NATOは、ウクライナがNATOからの援助で入手した武器でロシア領内を直接攻撃することを許可した。もし、そのような攻撃が本格的になれば、ウクライナ戦争は新しい局面に入ることになる。
 

何故なら、以前からプーチン・ロシア政権は、ウクライナからNATOから供与された武器でロシア本土が攻撃されたなら、それはNATOからの攻撃と見做すとし、そのような場合は核兵器でNATO諸国に反撃する可能性があると警告しているからである。https://jp.reuters.com/world/ukraine/DZBBVJAUZ5M5HBKXZZZXMMT6II-2024-01-11/

 

プーチン大統領は65日、第27回サンクトペテルベルグ国際経済フォーラムにおける記者団との懇談(補足1)において核戦争の脅威について問われた際、改めてこの考えを繰り返し伝達している:

「ロシアには核ドクトリンがある。ロシアの主権と領土の一体性が脅かされれば、(核兵器を含め)あらゆる手段を行使することが可能と考えている。これを軽々しく表面的に受け取るべきではない。」と答えている。

 

米国の著名な政治学者であるシカゴ大のミアシャイマー教授も、ロシア領内への攻撃が本格化すれば、ロシアはポーランドやバルト海の攻撃目標に攻撃を加え、国家存亡の危機と考えれば核兵器に頼る可能性が高くなると分析している。https://www.youtube.com/watch?v=H1yrf76qNqc

 

 

国際政治評論で最近著名となり、且つ反グローバリストとして積極的に行動している及川幸久氏も、最近、この件が核兵器の報復連鎖となり世界を破壊するのではないかと危惧し、youtubeで動画配信している。https://www.youtube.com/watch?v=o3Pepc5d1kM 

 

以下、この件の経緯と、実際にロシアから戦術核兵器による攻撃があった場合国際政治がどのように動くかについての予想を書く。理系一素人がネット記事と想像に基づいて書いた文章なので、そのつもりでお読みください。


 

1)人類文明リセットの企みの一環としてのウクライナ戦争

 

2014年に始まった米国によるウクライナを代理としたロシアとの戦争は、米国バイデン政権の背後にいるネオコン・グローバリストたちの大きな世界戦略の一環である。その想定した戦略の図式を、以下に引用した記事①~➄に記載した。(特に②)(補足2)

 

ロシアは、西側から際限なく支援を受けるウクライナと通常兵器のみで戦っては勝てないので、何れ核兵器を使用することになる。この事態は、当初から考えられていたことであり、私もウクライナ戦争が始まった2ヶ月後の20224月のブログ記事にそのことを書いている。

https://ameblo.jp/polymorph86/entry-12740158516.html

 

その記事の第三節「人類史のリセットの可能性について」に、「プーチンに核兵器を使わせる」ことは、バイデン政権を操っている人たちの戦略の重要な目標の一つであると書いている。翌2023年の2月、同じテーマをより詳細に「制御された世界の崩壊を目指す人たち」と題して記した。

https://ameblo.jp/polymorph86/entry-12787065995.html

 

後者の記事②(イスラエル・ハマス戦争の8か月前に書いた)では、国際政治評論家として著名な伊藤貫氏の以下の様な発言を引用している:

 

クリントン政権時代から米国は複数の戦場で戦う能力を無くしており、それをオバマ政権も認めている。米国は二正面では戦えない状況になっているにも拘わらず、愚かにも東欧、中東、東アジアで戦争に至る政策を行っている。
 

この「愚かにも」という伊藤貫さんの言葉は間違いで、彼らは意図してこのような(米国をも犠牲にする)作戦をとっていると考え、その記事②を書いた。その内容は、彼らの中心にいる人たちは神に代わって世界の最終戦争を引き起こし、彼らの地球を実現しようとしているということである。

 

