今回のロシアとウクライナの戦争は、両国の消耗により停戦となる可能性が出てきた。勝敗は明確には出ないかもしれないが、ロシアの戦略的失敗という点は明白だろう。日本人にも様々な教訓を与えたので、その幾つかを議論する。

 

 国際法はあてにならないこと

 グローバリストの勝利、ナショナリストの敗退

 核兵器が国家の防衛力を決定すること

 国の地政学的位置は外交戦略上の非常に重要であること

 

あくまでも一素人の理解です。

 

 国際法について:

 

国際関係が法治原則の下にないのは、今日の常識である。つまり、主権国家間の関係(国際社会)は、最終的には野生の支配下ということになる。ロシアのウクライナ侵攻は明確な国際法違反であるが、国際社会はそれを防止する能力がない。米国はスネに傷持つ大親分であり「国際警察」ではない。

 

ウクライナはソ連崩壊直後、世界有数の核保有国だった。しかし米国のクリントン大統領(当時)はウクライナ等から核兵器をロシアに移し、ロシアによる一元管理を考えた。ウクライナを核不拡散条約に加盟させる代わり、安全保障の覚書に署名した。ブダペストの覚書(1994年;核大国の米英露が署名と呼ばれる。(補足1)

 

法治の支配下にあれば、ブダペストの覚書は実効性のある契約書となり、ロシアにウクライナ侵略のオプションなど無かった筈である。ウクライナの悲劇は、ブダペスト覚書の本質が「核保持国のエゴイズム」だったことを証明した。そして、国際社会が野生の支配下にあることを再確認することになった

 

世界の一元支配が達成されれば、国際社会は法の支配の下に入る可能性がある。その理想論が、所謂グローバリズムだろう。そこへ直線的に目指すのは、共産主義革命の悲劇を繰り返すことになる。そのことはグローバリズムを主張している核大国の中心にある人たちは知っている可能性がある。

 

つまり、グローバリズムという理想論は戦略ではなく、つまり本当に世界の一元支配と法治化を目指しているのではなく、単に自己の利益のための一つの戦術の可能性がある。(補足2)それは、グリーンニューディールなどと同様である。本当に賢い(ずる賢い)人たちは理想論に毒されることはないだろう。

 

 

② グローバリスト米国の勝利、ナショナリストの敗退:

 

ウクライナは 1990 年、「受け入れない、作らない、手に入れない」の非核三原則を盛り込んだ『主権宣言』を採択し、翌年非核化の声明を発表しているので、ブダペストの覚書の決定は一応ウクライナ自身の選択でもあった。https://src-h.slav.hokudai.ac.jp/publictn/68/68-1.pdf

 

この時ウクライナは中立国の方針を採択しており、ロシアとの関係もそれほど悪くなかった筈であるが、その後徐々に悪くなった。その裏に2004年と2014年の内戦があり、それらには米国の深い関与があったことは周知である。

 

2019年にNATO加盟を憲法に書き込んだのは、クリミヤをロシアに占領されたからであるが、NATOの意向を確認しないで憲法に書き込むのは異常である。上述のように、ウクライナをロシア攻撃の武器とするために米国が狡猾に誘導したのだろう。そうでなければ、恐ろしく粗雑な政府・議会ということになる。(補足3)

 

2019年の大統領戦では、ユダヤ人の新興財閥(オリガルヒ)が中心的役割を果たしている。国家を持たない民族は、国際的ネットワークを張り、情報と知恵の交換で生き残ってきた。世界の金融のみならず、方々の政治も裏で支配を強めつつあるということだろう。https://ameblo.jp/polymorph86/entry-12466516264.html

 

ゼリンスキー政権には、公約違反が数々あり、ロシアのウクライナ侵攻まで国民の支持率が大きく低下していた。例えば、ドンパス地方でロシア人を殺害する極右団体を内務省下の正規軍にするとか、政権誕生から今日まで腐敗オリガルヒとの親密な関係などである。

 

これらゼリンスキー政権と極右団体との関係はウクライナのジャーナリストAnna Myroniuk氏の言葉として、3月2日の記事にも書いた。また、昨夜公開の及川幸久氏のyoutube動画では、アゾフ大隊のほか、C14とか右派セクター(the Right Sector)などの極右団体との関係もかなり詳細に説明している。(補足4)https://www.youtube.com/watch?v=xd2JuhnPhb0

 

そのような背景で、(以下はプーチンの視点からの記述になるが)ロシアが国家の将来を賭け、ウクライナから極右人種差別者たち(ゼリンスキーを含め)を排除しようと乗り込んだ。それに対し、米国は究極の制裁を課した。あのウイグル人権問題などで国際的に非難された中国にも用いなかった、「SWIFT(国際決済システム)からの排除」である。

