風と木の主婦日記

風と木の主婦日記

ドラマや映画をいろいろ見つつ、小説、コミック、音楽ネタや舞台についても書きます。
好きなものはBL、ブロマンス、ときどき百合のGagaOOLala民。
いただいたコメントは承認後に表示されます。



久しぶりにオーディブル再開しました。



しかしオーディブルはBLコンテンツがまったく増えません。



私はいつでもBL音声求めてます!よろしくお願いします!!



▼BLコンテンツレビュー多め記事



そんなわけで仕方なく(?)普通の小説を聴いてます。



オーディブル、わりと最近の話題作があります!



活字で読むより断然オーディブルで聴く方が早い。



何よりオーディブル聴きながらだと面倒な家事もノリノリでこなせるのが助かる。最強の相棒。



では、まとめて感想いってみたいと思います。



『BUTTER』柚木麻子



これですよ。

柚木麻子さんの超話題作「BUTTER」

イギリスのすごい賞とったとか海外で何ヶ国語にも翻訳されて大ベストセラーとか、華々しいエピソードでまるで金色の帯が巻かれてるがごとく。


本買うこともなく、図書館の長蛇の予約待ちすることもなく、即オーディブルで聴けるのは最高です。


これ、めちゃめちゃにフェミニスト小説で、もはやミサンドリー小説じゃないかと思った。これが海外で大ヒットってことは日本以上に海外のフェミニズムはガチかもしれない。

そしてこの小説、実際あった事件を題材にしてるってのが売りでもあるけど、正直あの事件そんなにみんな関心あった?私は全く興味なかった。世間的には醜い太った女が男をたぶらかして大金をせしめたって事はセンセーショナルかもしれないけど、まず女は美しくない女に興味ないからどうでもいいんです。騙された男たちも哀れとは思うけど関心もない。そしてある意味この事実がいちばん「カジマナ」にはこたえるかも…って思うと皮肉です。



『ババヤガの夜』王谷晶



そしてこれもオーディブルにあります!

同じように海外で受賞した話題作。


作者の王谷晶さんはオープンリーレズビアン。でもこの小説はレズビアンロマンスとは少し違う「名前のつけられない女性同士の関係性」を描いたもの。王谷さん、タトゥーの目立つ迫力なビジュですが、インタビュー動画を見ると穏やかで理知的な印象の方です。

小説は純文学というよりは漫画のような、ライトノベルのようなキッチュな世界観。キャラ立ちも抜群でアニメ化や縦型ウェブトゥーン化してもハマりそう。私は好きな作風だったしストーリーもキャラも好みでした。



『愚か者の身分』西尾潤



映画化で話題になったこちらもオーディブルで聴けます。

これはブロマンスニュアンス濃厚で韓国のファンダムあたりでも受けそうなお話でした。私は映画は未見だけど、グロい描写が多いから実写で見るのは怖い。小説も途中すごくブルーになった。でも凄惨なこと起こってるわりに登場人物がどこか淡々としてるので、あれ?命さえあれば人間ってなんとかなるのかな?みたいな気になりました。



『孤狼の血』柚月裕子




いまさら「孤狼の血」です。

映画も見ようと思いつつ数年放置。オーディブルにあったから何気なく聴いてみた小説。


え、好き。

広島のヤクザ&警察もの。舞台は60年代。ベタベタな設定、ベタベタな展開。古のヤクザもののパロディみたいな分かりやすすぎる作風なんだけど、別に良いのです。もはやヤクザって日本ではフィクションのイチジャンルだし。

私、なんでもっと早く読まなかったんだろ。と言うか映画観なかったんだろ。絶対好きなやつなのに。

ヤクザとの癒着や無茶な捜査で警察の厄介者扱いの大上と、真っ直ぐな新人日岡のバディがとても良き。日岡、めっちゃガミさんに心酔してる。めっちゃ好きやん。でもウェットな心理描写がないとこ推せる。日岡がちゃんとイケメンって描写がきっちり入るとこも女性作家先生ならではのツボ。



『地面師たち』シリーズ 新庄耕





地面師たち、無印は前に聴いてて今回続く2作品を聴きました。実写は未見。

話は抜群に面白いし朗読も上手、キャラの声もハマってる良作。ただやっぱり私はハリソン山中が気持ち悪くて無理。男性作家の描くダークヒーローなんだろうけど、嫌悪感がすごい。もっと人間的にどこか一本筋の遠った清潔さみたいなものがあったら他のキャラたちとの関係性にも萌えたり深みが出て来たのになって思う。






というわけでオーディブルで聴いた小説一括レビューでした!