現時点で、この戦略をとる具体的(世俗的)理由は資源枯渇と地球環境問題であり、彼らは80億人の人類を地球が養い続けることは不可能だと考えている。ただ同時に、彼らの父祖の信仰の書である聖書の中の終末論を意識していると思う。現在の世界の情況とエゼキエル書第38章が記述する週末戦争との関連を議論する人たちは大勢いる。
 

彼らの最終目的は、敵(異教徒或いは異郷の民)を排除すること(地球人口の削減)である。その目的のためにパンデミックも、現在のウイルス学を用いれば大きな武器となり得る。その為に彼らはWHOを改革するつもりだという人も多い。
 

ウイルス学が専門の京都大学准教授だった宮沢孝幸氏(ウイルス学)は、2020年に始まったCovid-19のウイルスは人工的に造られたことを明らにする論文を書き上げた。しかし、学術誌には受理・掲載されなかったようだ。
 

このウイルスは、米国の国立アレルギー感染症研究所(NIH)が中国武漢の研究所の石正麗博士等にを資金援助して作らせたものだと考えられている。最近NIH所長を退任したファウチ博士は、この疑惑を否定している。https://jp.reuters.com/world/us/GLUREUAU7JLTNIGCFAW73R2CZQ-2024-06-03/

 

宮沢孝幸博士は、結局京都大学医学部を追われるように今年5月に退職した。昨年12月の記事「グローバリズムと反グローバリズムの戦い: 第三次世界大戦」にこの情況をかなり詳細に書いている。https://ameblo.jp/polymorph86/entry-12830801894.html
 

昨年2月の段階ではイスラエルの対ハマス戦争は始まっていなかった。しかしその後、サウジアラビアに対し核技術供与と引き換えにイスラエルとの和平を提案するという方法で、アラブとペルシャの間にくさびを打ち込むとともに、パレスチナの人たちの生きる空間を奪おうとした。(補足3)

 

このハマスを孤立させる戦略による中東戦争の勃発は、上記伊藤貫氏が指摘したクリントン政権が計画を立てた3箇所での戦争の2つ目の戦争であり、恐らく最初から計画されたことだろう。つまり、この和平提案は、過激派ハマスをテロに導いく為のものだったと思われる。https://ameblo.jp/polymorph86/entry-12848221532.html
 

最後3つ目の戦争は、台湾或いは南シナ海付近での対中国戦争となるだろう。それが具体化しつつあるようだと書いたのが、今年一月の記事である:「台湾進攻の準備なのか? 中国農業改革と世界戦争との関連」。https://ameblo.jp/polymorph86/entry-12834950379.html

 

その記事において、昨年2月の上記記事②を引用している。最近数年の世界の動きは、最初に説明した同じモデルで解釈可能である。

 

2)米国ネオコン政権が戦争進行を急ぐ理由

 

世界の金融エリートとイスラエル右派は、人種的にも恐らく宗教的にも共通している。米国に存在するイスラエル・ロビーからの発注に従順な彼らの部下である米国ネオコンたち(補足4)は、恐らくかれらに地球全体を引き渡そうと考えているだろう。
 

それがグローバリゼーションの中身だろうが、その理解の程度はネオコン・グローバリストたちと雖も均一ではないだろう。バイデンがイスラエルへの武器搬送に難色を示したのは、その最終目標を十分には承知していないからだろう。

https://www.sankei.com/article/20240509-WN3JNIDMHBPWHAMQY6IFW3NLSI/
 

彼らグローバリストの本丸が、これほど急峻な坂道を急ぎ登る理由は、彼らの大戦略に対する障害が大きくなりつつあるからである。それらは、米国大統領としてトランプが現れ、彼らが独占してきた世界の情報網にインターネットという大きな風穴が空いたことの二つである。

 

トランプについては、最近重ねてイスラエルのハマス攻撃を容認する発言があって、米国ネオコンの背後のひとたちは、トランプという障害を一旦(今年いっぱい)はとり除いた様に見える。

https://ameblo.jp/polymorph86/entry-12852889992.html

 