 

それに加えて、ネットやマスコミを用いる大々的プロパガンダで、ゼリンスキーは英雄でプーチンは21世紀のヒトラーというレッテルが貼られつつある。米国側は、総合戦力で圧倒的な力を見せつけた。以上の出来事は、”グローバリスト米国の勝利、ナショナリストの敗退”のように見える。時代の流れを感じる。

 

 核兵器の国家防衛上の重要性:

 

ソ連崩壊のとき、独立国家共同体(CIS)が作られたが、その中で最も独立志向が強かったのはウクライナであった。スターリンによるホロドモール(下のHaranoTimesさん等が字幕をつけた動画を公開しているhttps://www.youtube.com/watch?v=guT9DHjo3-Q)の記憶やクリミヤの黒海艦隊の帰属の問題でトラブルがあったので、当然かもしれない。

 

この時のロシアへの核兵器移送がなければ、ウクライナは今回攻撃されなかっただろう。シカゴ大のミアシャイマー教授は1993年の論文で、「独立を宣言後すぐに、ウクライナは独自の核抑止力を作るように静かに奨励されるべきだった。今でも、ウクライナに非核国家になるよう圧力をかけるのは間違いである」と書いている。https://www.jstor.org/stable/20045622

 

伊藤貫さんが以前、同教授が「世界の20程のまともな国は、核武装した方が世界の安定には良い」と言ったことを紹介した。それを聞いた対談相手の西部邁氏は「その20カ国の中に日本も入っているの?」と、日本がまともな国20の中に入っていることに、安心なのか意外なのか分からない相槌を打っていた。

 

ウクライナ自身による国軍の非核化はウクライナ自身の選択でもあったが、これはロシアと一定の友好関係を維持するという覚悟がなければ出来ない筈である。隣国との関係は時間と共に大きく変化する可能性があるので、出来れば残したかっただろうが、英米の圧力に屈したのだろう。

 

実際、あるロシア関連の研究者の著作には以下のように書かれている。チェルノブイリ原発事故による核アレルギーの影響もあるが、「主権宣言の採択から完全な非核化を遂げるまでの6年の過程では核保有を主張する声もあり、むしろ経済的危機を背景に核兵器の維持が不可能となり、西側諸国からの核保有論に対する批判から非核化に追い込まれたというのが実状である。」(末澤恵美、「ウクライナの核廃絶」スラブ研究センター研究報告シリーズNo68)(補足5)

 

地政学的な条件の重要性(日本とウクライナの比較)

 

ウクライナ大使館のHPには、主権宣言(1990716日最高会議採択)で「将来において軍事ブロックに属さない中立国となり,非核三原則を堅持する国家」となることを明らかにしている。それなのに何故、2014年に親米政権を樹立し、中立国という方針を放棄したのか? (このことは、2月24日の記事日の記事に書いた)

 

 

 

ここで日本の将来を考える。日本の地政学的位置は、ウクライナのそれに似ている。ロシアに相当する国が中国である。NATOに相当するのが、日米安保条約である。日本は安保条約で一定の侵略抑止効果を得ているが、セクション①に書いたように、条約は所詮紙切れである。

 

そして、ホロドモールの被害国はウクライナだが、中国国民が信じている南京虐殺では中国が被害国となっている。中国では低学年から反日教育が実施されているので、小学生に日本人について聞けば必ず、「日本人って悪い人でしょう」と答える。これら諸点は、隣国の侵略を考える時、日本はウクライナよりも圧倒的に悪条件下にある。

 

ウクライナよりも好条件なのは、日米安保条約だが、その米国政治の背後の資本家たちとそのブレインたちに、日本は嫌われている。更に、中国こそこれからの米国のパートナーであるという考えが、彼らには存在する。そのことについては2017年の記事に書いた。

 

 

ウクライナに戻る。隣国ロシアが一強米国の殲滅のターゲットであったこと、そのロシアの隣国であるという地政学的条件、更にロシア経済が今ひとつで将来にも明るい展望に乏しいことなどが総合的にウクライナの悲劇のエネルギーとなった。ネオナチなどは導火線にすぎない。(補足6)

 

日本国はウクライナよりも犠牲として打って付けである。その日のために、米中両国民には十分悪役としての刷り込みがなされている。中国に侵略のエネルギーが生じてきているか、その導火線となるものは何か、それらを常に考えて備えなければならない。今回はウクライナの件から得る教訓というところのみ考えた。

 

(21時50分、改訂)

 

補足:

 

1)実際は、ウクライナの他にカザフスタンとベラルーシも核不拡散条約(NPT)に参加する代わりに、米英露が安全保障の覚書に署名した。

 

