平手神明社 (名古屋市緑区平手南1丁目) | 手当次第

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気になる所にいってみる

名古屋市の南東、緑区の平手に鎮座する平手神明社です。

記事作成時点ではGoogle mapに表示されていませんが、鳴海東部コミュニティセンターの東隣になります。

 

詳しい地図で見る

 

南向きの境内入口。

 

陰にあって見づらいが右側の社標には平手神明社とある。

境内南西角の明治四十四年建立の社標では神明社となっている。

 

境内の様子。撮影地点の右側には社務所がある。

 

境内西側の灯篭にちょっと気になるものがあった。

 

石でできた基礎に写真のようなくぼみが並んでいる。中台にも同じものがいくつもある。

 

最初雨だれかとも思ったが、民俗学者の宮本常一がこうしたくぼみについて書いていたのを思い出した。

子供たちが灯篭の台座や石段の上で小石をもって草を搗き、餅のようにするままごと遊びによってこのようなくぼみができるのだという。

もちろん一回や二回でできるものではなく、多くの子供たちが幾年も繰り返すことで生まれるのだ。

 

その本にはこうした例は近畿地方に多いとあったが、僕は今回初めて見た(と思う。気にしていなくて見落としたかもしれない)。

この灯篭の建立年は分からなかったが、何十年、あるいは百年単位の昔の子供たちの遊びの跡が残っているかと思うと興味深い。

 

拝殿前。西側に境内社が祀られている。

 

境内社は秋葉神社、山神社と、もう一社は不詳。祠に木瓜の紋があったので津島社あたりか?

 

狛犬。建立年、作者不明。昭和六十二年に社殿を造営しているそうなのでその時のものか。

 

ちょっと頭身が低めでキャラクターっぽい。

 

社殿は程よく現代的で、今どきの神社としてはいい塩梅だと思う。

 

由緒書き。

 

平手が新田開発によって拓かれた際に新しい村の産土神として勧請したもので、承応二年(1652)創建という。

 

以前に近くの篭山神社の記事でも少し書いたが、地図を見るとこの辺りの建物が大きく増えるのは80年代後半ぐらいからで、それまでは平手の集落の西の外れにこの神社がポツンと建っていたようだ。

 

今は周りに建物がひしめき合い、大きく変わった風景の中で、この神社が開拓の歴史を伝えている。