ただ、ネット社会の世界政治に与える効果は簡単には無くならない。(補足5)

 

このネット社会という障害とは、秘密裡に計画して実行し、その全てを隠し通すことが出来なくなることである。それは、彼らには強敵だろう。プロジェクトベリタスの報道やタッカーカールソンの政治解説は、従来のマスコミでは異端であっても、ネット社会では正統の位置を占め得る事態となっている。(補足6)

 

もしトランプが次期大統領になり、イスラエルの反ネタニヤフ側と連携をとり、プーチンやBRICSの大物たちなどとも協力して、グローバリストの世界大変革(グレート・リセット)に反対するようになると、彼らの計画は潰される可能性があるだろう。(補足7)

 

それを防止するために誘発しようとしているのが、プーチンによるウクライナ戦争での戦術核使用AND/OR 中国による台湾進攻だろう。その結果、米国ネオコン政権は非常事態宣言が可能となり、ウクライナ同様、当分の間大統領の椅子に現在の人物が居座ることが可能となる。

https://www.yomiuri.co.jp/world/20240522-OYT1T50018/

 

プーチンのロシアの国益を重視する姿勢は正統であり、それ故プーチン支持の政権や世論は世界には多い。その支持を剥ぎ取るために残された方法の一つが、プーチンを核兵器使用に追い込むことだろう。プーチン政権は、核兵器を用いることにより世界の中で孤立する可能性が高くなると同時に国内での支持率も下がる可能性が高い。
 

例えばポーランドとウクライナの境界付近に、支援ルート壊滅を狙って核兵器が一発おとされるとどうなるだろうか。その周辺に発生した広島と長崎と同様の地獄絵に世界の人々は震撼するだろう。そして徐々に、対プーチン批判の大合唱が始まり、ロシアは孤立しプーチンは支持を失うと思う。

 

ただ、ウクライナ戦争は直ぐには終わらないし、米露間の本格的な核戦争にもならないだろう。新しい局面を迎えることになり、むしろ小休止となる可能性がある。世界の殆どは核兵器の本当の恐ろし未だ未だ知らないと思う。
 

NATOから離脱する国も出てくると思う。何故なら、「アメリカの敵になることは危険かもしれないが、友人になることは致命的である」(ヘンリー・キッシンジャー;南ベトナムの傀儡政府を見捨て撤退したときの発言)ことに気付くからである。
 

最初に紹介した昨夜の及川幸久氏のyoutube動画では、そこから一直線に米露の核戦争に進む可能性が高いような話であった。北大西洋条約(NATO)5条、「NATO加盟国の一つの国への戦争攻撃は、全NATO加盟国の集団的自衛権発動の理由となる」としても、直ちに全面核戦争にはならない可能性の方が高いと私は思う。

 

 

3)ロシアによる最初の核攻撃以降の推移について

 

これまで、プーチン政権は「核攻撃も選択の範囲だ」という姿勢だったので、それが嘘にならない様に一挙に核報復の連鎖が始まらない範囲に核攻撃の地点を考えると思う。ただ、米国側も直ちに核反撃をする可能性は低いと思う。

 

何故なら、核反撃の連鎖が起これば途中でなかなか止められないので、敵と味方は大きな損害を受けるが、南米やアフリカのような敵でも味方でもない人たちにこの地球をプレゼントするような愚かな結末を迎えるからである。

 

米国側は、プーチンを批判するための宣伝文句を得、その結果プーチン・ロシアは残虐非道な政権として世界から攻撃され、時間はプーチン・ロシアの敵となる筈である。更に、ロシア国内でプーチンが支持を失う可能性も出てくるだろう。
 

同時に、BRICSの連携は上手くとれなくなる可能性が高くなる。その効果を見定めなければ、次の戦略を練ることが出来ないだろう。

 

