豊田市が誇るデザイナーズブリッジ、豊田市駅から豊田スタジアムを結ぶ通りにかかる豊田大橋です。
豊田大橋は、Jリーグの名古屋グランパスのホームとして、また先日のラグビーW杯でも会場となった隣接する豊田スタジアムと合わせて、著名な建築家である黒川紀章が設計に携わっている。
一目見て普通の橋とは違う、有機的な印象を抱かせる。
分類としてはバスケットハンドル型ニールセンローゼ橋だが、それだけでは片づけられないディティールの数々。
街灯や車道との間の柵も統一されたデザインがなされている。
冒頭書いたようにイベントがある際は駅とスタジアムの間を観客が行き来することを想定しているため、歩道が広いのも特徴の一つ。
駅方面を望む。
橋の途中にはテラスのような部分が設けられている。
さらには二つのアーチの根本が接する辺りに階段があり、橋脚と路面の間にある広場へつながっている。
橋中央の広場。
日陰で湿っぽくてあまりくつろぐような空間には思えなかったが、逆に真夏などは川の上ということもあり涼しくていいかもしれない。
広場を岸から見たところ。
横から見るとこの部分には骨盤を思わせる装飾が入っている。
橋から直接河川敷へ降りられる階段もある。
驚いたのが傍らの看板に「この階段は、矢作川増水時上昇します。階段の下には立ち入らないで下さい。」との注意があったこと。
動くの、コレ?
動力があるようには見えなかったから、浮力で地面から浮き上がるということだろうか…。
アーチ部分もシンメトリーではなく若干上流側(写真左手)にひねっている?
下から見るといろんなパーツでひとりジャンクション状態。
もう好きにしてくれという感じ。
この上、隣の豊田スタジアムまで黒川紀章でもうやりたい放題。
お値段はセットでお得な408億円!(橋:100億+スタジアムと周辺整備:308億)
野見山展望台から。下流の久澄橋もなかなかの橋なのだがいかんせん並ぶと地味に見える。
今見ると全体に生物的な造形に「エヴァっぽい」と言ってしまいそうになるが、豊田大橋はエヴァのTV放送が始まった1995年10月より前に着工している(完成は1999年3月)。
黒川紀章は若いころから有機的な都市や建築を志向していたそうなので、ネタがカブったというよりもむしろ時代が彼に追いついたということなのだろう(こういう外見的な意味での有機的とはちょっと違う気もするが)。
この橋を知った当初は、構造的に必要なさそうな装飾などがいかにも「デザインのためのデザイン」に思えてあまり印象が良くなかったが、歩いて渡ったりいろんな角度から眺めていたら結局好きになってしまった。
おまけ。
豊田大橋には銘板が複数あるのでまとめて紹介。
他にもあったかもしれないがとりあえず見つけられたのはこの三枚。