2021年2月7日(日)。天気晴れ。たいへん暖かい一日になりました。

小金井市の南東部は、現在は「小金井市東町」という住居表示になっていますが、かつて周辺の村の飛地や新田が入り乱れて分布していたのです。

「公界」というサイトに掲載されている小金井市の大字・小字境(小金井市の歴史散歩」から)

武蔵野台地の上は、水が利用しにくいという制約のため、なかなか開発の進まない地域でした。江戸時代になってから、17世紀半ばに玉川上水が開削され、18世紀前半、八代将軍徳川吉宗治世下の「享保の改革」において新田開発が奨励されたことから、未開の武蔵野においても新たな耕地が造られていったのです。このため、新田開発を担った村の飛地が相乱れるようになりました。

「関野新田」は、下小金井村の名主・関勘右衛門に由来する名前で、現在の小金井公園の区域に相当する「北関野」と、西武多摩川線新小金井駅から東側の「南関野」の2つの区域に分れていました。

小金井公園の近くには、先日行った是政村の飛地もありましたので、このくらいの距離で分れていること自体は、それほど珍しくなかったのでしょう。「関野新田」の天保5(1834)年の戸数は、44戸だったようです。

西武多摩川線で「新小金井駅」へ。

「新小金井駅」の南を東西に走る「連雀通り」。

「連雀通り」沿いにある「南関野」の鎮守、「関野天神社」。享保7(1722)年創建と伝えられます。

車の往来が激しい「連雀通り」の喧騒から、少し奥まった所で静かな境内です。

「連雀通り」を挟んで反対側(南側)にある「笠森稲荷神社」。鳥居が続いています。

朱色に塗られた存在感の強い社殿です。

「新小金井駅」の西側は、かつて「御栗林」として、幕府に献上された栗林でした。ここは押立村の名主・川崎平右衛門が開発したもので、その後、「御栗林」の管理は周辺の十ケ村による管理とされ、「十ケ新田」として

1874(明治7)年に起立しました。

府中駅まで出て、昼食は「ル・シーニュ」の中に入居している「鳥光國」にて、焼き鳥丼セット。

「大國魂神社」。いつもとちょっと違うアングルから。

やたら人が多かったのですが、どうしちゃったんでしょう。

さて、京王線「分倍河原駅」前の「新田義貞公之像」に見送られて、京王バス「分52郷土の森総合体育館行」に乗り込みます。

現在、「府中郷土の森博物館」にて、「梅まつり」(会期:2021年1月30日(土)~3月7日(日))が開催されています。特別なイベントは中止みたいですけれども、園内には入れますので、ありがたいばかりです。

この人が、「御栗林」を開発した押立村名主・川崎平右衛門です。武蔵野台地の新田開発に卓越した能力を発揮ししたため、大岡越前守忠相に重用され、木曽川・長良川・揖斐川の治水工事や石見銀山の再興にも携わりました。晩年には、幕府の勘定吟味役、諸国銀山奉行にまで取り立てられました。

園内には1,100本の梅があるそうです。盛りにはもうちょっとという感じで、離れて樹を見ると、あまりパッとした感じはしませんが、

一つ一つ花を見ていくと、なかなか風情があります。

勢いのある樹もありました。青い空と映えます。

蝋梅は、今が盛りでした。

濃い赤と、

淡いピンク。

足元には、福寿草が。タンポポかと思いましたが、違うんですね。

万葉集歌の碑。「阿加胡麻乎 夜麻努尓波賀志 刀里加尓弖 多麻能余許夜麻 加志由加也良牟」。「赤駒を 山野に放し 捕りかにて 多摩の横山 徒歩ゆか遣らむ」。

「府中郷土の森博物館」は、私も最も好きな場所の一つです。昨年の6月に来た際は、建物への立ち入りができなかったのですが、現在は出入りができるようになっていました。「旧府中町役場」。

1階の執務室。

こちらは宿直室です。ここの畳の部屋で、座り込んでいろいろなことを考えてみたりします。

こちらは「ハケ下の農家」。

こちらは「ハケ上の農家」。浅間山(人見山)近くにあったそうです。

府中の甲州街道沿いにあった大店「田中家」住宅。明治天皇が連光寺村に兎狩に行く際に、立ち寄って休憩した事績があります。

門を入ったところ。母屋への上がり口です。

ずっと奥の明治天皇を通した部屋まで見通すことができます。

見学の通路は、台所の土間を通って、庭伝いに行くようになっています。

奥まったところに、落ち着いた縁側があります。表通りの音は、聞こえてこないでしょうね。

こちらが明治天皇の滞在した部屋です。

また、ここには「府中尋常高等小学校」の木造校舎の一部が保存されています。

この校舎の中には、府中生まれの詩人・村野四郎記念館も設けられています。合唱曲「巣立ちの歌」を歌ったことがありますよ。

この教室!実は、私は小学校1年生の時に、1935(昭和10)年築という、古い木造教室を使っていたので、まさにこの雰囲気は原点なのです。

教室の窓から見える「田中家住宅」の瓦屋根。前世の記憶を辿るような気分になります。

まさに府中の学校の作品とも言うべき版画が飾られています。「府中市立府中第八小学校 昭和43年度

4年1組共同作」。

本日の東京競馬場メイン11Rは、「第71回東京新聞杯(GIII)」(芝・左・1600m)。

本来であれば、いつも現場で観戦しているレースです。昨年も何とか行くことができたのでした。今年も昨年と同じく16頭が出走。昨年出走した馬のうち、3頭が今年も出ます。今年の1番人気「⑬ヴァンドギャルド」(牡・5、福永祐一騎手)<昨年6着>、3番人気「⑪シャドウディーヴァ」(牝・5、岩田康誠騎手)<昨年2着>、11番人気「⑨サトノアーサー」(牡・8、坂井瑠星騎手)<昨年4着>。