ネオコンの背後の勢力は、これまで何となく存在した核兵器への封印をロシアに解かせることになるので、それは大きな成功だと思うだろう。今後、世界人口を削減する為の戦争の際、その使用のための世論形成が容易となるからである。

 

世界中の多くは、ロシアによるウクライナ侵攻が始まった時に持った「ロシアは失敗した」という感想を、再び抱くことになるだろう。
 

今回は一本道だから、そのようになる可能性が高い。その時、ウクライナの現政権は目的は達成されたのでウクライナを放棄する可能性があると思う。彼は、元々ウクライナの防衛なんか考えてはいなかったと思う。東アジアで中国が動くとしたらその時であると思う。

 

この一連の戦争は、単にロシアの勝ちという形では終わらない。この世界戦争は長く続くと想像している。ジョージアのガイドストーンにあったように、世界を彼らだけの5億人程度で支配することが彼らの目標だろう。

 

 

補足:
 

1)サンクトペテルブルグ国際経済フォーラムは、ロシアのプーチン大統領が主催する国際経済フォーラムである。今年は第27回会議であり、65日から8日までの4日間、ロシアのサンクトベテルスブルグ(Saint Petersburg)で開かれた。この初日の5日には、世界16の報道機関の記者団とプーチン大統領との面談が行なわれ、日本からも共同通信社の方が参加している。日本の記者との興味ある質疑は、以下のyoutube動画(ニキータ伝)で紹介されている。

https://www.youtube.com/watch?v=c4IPjM4r-vc
 

2)このグローバリスト達の戦略モデルは、反グローバリスト達のyoutube等での発信内容を基にして、筆者がまとめたものである。主要メディアがこの類のモデルを陰謀論として片づけるのは、彼らがグローバリスト勢力のプロパガンダ機関だからである。
 

3)サウジアラビアとイランは互いに緊張関係にあった。しかし、中国の仲介で和平を樹立することになった。それでもサウジアラビアには、イランが核兵器を持てば大きな脅威である。そこで、核技術が得られるならと、バイデン政権の企みに前のめりになったのである。もしイスラエルとサウジアラビアが和平を樹立すれば、イスラエルは安心してヨルダン川西岸地区に入植し、パレスチナ人虐めが凄惨となる可能性が高い。ハマスなどパレスチナ人が孤立感を深めることは容易に想像できる。

 

4)ネオコン(新保守主義者)とは、レーニンの死後ソ連主流派を追い出されたトロツキー(ユダヤ人)一派の内、米国に逃れて民主党側に参加し、世界革命つまり政治のグローバル化を目指す中心戦力とになった人たち。尚、歴史家の茂木誠氏は、カーター政権後、米国民主党はソ連宥和路線をとることになったので、彼らは共和党側に寝返りネオコンを名乗るようになったと語っている。

https://ameblo.jp/polymorph86/entry-12746100027.html 

 

5)日本では林千勝が現れ、日本の明治維新のからくりなどが、私のようなズブの素人にまで知られることになった。日露戦争が日本を使ったロシアとの代理戦争だった可能性が大きい。つまり、現在のウクライナ戦争のひな形が日露戦争である。
 

6)私は元々素人なので、この部分についてバランスの取れた記述は出来ません。コメントなどで教えていただければと思います。2022年の始めころのイスラエルでは、ネタニヤフの憲法改正に反対する勢力は、ウクライナに侵攻したロシアに対しても遠慮があったと記憶している。

 

7)グローバル化とは、20世紀初頭の表現ではレーニンとトロツキーが一度試みた世界帝国の建設であり、21世紀の表現ではクラウス・シュワブが主張するグレートリセットの後に新世界秩序を形成することであり、表現は異なるが同じである。反グローバリズムとは近代の主権国家体制を護る保守姿勢を意味する。

(6月10日早朝、軽編集を経て最終稿)

 

今回は、この優れたレビュー記事を紹介します。米国のユダヤ系資本などは、ウクライナ対ロシアの戦争を、この土地の豊かな資源と土地を占有する為に緻密に戦略を立てて実行したと思われます。