2)世界の一元支配が達成されれば、この問題は消滅するという理想論が、所謂グローバリズムだろう。そこへ直線的に目指すのは、共産主義革命の悲劇を繰り返すことになるだろう。

インターネットと生産性の格段の上昇などにより、人類はその方向へ進んでいることにある日突然気づくかもしれない。その時まで地に足をつけて、現実的戦略をとるべきだと思う。

 

3)ロシア潰しのためにウクライナを利用するという戦略はあり得る。それは、日本を潰すために韓国を用いるようなものである。

 

4)ゼレンスキーはロシアとの対立を無くすることを約束して大統領に当選した。しかし、その後、ドンパスを訪問した彼は超民族主義者(ネオナチ)の味方になってしまう。そのあたりの事情をTowards Freedomという独立系メディアが報道している。立候補直後のゼレンスキーは、自分のユダヤ人としての血統を軽視していたが、ロシアとの全面戦争になり、プーチンがウクライナからのネオナチ追放を主張すると、自分の血統を宣伝し始めた。それは米国メディアも同様である。記事は「ロシアとの全面的な情報戦争に従事している米国のメディアにとって、大統領のユダヤ人の経歴は不可欠な広報ツールになっています」と書いている。=>Towards Freedomの記事

 

5)北海道大学スラブ・ユーラシア研究センター(https://src-h.slav.hokudai.ac.jp

は国内唯一の総合的なスラブ・ユーラシア地域研究機関である。そこで発行されている研究雑誌だろう。この論文は上のセクション①で引用したサイトでpdfとして公表されている。https://src-h.slav.hokudai.ac.jp/publictn/68/68-1.pdf

 

6)プーチンがロシア帝国の栄光を夢見たとすれば、それはロシア経済が未だに資源の切り売りで生きる姿から脱却できないこと、つまり「21世紀の技術立国ロシア」などのビジョンがあれば、大昔の栄光が脳内で大きくはならなかっただろう。

同様に、日本が恐ろしい事態を経験するとしたら、中国経済が傾き、その原因を外に転嫁する欲求を中国首脳が持ち始めた時だろう。その時、①で議論したように、日米安保など”屁の突っ張り”にもならないだろう。

追加: 是非以下の動画を見てほしい。(3/14/10:15)

丸谷元人氏のウクライナ戦争の真実について 

 

1)ロシアは、赤ちゃんや妊婦が実際に入院している小児病院を爆撃したのか?

 

ロシアとウクライナの戦争は既に二週間以上続いている。その中で、学校、病院、住宅などが攻撃されているようだ。中でも、ドネツク州の街マリウポリの小児科病院が攻撃されたことが、残虐な空爆として世界中に報道されている。この小児科病院の爆撃に対して、ゼレンスキー大統領はロシアによるジェノサイドの証明であると攻撃している。https://www.youtube.com/watch?v=0wzS6C_ARZM

 

その一方、ロシアのラザロフ外相は、「爆撃の3日前、ロシアは国連理事会にくだんの病院がウクライナのネオナチ部隊に占拠されていると報告済みだった」と語っている。我々にはどちらが真実かわからない。https://mainichi.jp/articles/20220311/k00/00m/030/007000c

 

ただ、この爆撃が実際に患者がいる小児科病院に対するもので、何人もの子供や妊婦が被害にあったとするなら、恐ろしいことだ。しかし若干の疑問が残る。それは、ウクライナの軍事施設や軍隊に使うべき武器弾薬を使って、市民を直接攻撃するのだろうか? ロシア側の指揮する人物は態々国際的孤立を目指しているのだろうか? という疑問である。

 

もし、ロシアのラブロフ外相が主張するように、ネオナチ集団、つまりオデッサでビルに逃げ込んだ50人ほどの親露デモ隊を焼き殺したアゾフ連隊(現在ウクライナ政府内の組織)などの集団、が占拠しているのなら、現状から考えて、ロシア軍にも十分に爆撃する動機が存在する。(補足1)

 

オデッサ事件と今回の戦争の背景についての解説動画を以下に引用する。

 

(補足2)

 

また、もしこれがロシア側の主張のようにフェイクニュースでないのなら、ロシアとウクライナの間の憎悪感情は恐ろしく増幅されており、戦術核が用いられるのも時間の問題かもしれない。我々日本人が真に考えるべきは、その事態を如何に避けるかということである。

 

このような人類の終末論的な危機を考えるべきとき、今朝のTV放送「ザ・プライム」は、「何らかの形で、NATOがウクライナに直接的にウクライナとロシアの戦い渦中に入るべきだ」と議論している。恐ろしく幼稚であると思う。

 