というわけで、1番人気「⑬ヴァンドギャルド」。昨年は、東京の「富士ステークス(GII)」を、本レースと同じく福永祐一騎手で優勝。ここが評価されているのでしょう。

2番人気は、「⑫トリプルエース」(牡・4、C.ルメール騎手)。昨年条件戦を連勝(いずれも福永祐一騎手)して、今年初めの「京都金杯(GIII)」に団野大成騎手と出走、8着になりました。ルメール騎手に乗り替わりが評価のポイントなのでしょうか。

3番人気の「⑪シャドウディーヴァ」。昨年の「東京新聞杯」2着以降、重賞レースに7戦参戦し、一番良い成績は「東京新聞杯」と「府中牝馬ステークス(GII)」の2着。本レースとの相性の良さでしょうか。

4番人気は、「②サトノウイザード」(牡・5、鮫島良太騎手)。昨年最後のレースに優勝してオープン入り。前走は「ニューイヤーステークス」で4着。このレースはかなり接戦で、優勝した「ミッキーブリランテ」とは1馬身差でした。

5番人気は、「⑩カラテ」(牡・5、菅原明良騎手)。この馬は長い道のりを辿り、新馬戦から8戦目で初勝利、その後さらに約2年を経て突然覚醒、この12月、1月と条件戦を連勝して、本レースが古馬となって初のオープン・重賞挑戦になります。

6番人気は、「①ダイワキャグニー」(せん・7、内田博幸騎手)。昨年「エプソムカップ(GIII)」優勝、続く「毎日王冠(GII)」2着と、東京競馬場との相性は良いはずです。前走「日経新春杯(GII)」12着が評価を落としているのでしょうか。

7番人気は、「⑭エントシャイデン」(牡・6、川須栄彦騎手)。昨年は10レースに出走と、ハイペースなメニューをこなしました。うち「安土城ステークス」優勝、「谷川岳ステークス」2着、「中京記念(GIII)」及び「六甲ステークス」3着と、堅実な成績をあげています。前走は新年明けの「京都金杯(GIII)」で3着。安定しているとは言えないのですが、なかなかあなどれません。

8番人気は、「⑤トライン」(牡・6、横山典弘騎手)。昨年の終わりにオープン入りして、前走「キャピタルステークス」は6着。

9番人気は、「⑯サトノインプレッサ」(牡・4、戸崎圭太騎手)。3歳時に「毎日杯(GIII)」優勝までデビューから3連勝だったのですが、満を持して臨んだ「NHKマイルカップ(GI)」で13着と失速、その後「ダービー(GI)」に出て4着という、なかなか不思議な路線をたどりました。前走「日経新春杯」は7着、本レースで久々のマイル戦です。

10番人気は、「ロードマイウェイ」(牡・5、横山武史騎手)。一昨年後半、「チャレンジカップ(GIII)」優勝まで怒涛の5連勝、中距離路線の新しい代表馬になるかにみえたのですが、昨年はその勢いが落ちてしまいました。前走「京都金杯」は最下位の16着。

11番人気の「⑨サトノアーサー」。昨年は「東京新聞杯」以降、7レースに出走、うち4回複勝圏内に入り、「関屋記念(GIII)」では優勝など、堅実な成績をあげてきました。前走「京都金杯」は12着。

12番人気は、「④カテドラル」(牡・5、田辺裕信騎手)。3歳時に「NHKマイルカップ(GI)」3着の成績をあげましたが、その後大きく花を開くことなく過ごしている感じですが、昨年、短距離の「朱鷺ステークス」で優勝を果たしました。

さて、レースは、「①ダイワキャグニー」が先頭をとり、これに「⑫ロードマイウェイ」、15番人気の「⑮エメラルファイト」(牡・5、石川裕紀人騎手)が続いて4コーナーまで来ます。直線を向いたところで、内にいた「①ダイワキャグニー」は失速しますが、一瞬「⑮エメラルファイト」もしくは「⑫ロードマイウェイ」が先に出るかと思われるところ!、先頭グループの後ろにいた「⑩カラテ」が抜け出してきます。そこを後方から「④カテドラル」と「⑪シャドウディーヴァ」が猛然と追い上げてきますが、最後まで「⑩カラテ」が粘り、「④カテドラル」をアタマ差でかわして重賞初制覇を果たしました。3着「⑪シャドウディーヴァ」。菅原明良騎手も初の重賞勝ちでガッツポーズ。「⑩カラテ」はいよいよ本格的な覚醒でしょう。おめでとうございます。

東京競馬場の誘導馬「サクセスブロッケン」は、今回の東京競馬場開催で誘導馬を引退とのこと。自身も優勝した「フェブラリーステークス(GI)」が花道になるようです。おつかれさまでした。