 

聖書の時代からロシアはユダヤの天敵なので、それを完全に支配し富を奪い取ることは、ロシアの共産主義革命から始まる一連の戦略だろうと思います。それが失敗したのは、スターリンに実権を奪われたからでしょう。因みに、マルクス、レーニン、トロツキーらは全てユダヤ系です。

 

ここに詳細に書かれたことの概略は、ロシアによるウクライナ侵攻が始まる10日ほど前に、ブログで書いていますので、リファーさせていただきます。以下のブログ記事のセクション4です。

https://ameblo.jp/polymorph86/entry-12726626308.html

=== おわり ===

 

 

 

 

韓国の野党「祖国革新党」の曺国代表らが513日、竹島に上陸し、対日関係を重視する尹錫悦政権を批判した。外務省は、曺氏らによる竹島上陸について、韓国政府に強く抗議したとしている。https://www.youtube.com/watch?v=oxkBmenKb00

 

 

この件について、立憲民主党の松原仁議員が衆議院外務委員会で、竹島は我が国固有の領土であるから、この不法入国に対して入管法上の処罰が可能な筈なのに、なぜそのような措置をとらないのか、刑の執行が出来なくても、判決は出せる筈だと質問している。

https://www.youtube.com/watch?v=yWv51KHpZzM

 

 

それに対して上川外務大臣は、竹島は韓国が1954年以来不法占拠し、現状日本の施政権下でなくなっており、従ってそのような対応がとれないと答弁した。つまり、我が国固有の領土であっても、現状施政権下に無い以上、そのような告発は不可能だというのである。

 

何という愚かな質疑だろうか? 松原氏と外務省がわざわざ政治ショーとしてやっているのである。この馬鹿げた質問で、松原仁氏は次回も国会議員に選んでもらえると期待しているのだろう。更に腹立たしいのは、日本のマスコミはその政治ショーに100%参加していることである。

 

松原仁議員が“竹島問題”に本気で立ち向かうなら、先ず最初に質問すべきは: ①竹島は日本固有の領土だというが、「固有の領土」とはどういう意味なのかと言う質問である。その上で、②日本の領有権を韓国が侵犯している現状を何故放置するのか、自衛隊を出動させないのは何故かと質問すべきである。

 

松原議員は、この問題の原点を確認しないで、また竹島には既に韓国の常備軍が駐留しているにも拘わらず、韓国の一国会議員が渡航したことに対して入国管理法上の措置をとらないのはおかしいのではないかと外相に質問しているのである。愚かである。そして、松原議員は国士であるとか何とか言って、誉めそやしている人たちも同様である。

 

外務省も外務省である。竹島は現在不法占拠されており、日本の施政権下にないので、そのような行政上の対応はとれないと答弁しているのである。松原議員と外務省の間で「韓国による領有権侵害そのものは問題としない」という暗黙の了解のもとで、政治ショーを共に演じているのである。

 

外務省は恐らく、竹島は敗戦時に米国に取り上げられた領土であり、日本の領土ではないと納得しているのだろう。この領有権の問題は、既に記事に書いているので、編集して再掲する。

 

 

2)日本は敗戦により竹島を失った

 

韓国による竹島占領は、李承晩ラインの設定により始まると言われている。しかし、本当はそうではない。それ以前の2本の連合国最高司令官司令(SCAPIN)において、日本領土から外されており、李承晩ラインはこのSCAPINの延長でしかない。

 

その一つは、「一部の地域を政治上及び行政上日本から暫定的に分離することに関する覚書」として19461月の連合国最高司令官司令677号(SCAPIN-677)である。その第3項は以下のようである。

 

SCAPIN-677の第3項: この指令の目的から日本と言ふ場合は次の定義による。

 

日本の範囲に含まれる地域: 日本の四主要島嶼(北海道、本州、四国、九州)と、対馬諸島、北緯30度以北の琉球(南西)諸島(口之島を除く)を含む約1千の隣接小島嶼;