みなさんのオススメもあったらぜひ教えてほしいです。





▼ドラマ化されたこちらも柚木麻子さん作品



▼映像化



▼続編もあり






前回記事に引き続き、
アジアンクィア映画祭3本目。


イソンヒイル監督の「ソラスタルジア」


私的大本命です。



▼公式サイト



韓国クィア映画好きなら知らない人はいない、熱烈なファンも多い監督さんです。



「後悔なんてしない」が異例の大ヒットを記録した後も「夜間飛行」「白夜」「南へ」「あの夏突然に」など、強烈なインパクトと心に深い余韻を残す作品を多く制作されています。





今回の新作「ソラスタルジア」は森林火災を題材にした作品。



気候変動をテーマにクィアフィルムを撮ってみようと考えた、と監督が話していたように今までにない新しいチャレンジとなったようです。



オープニングの静かな音楽と映像美だけでもイソンヒイル監督らしい胸が痛くなるような情緒に溢れていて「見に来てよかった!」と強く感じました。



主人公は卒業制作の森林火災ドキュメンタリー映画の監督を務める青年。



そして撮影クルーとして同行するのが後輩の青年です。



舞台になるのは江原道の海岸。



ほとんどが海辺とその付近のみで撮られ、美しい情景と俳優さんを、じっくりと映画らしい見せ方で映し出していきます。





二人が一緒に過ごす時間はたわいのないやりとりだけで、どのような関係なのか、また過去に何があったのかもぼんやりとしてなかなかはっきりしません。



それでも主人公の青年にとってこの土地で失われたものや傷ついた思い出のようなものがある事が朧げながら分かってきます。





同行する後輩が主人公を「ヒョン」と呼んでいることから二人はそれなりに親しい関係であることは分かります。



ふと後輩との過去の出来事に言及して濃密な空気が漂う瞬間や、何か心の傷を抱えていそうな主人公から放たれる無意識的な色気。



イソンヒイル監督は男性の色気を引き出すことに関しても本当に天才的だと言わざるを得ない。





二人のやりとりをただ見てそこから感じてほしい。



そんな監督の意図が感じられるような静かな映画。



とても静かで抑えたトーンの演出が後半に効いてきます。



三部作の頃のイソンヒイル監督のパッションや衝動のようなものは今回は息を潜めて、グッと成熟した、それでも立ち昇ってくるような官能が感じられる味わい深い映画でした。





今回は上映後にゲスト登壇があり、イソンヒイル監督ご本人とメインキャストのお二人、さらに助監督と映画の助演の俳優イジェジュンさんが登場。



イジェジュンさんは紹介されるまで全然分からなかったのですが、「夜間飛行」のギウン役の方です。すごい豪華ゲストですね。



監督の話ではソラスタルジアというタイトルがノスタルジアからの造語であることや、かなりの低予算で厳しい撮影環境の中、監督のファンがスタッフとして参加したり出資したことなどが語られました。



あれだけの大ヒット作のある監督ですが、いまだに大規模な制作は出来ない実情。



韓国の性的マイノリティを取り巻く状況が相変わらず厳しいものであることも分かります。



また映画は実際に2022年にあった過去最大の森林火災がテーマになっているとのこと。



監督が今後はアイドルとクィアというテーマで映画を撮ってみたいと考えているなど意欲的な言葉が聞けたことは明るいニュースでした。



今後ミニシアターでの一般公開などがあれば良いなと思います。無理なら配信でも見られるように願っています!












