはプロのダンサーらしいのですが、王子のことを本当に軽やかに抱き上げるのがカッコいい。ダンスのコレオも訓練の動きをモチーフにしつつセクシーでロマンチック。何度でも見たくなる。






細身男性をガッシリ男性が軽々リフトする動きは、マシュー・ボーンの「白鳥の湖」をちょっと思い出しました。



▼白鳥の湖の記事はコチラ



リフトされるのが王子ってところも共通ポイントですね。





見どころがたくさんの映画です。



男性二人のロマンスがベースだけど、監督の色々なメッセージも散りばめられています。



環境や人種、性的アイデンティティ、コロナ禍など現代の社会問題。



▼東京国際映画祭の記事



多彩なテーマが監督の個性で味付けされ、独特の楽しくてセクシーでロマンチックな作品になってるんですね!



好き!!



だけどこれ、日本で上映した時は無修正だったんですかね!?



そういうことが気になりすぎてしまうくらい、監督の感性と欲望が突っ走ったモロな描写がふんだんで、ある意味珍作(チン作)とも言える映画。



たぶん今後も一般上映や国内配信はなさそう。



と言いつつJAIHOさんあたりが配信してくれることを期待してます!!


























古い日本映画を見ました。


「バイバイ・ラブ」


藤沢勇夫監督の1974年の自主制作映画。
長年未ソフト化、未配信だった作品です。


最近海外映画祭の上映などでも話題になっていて、幻のクィア映画として再注目されています。






▼引用サイト



70年代の日本のレトロ感が今見ると新鮮です。



画面がオシャレ。

ファッションも可愛い。



ストーリーは主人公の不良青年ウタマロが警察に追われる美少女を助けて一緒に逃避行、しかし美少女だと思っていた相手は実は美少年だった、というもの。





前知識なく見たので美少女のギーコが女性にしか見えませんでした。



声も高いから「女装の美少年」役を女性が演じているんだろうと思いながら見ていました。





ウタマロはギーコに惹かれながらも、なんでお前は女じゃないんだろう、と複雑な心境を覗かせます。



ギーコは、女とか男とかどうでもいいじゃない、と飄々としています。





映画は「俺たちに明日はない」や「テルマ&ルイーズ」のような逃避行の果てに犯罪を重ねていく古典的なロードトリップ。



そこにクィアな要素がごく自然に混じり合って70年代の雰囲気とキッチュで実験的な映像が楽しい作品に仕上がっています。





見ている側は序盤から登場するギーコが女性にしか見えないので混乱します。



どう見ても女性なのに男性?本当に?と気になって仕方ないのです。



これは一種のギミックのようにも思えます。



見た目の男らしさ女らしさに対する固定観念と、そもそもなぜそんなにも人の性別が気になるんだろう?と自問自答させられます。





後半、ギーコが男性であることがはっきりと分かるシーンがあります。



するとその後はとたんにギーコが男性にしか見えなくなる。不思議です。





映画解説を読むとギーコの声は女性が吹き替えをしているとのこと。



中性的な魅力のある俳優さんなので声も彼自身のオリジナルで聞いてみたかったけど、この仕掛けのために吹き替えが必要だったのかなと思いました。



斬新で自由な発想のレトロクィア映画。



今後国内のミニシアターなどでぜひ上映してほしい作品です。