日本の範囲から除かれる地域 (a)欝陵島、竹島、済州島。(b)北緯30度以南の琉球(南西)列島(口之島を含む)、伊豆、南方、小笠原、硫黄群島、及び大東群島、沖ノ鳥島、南鳥島、中ノ鳥島を含むその他の外廓太平洋全諸島。

(c)千島列島、歯舞群島(水晶、勇留、秋勇留、志発、多楽島を含む)、色丹島。

 

つまり、このSCAPIN-677により、日本から竹島、歯舞群島、色丹島などが除外されたのである。また、「日本の漁業及び捕鯨業に認可された区域に関する覚書」として、SCAPIN-1033が出され、所謂マッカーサーラインが引かれた。その第3項にリアンクル岩礁(つまり竹島)の12海里内に立ち入っては行けないと書かれているという。

 

 

そのマッカーサーラインがサンフランシスコ講和条約(1952/4/28)で消されるかもしれないと考えて、李承晩が独自に宣言したのが、李承晩ラインであり、それはマッカーサーラインと同じである。講和条約ではマッカーサーラインや竹島に関する言及は無かった。

 

日韓基本条約締結により李承晩ラインは廃止され、それに代わって日韓漁業協定が締結された。李承晩ラインの廃止までの13年間に、韓国による日本人抑留者は3,929人、拿捕された船舶数は328隻、死傷者は44人を数えた。ただ、日韓基本条約において竹島領有権には触れていない。

 

拓殖大学客員教授の濱口和久氏のニュース記事「韓国の仮想敵国は日本?」(20141128日)によると日本政府は、李承晩ラインの問題を解決するにあたり、日本人抑留者の返還と引き換えに、韓国政府の要求に応じて、常習的犯罪者あるいは重大犯罪者として収監されていた在日韓国・朝鮮人472人を放免し、日本国内に自由に解放し在留特別許可を与えた。

https://web.archive.org/web/20141214163339/http://www.data-max.co.jp/politics_and_society/2014/11/24120/1128_hmg_1/

 

 

3)自民党政府の日本国民に対する二枚舌

 

先ず、以上を整理する。

 

竹島はGHQの指令(SCAPIN-677)により日本行政区域から除外された。そして、日本漁船の操業出来る区域の境界線として、マッカーサーラインを示した。(SCAPIN-1033) それらが、サンフランシスコ講和条約で廃止され、竹島が日本領土となることを恐れた李承晩は、マッカーサーラインをそのまま韓国の主権が及ぶ範囲として決定した。それが李承晩ラインである。

 

講和条約後も、日本は口先で竹島の領有権を主張したが、それにも関わらず、韓国に拿捕された漁民の日本側への引き渡しと引き換えに、日本の刑務所に服役中の重大犯や常習犯472人を釈放して、日本国内に住まわせた。

 

従って、以下のように筆者は結論する。

 

①日韓での拿捕された日本漁民と日本国内刑務所で服役中の朝鮮・韓国人犯罪者との引き渡し交渉での合意、②竹島区域に関して、SCAPIN-677の指令と異なった合意がサンフランシスコ講和条約でなされなかったこと、及び、③日韓基本条約において竹島が日本領であるとの合意がなされなかったこと、以上①—③により、実質的に日本政府は竹島を韓国領土として認めたことになる。

 

韓国の竹島領有を黙認した上で、日本が竹島領有権を主張することは、相手国の悪行(追補1)とする形で、日本に問題を解決する能力がないことを隠したいのである。サンフランシスコ講和条約後も、日本が憲法を改正して独立国にならなかったのは、米国と日本を統治している大日本帝国の生き残りがそれで良しと結託したからである。

 