前回記事に引き続きアジアンクィア映画祭、
2本目です。




「3670」



これはSNSでもかなり話題になっていて、韓国で公開された直後から日本でも見たい!という声が大きかった作品。



オンラインでのチケット購入時の席の埋まり方も速すぎてびっくりでしたが、当日は満席で映画館の熱気も凄かったです。





脱北者のゲイ青年が主人公。



社会的テーマを盛り込んだクィア作品と身構えそうですが、出だしはとっつきやすくスムーズ。



テンポも良くて、グイグイ引き込まれます。





北朝鮮とはかけ離れた南の文化に馴染めない主人公がゲイコミュニティで仲間とつるんだりナイトライフに目覚めていく様は刺激的。



心を分かち合える友人も出来るのですが、ゲイ仲間の間で明るく人気者である彼にも悩みや孤独感があって…



▼公式サイト



脱北者の青年を演じるチョユヒョンさんがインパクト大です。



北朝鮮から来たのでファッションにも疎くておしゃれもよく分からない彼が友達のアドバイスでグッとカッコよくなるシーンはワクワクします。



俳優さんのもともとの顔立ちや素晴らしい筋肉美もあるんですが、磨かれる前の原石のような魅力がこの映画の最大の引力にもなっています。





明るく人懐こい友人役は99filmのクィア映画でもお馴染みのキムヒョンモクくん。



私は彼のクィア作品かなり好きでVimeoで購入したものを何度も見てるので、今回も彼に期待してました。



▼映画「Beautiful」より


▼こちらの記事の最後で取り上げています



今回のキャラ設定もどこか「Beautiful」にも通じるイメージ。明るい愛されキャラなのに実は自分に自信がなくてちょっと拗らせなタイプです。



ある意味BL的な役柄がハマるのがヒョンモクくんならではかも…



「3670」もヒョンモクくんの言葉や表情からふんわりとした輪郭のない恋心が見え隠れして、こちらまでドキドキするような感覚が味わえました。



クィアな恋愛模様と共に脱北者の若者の現実もこの映画で色々と見えてきます。



見た目や話し言葉の違いからなかなか韓国に馴染めない脱北者たち。そのことに焦り、孤独感を募らせることもあるでしょう。



家族を呼び寄せたくても脱北に失敗すれば収容所に入れられ安否も不明になってしまうという現実。



さらに主人公はゲイでもあって、韓国ではダブルマイノリティ的立場。北朝鮮でセクシャリティを明かさず生きてきた彼にとって韓国の鍾路のようなゲイタウンやナイトクラブは初めての経験です。





そんな急激な変化の中で彼の本質も変わってしまうのでしょうか。



ヒョンモクくん演じる友人が「アヒルが最初に見た相手を親と思って慕うようなもの」と脱北青年である主人公に話すシーンがあります。



主人公が垢抜けてモテるようになって遊びも覚えたら自分なんか相手にしなくなるよ、という意味の言葉。



この世界ではそういうこと、多いのかもしれません。鍾路デビューしたばかりはオドオドしていた子がどんどん遊び慣れて最初に知り合った冴えない友人には見向きもしなくなったり。






でも主人公の青年は実直な性格で、情に厚いタイプに思えます。



環境が大きく変わってもその人の誠実さって変わらないものじゃないでしょうか。





二人が育む北と南の友情、ゲイコミュニティでの仲間とのやりとり、そして主人公と脱北者コミュニティとの絆。



韓国にしか作れないクィア映画であり、力強いテーマとパワフルな今のゲイカルチャーを切り取った意欲作。



若い世代のクィア映画の息吹も感じさせてくれて、見て良かったと思える映画でした。



多数の受賞も納得。

劇場公開されることを願っています!





▼こちらも大ヒットな韓国クィアドラマ










念願のアジアンクィア映画祭、
行ってきました!!


今回は怒涛の韓国クィア特集、そのラインナップがすごいです。



キムジョグァンス監督の新作、イソンヒイル監督の新作、そして話題の「3670」


この3本が一気に見れてしまう、こんな機会そうないのでは!?


