チャートを読み解く「日本国債」⑦ 長期金利までも手中に?! 2024年2月5日朝回診 | 外科系集中治療医による新NISAの記録

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新しい1週間の始まり。
先週末は米国雇用統計の発表により、米国株高、ドル高が進行して終わった。
今週はどんな相場になるのか?
 
 
では続きから。
前回まで「イールドカーブ」について説明してきた。
今日のインフレトレンドの対策として各国が政策金利を引き上げ、結果として「逆イールド」となった。
 
 
 
今までの右肩上がりのカーブとは反対に、右肩下がりになっている。
これを「逆イールド」という。
 
「短期金利」でお金を借りて、「長期金利」でお金を貸す。
市中銀行はそういったモデルで収益を上げているが、これでは利益を出すことができない。
銀行の貸し渋りが起こり、市場の貨幣は減少する。それ故「逆イールド」になると不況になると言われるのである。
 
そんな前提を踏まえて、日本のイールドカーブを見てみよう。
 
 
逆イールドになっていない。大丈夫そうだ...とはならない。
他の先進国とは全く違う問題を我が国は抱えている。
 
以前の投稿で、低迷した日本経済を立て直すため、日銀は大規模な金融緩和を実施していると説明した。
それが、①金利の爆下げ、②国債の爆買いである。
 
金利には大きく2種類ある。「短期金利」と「長期金利」である。
景気改善のために中央銀行が介入するのは、「短期金利」であり「政策金利」ともいわれる。
「短期金利」を引き下げることで、市中銀行の民間への融資を推進するのだ。
2000年初頭に日本銀行はこの「短期金利」をゼロにした。いわゆる「ゼロ金利政策」である。
 
しかし、上手くいかない。
そもそも経済不安が続く日本で、融資を受けて新規事業を始めようとはなかなかならないだろう。
貨幣は債務から生まれる」。それゆえ、誰かが借りなければお金は生まれない。
 
そして始まったのが2016年からの量的・質的金融緩和である。
短期金利をマイナスまで下げ、10年物国債利回り(これが一般に言う「長期金利」)がゼロになるまで、国債を爆買いした。
 
本来、長期金利は市場の動向で決まるものであり、中央銀行の介入で決まるものではない
しかし、現在まで続くこの金融緩和によって「長期金利」までも中央銀行はコントロールしてしまった。
マイナスの「短期金利」、ゼロの「長期金利」。それを実現するために日銀は国債を爆買いしたのである。
 
これが俗にいう「イールドカーブコントロール (YCC)」である。
 
といったところで、夕回診へ。