同様のことが歯舞群島や色丹島の領有権の主張にも言える。SCAP-677でそれらの島々は、日本領から外された。それらの日本返還を明確に述べた日ソ共同宣言(1956/12/12)に署名し批准しながら平和条約締結を諦めたのは、米国で外交を司る国務省(米国ではどういう訳かそう呼ぶ)のトップであったダレスの恫喝によると言われている。つまり、SCAPINは未だに有効なのである。(追補2)

 

吉田茂はサンフランシスコ講和条約締結(1952/4/28)直後に、憲法改正すべきだった。それをしなかったのは、私の想像では、明治維新の際の薩長土肥政府の中で出世した自分たちとその一族、仲間たちの名誉を守るためだったのだろう。敗戦の総括がなされれば、彼らは国賊として裁かれることになるからである。(補足1)

 

政府の鳩山一郎は、1954年に総理大臣に就任している。憲法改正には、吉田茂の自由党や日本社会党の支持がなければ不可能である。日ソ共同宣言とその後の平和条約への道を創ったのは功績だったが、ダレスの恫喝を受けて、その後1223日総理大臣を辞任している。米国国務省による妨害が、日本とソ連(ロシア)との平和条約締結を妨げたとして、プーチンロシア大統領も明言している。つまり、日本は独立国としての外交が出来なかったのである。

https://www.huffingtonpost.jp/2016/12/18/putin-dulles_n_13703530.html

 

それにも関わらず、自民党日本政府が北方4島や竹島を日本領土として主張するのは、米国の属国としての日本の地位、それを選択した自分たちの売国的政策を隠すためである。そのために、悪役となったのが韓国でありロシアである。それが、世界各国が、日本は過去の戦争の結果を認めていないと言って攻撃する理由の一つだろう。

 

おわりに:

 

以上、多少皮肉な見方なのかもしれないが、日本国民は未だ自分達の国家をもっていないということになる。そして、米国政府の下で占領政治を続けているのは、薩長土肥の日本帝国の生き残りである。

 

その体制維持の為に、中央集権体制を維持している。国会議員は、実質的に中央政府からの御用聞き、或いは、地方からの陳情屋に過ぎない。その国会議員という職業を維持するために、一票の格差が2倍以上の小選挙区制という選挙制度を堅持している。

 

つまり、150年前に決定した小さな区割り(県という)から、その地方に国家から与えられる利益と直結した形で国会議員を置くのである。国家から与えられる利益が、自民党以外の人物が国会議員になれば無くなってしまう場合、その県から選ばれる議員は必然的に自民党所属議員となる。単なる御用聞きなので、知識も知性も不要であり、世襲制の方が中央政府支配層には有利である。

 

この所謂55年体制は、官僚が政治を立案し行うことで、一応体裁を整えてきた。従って、外務大臣は外務省の意見で動くのだが、外務省は米国の指示を第一に優先する。そのために、外務次官経験者が駐米大使に就くことが慣例となっていた。

 

追補:

 

1)ある国家が他国に占有されていない土地を占領し領有宣言することは正当な政治的行為である。それに異存がある国は、その旨の宣告をして外交的手段を講じるのも正当である。この外交的手段の範囲に戦争も含まれるのは、主権国家体制が始まって以降、近現代の常識である。

 

2)このことは安倍内閣の時、日露が平和条約締結にほぼ合意しながら、日本を統治するシステムの一環として存在する日米安全保障条約の規定故に断念したことがあった。歯舞色丹が日本領に戻った場合、そこにも米国が基地を設けることが可能となり、それを日本が拒絶できないからである。

 

補足:

 

1)吉田茂は、1878年高知県出身の竹内綱の5男として生まれ、1881年(明治14年)8月に、旧福井藩士で横浜の貿易商(元ジャーディン・マセソン商会・横浜支店長)・吉田健三の養子となる。養父・健三が40歳の若さで死去し、11歳の茂は莫大な遺産を相続した。(以上ウイキペディアより抜粋)

 

(18:30、20:45編集;翌早朝再編集、追補1,2を加えて最終稿とする)