これを逃したら一般公開も配信もなくて一生見られない可能性もある…


ゼッタイ見なきゃ!という気合いでチケットを取りました。


まずは初日に見たキムジョグァンス監督の新作「夢を見たと言って」の感想です。


▼左が「夢を見たと言って」右は「3670」




良かった…

ほんとに良かったです。



私、キムジョグァンス監督の作品が大好き。



▼監督の大名作「メイドインルーフトップ」



だから監督の新作が見られたというだけで多幸感でいっぱい。



全部のシーンに好きって気持ちが溢れそうでした。



キムジョグァンス監督はインタビューなどを読んでも人間性がとても前向きで素敵だなと感じます。



性的マイノリティのための活動もされてきて、ご本人も同性婚(公的なものではない)をしていますが、色々な困難や苦しさを乗り越えたくさん傷付いてきた方のはず。



▼公開結婚式では激しい反対運動や人糞をばら撒かれるなどの壮絶なヘイトを向けられた



それでも監督の作品にはほっこりしたチャーミングさがあってそれが唯一無二のカラーになっています。





今回の新作「夢を見たと言って」も監督らしい明るいラブストーリー。



中古カメラの取引がきっかけで出会った年の差の二人。



明るく振る舞う年下の少年についほだされて恋愛関係に発展しそうになる青年。





ラブコメ調で始めるストーリーですが、それだけで終わらないのがやはりキムジョグァンス監督。



二人がそれぞれに背負っている心の傷、孤独が少しずつ浮き彫りになっていきます。



前半のポップな色調からグッとシリアスに、強いテンションへと変化する展開はさすがです。





監督自身もインタビューで語っているように、この映画にしっかりとリアルなセックスシーンを盛り込んだことには意図があるようです。



体と心の対話、ゲイカップルの大切な要素を包み隠さずに描写する。



と同時にゲイの人たちに普通に起こり得る状況や、確実に昔とは変わってきている現状。絶望することなく乗り越えられるであろう未来も見せてくれます。



(ネタバレを避けたいので漠然とした表現ですみません)





ロマンチックで明るい楽しさもありながら、孤独や苦しみも描く。そしてそれを丸ごと慈しみ希望を見せてくれる、とても監督らしい映画でした。



メイドインルーフトップと同様に「夢を見たと言って」も配信でも見られることを願っています!




▼絶対必見の名作です



▼実は監督作品なBLドラマの映画版





マトリと警察、そしてドラッグ売人の金髪青年…


そんな3人が濃密に絡み合うドラマ。


1月20日に1話が放送されました。




なにわ男子の西畑大吾くんが主人公。


原作マンガでは、元大衆演劇の女形で女装したら女にしか見えない美青年という設定。


(ドラマでは「元子役」に変更)



そんな青年がドラッグ売人へと転落してマトリと警察の両方から「俺のS(スパイ)になれ」と求められてしまう…


つまり三角関係ドラマ。




これ原作漫画もめちゃめちゃ面白い。



マトリと警察はとっても険悪、お互い自分のヤマを相手に渡してなるものかとバチバチ。



黒崎はクスリで人生を壊された過去から薬物絡みの検挙に猛烈な執念を燃やす麻薬取締官。



葛城はエリート両親から不出来な息子の烙印を押された過去を出世によって晴らそうと手柄を立てることに躍起になっている警視庁警部補。



壮絶な過去持ちの執念のマトリ、黒崎。

屈折したエリート警察官、葛城。



ドラッグ売人の梅沢はどちらからも「俺の手駒として動け」と秘密裏に持ちかけられる…



どちらを信じるべきか、どう動くべきか。



梅沢は悩みつつも、マトリと警察の二重スパイとして危険な任務を遂行することになる。





原作ではマトリの黒崎がカッコ良いのです。


やる事は無茶苦茶だけどそれも信念があるから。


だから梅沢がちょいちょい黒崎にときめいてるシーンも違和感なくて「分かる」と頷きたくなります(笑)




ダークでバイオレンスなマトリ黒崎は細田善彦さんが熱演。原作イメージにも近い。



私は断然黒崎推し。



だけど警察官の葛城を演じる向井理さんも、頭脳派ニヒルな雰囲気が良い感じ。





うーん、どちらも捨てがたい。


西畑くんはどっちの男を選ぶんでしょうか!?




ただしこのドラマ、バイオレンスやドラッグなどのドギツイシーンも多いんですよねー


そこは好みが分かれるとは思うんですが…


 


細田善彦さんも話されてるように、男二人が西畑くんを取り合う話と考えていただければ良いかと。


2話も楽しみです!!




▼期間限定(〜3/31)2巻まで無料!