久々にBLコミック買いました。
岩本薫先生の小説をコミック化した
「αの花嫁」
超有名作品です。
読んでる方も多そう。
これ、帯にも書いてあるけど、王道すぎてちょっと敬遠してたのです。
古の耽美を思わせるような長身美形スパダリ×華奢美少年。
30年前の雰囲気。
オメガバースとは言え、なんか古すぎる気がして気になりつつもずっと買わなかったんですよね。
絵も古典系。体格差は笠井あゆみ先生とかの路線、つまり超クラッシック。
試し読みした時も攻めがあまりに古いタイプでビビりました。
圧倒的威圧感、徹底した無表情ぶり。「今の時代に、これ!?」という違和感がすごい。
私ですら最近はマイルドBLに慣れて、ホッコリ癒し系な攻めがスタンダードになってます。
この古すぎる攻めのテイストさすがに無いわぁ。昔は好きだったけど、やっぱりもう過去のものだよなぁ…って思った。
結論から言うと私がどアホでした。
王道上等、古くて結構、こういう攻めこそがBLの元祖であり起源!このコミックは私を初心に立ち返らせてくれました。
▼三白眼強執着攻め
4巻完結で一気に4冊全部買ったけど、一気に読んでしまいました。
はぁー良かった〜
やっぱり古い攻め最高!
ついでに古い受けも最高!(華奢美少年、快楽に弱いがプライドは高い系)
岩本薫先生の原作だから外すわけもなかったのです。90年代から活躍してる超ベテランBL小説家先生なので。
鉄板中の鉄板に決まってます。
ちゃんと王道当て馬(幼馴染イケメン、受けに対する思いをずっと秘めてた)も出てくるし、女がコテコテの悪役なのも古すぎて胸焼けしそうだけど、そう、これ、百万回読んだから知ってる!感がすごい。
BLはテンプレでいい。コンサバでいい、古くていい。
時代に流されない古典系BLが、今もこうして生き残ってる事に感謝です。
そもそも私みたいな人間が古典系王道を読まずして一体何を読むのか。
これ、私のためのコミックだったんですね!
▼受けも可愛いだけではない芯の強さあり
絵柄もすごい綺麗だし好みです。
攻めの無表情もだんだんクセになる。
攻めは美貌と名声、富と権力、その全てを持ち「氷の帝王」と呼ばれる大企業グループのトップです。
一切ブレのない完璧なスパダリ設定。
この攻めに親しみやすさ、癒し要素はゼロです。
圧倒的「迫力」で近寄り難く、完璧過ぎてスキも無い。
常に徹底した無表情。まず歯を見せて笑うシーンは皆無。笑うとしても口角が微妙に上がるくらい。
この感じ、ほんと懐かしい。攻めカテゴリとしては間の楔のイアソンみたいなタイプ。
何十年前の話してんだよ!?って思うでしょ?でもそのタイプの攻めがこの令和の時代にまだいたんですよ!
今や絶滅危惧種と言ってもいい。
最近の攻めはみんな表情豊かで分かりやすくて、照れて赤面とか取り乱して泣いたりとかします。こんな無愛想で怖くて何考えてるか分かんない無表情な攻め、いないの!
あまりに攻めが無表情だから、受けが「あれ、今安心した?」「心配してる?」「もしかして笑った?」って心の声で気付いて教えてくれます。
まじで受けにしか見分けられない表情の変化。セリフで教えてくれないとこっちには伝わらない。
いたしてる時も受けは素っ裸に剥かれてますが攻めはスーツ着たままです。なんなら上着も脱がないしネクタイすら外さない。これも韓国BLに通ずる古典スタイル。
もちろんズボンも脱ぎませんので、前だけ開けて事に及びます。
髪も乱さないし、顔もあんまり歪めたりしないから、たまに「うっ」みたいな切羽詰まった表情が見れるだけですごい貴重。
▼やっと微笑みました
つまりそんな鉄壁の無表情攻めが受けにだけは自我を失うようになる様がこの作品最大の見どころです。
古の伝統である、攻めの執着&独占欲による暴走も健在。
傷付く受け、そして後悔する攻めという定型図式も完璧。
でもそこから取り返しのつかないデストロイ展開にならないのがやっぱりイマドキBLで安心。
昔のはたいていそのあと大バッドエンドになりました。※主に受けが死んだりする
令和の古い攻め、ほんと良い。
これからもこの路線の攻めが絶滅しませんように。
あとこれは最近あんまり新しいBLコミックを買ってなかった私が驚いたことですが…
この作品、修正がかなり甘いです。
細白短冊がほとんど用を成してなくてほぼ見えてます。攻めのPにビキビキに血管が浮いてるところまで書き込まれてて感動しました。
電子だから?紙だとまた修正が違うのでしょうか。
私がBLコミックよく買ってたのがたぶんもう5〜7年前くらいの実写に沼る前なんですけど、その頃のPはたいてい白抜き、ぼんやり輪郭、斜線みたいなグシャグシャ、海外作品だとライトセーバーとかでした。
今ってこんな見せてOKなの?規制が厳しくなるなら分かるけど逆に緩くなってます?
もう電子なら短冊もいらないのでは…
ていうか短冊になんの意味があるのかもはや不明。
せっかく漫画家さんが描き込んでくれてるのにもったいないし、そのまま拝ませてほしい。
韓国の電子みたいに成人認証アリにしてくれてもいい!全然認証します。(19禁読むためにRIDI BOOKSにパスポート画像送った人)
Pも表現の一部です。Pの描写から伝わる心情もある!これほんとです。ぜひよろしくお願いします!
すみません、
つい取り乱しました。
最後に、もしまだ「αの花嫁」読んでなくて迷ってる方いたらお伝えしたいのですが。
これ、オメガバースだけどわりとオーソドックスなBLとして普通に読めます。
面倒な設定説明とかも出てこないし要素は薄め。
なので古典系は好きだけどオメガバースはあんまり…って人にもオススメできます。
ヒートとか番描写もクドくないので読みやすいし、妊娠出産もないので地雷の人も大丈夫。
あ、もちろん私はオメガバース大好きな人です。
ものすごい濃くてコッテコテのオメガバースのオススメ作品がもしあったらぜひ教えてください!