今は、ゼレンスキー大統領に、一旦は白旗をあげること、或いは、米国が2月中に打診したように、ウクライナを離れることを進言すべきだろう。(補足3)今、ロシアに軍を引かせることは至難だが、それに比べて(ウクライナが一旦親露政権になったとしても)戦後例えば数年後ウクライナに民主的な選挙が挙行されるように応援することの方が遥かに容易である。

 

今は、姑息だと思われるかもしれないが、全人類のことも考えて、ウクライナの人的被害を最小限に抑えるべきだと思う。

 

 

2)ウクライナのゼレンスキー政権とネオナチ集団との関わり:

 

ゼレンスキー大統領は、これまで汚職の温床のように言われてきたウクライナの新興財閥(オリガルヒ)の一人コロモイスキー氏の応援で大統領になった。彼は、コロモイスキー氏所有のテレビ局が放映した「国民のしもべ」で有名になった元コメディアンである。

 

因みに、ゼレンスキー氏が大統領となり、ウクライナは、大統領と首相の両方がユダヤ人である世界で二番目の国となった。https://www.huffingtonpost.jp/entry/who-is-zelenskiy_jp_621da790e4b06e1cc59413f9

 

爆撃されたという小児科病院は、ドネツク自治州の黒海沿岸の街マリウポリにある。ドネツクと言えば、2014年から始まる政変の主要舞台の一つである。この2014年のクーデターで欧米諸国(つまりNATOを構成する国々)は、暴力デモ集団の要求を受け入れるよう当時のヤヌコビッチ政権を制裁で脅している。その暴力デモ集団の一つがアゾフ大隊である。米国CIAがブラックウォーター(傭兵の派遣会社)の私兵集団をこの暴力デモに派遣した疑いもある。

 

アゾフ大隊がどのような組織かは、ウィキペディアにも書かれている。それは、上述のようにゼリンスキー大統領を応援したオリガルヒのコロモイスキーが所有した私兵部隊であった。しかし現在では、ウクライナ内務省管轄の国家親衛隊の中に組織されている。

https://news.yahoo.co.jp/articles/4435d40d5ece106952c0216b84c3ce42a0cd82c7

 

この組織については、以下のような報道もある。

ロシア系の人々を相手に暴力的な衝動を発散させたいアゾフ連隊と、ロシアに支援されたウクライナ東部を攻撃したい新ウクライナ政府の利害は合致し、アゾフ連隊はウクライナ国家親衛隊に組み入れられたのであるhttps://www.globalmacroresearch.org/jp/archives/21097

 

この事実を先ほどのテレビ番組にでている櫻井よしこ、橋下徹、佐藤正久、渡辺周などの人たちは知っているのだろうか?

 

更に、アメリカの現国務次官のビクトリア・ヌーランド氏が2014年の政変時(マイダン革命と呼ぶ場合もある)に、ウクライナ新政権の人選について話し合っている音声がYoutubeに暴露されているという。つまり、ウクライナとロシアの戦いは、米国(非トランプの伝統的政権;NATOのトップ)とロシアの戦いという大きな構図で捉える必要がある。

 

実際、米国で物を言う投資家として有名なジムロジャーズが、今回のロシアによるウクライナ侵略は、米国国務省がキエフでクーデターを引き起こした2014年に起因していると主張している。https://moneycentral.com.ng/markets/article/jim-rogers-none-of-this-should-be-happening-its-absolute-madness/

 

その様に考えたら、今「ザプラム」で行っている、2014年のクーデターには一切触れないで、ウクライア善でロシア悪というナイーブな議論を垂れ流す TV放送は、電波空間と日本人の頭の中を汚すだけだと思う。

(11:30 小編集;17:45最初のセクションの最後の文章を多少変更)

 

 

補足:

 

1)このセクションの太字部分は、双方が虐殺の責任を互いに追求されるべきことを示している。ゼレンスキーのウクライナのみがロシアに対して攻撃できる立場ではない。

 

2)この動画で、主権国家への侵略は言語道断だと話している。それは、国家間の関係に「法による正義の実現」という国内での犯罪行為の善悪論を適用できるのなら正しい。この場合の法とは国際法である。しかし、その枠内で事が治るのなら、全ての戦争は起こらない。ある国の他国への行いが国家の命運を左右するのなら、戦争は国際法の禁じるところではない。つまり、問題はロシアの侵略行為が防衛戦争なのかどうかということとなる。米国やNATOがロシアの発祥の地である隣国に、深刻な政治介入を行っているとした場合、そしてロシア国籍の人たちが虐殺の危険に晒されているとするのなら、ロシア側にも一定の理由があることを認めなければならない。

そうでないと、北朝鮮から軍事力で拉致被害者を取り戻すという選択肢が、もし独自軍を持つまともな国であったとしても、日本に無いことになる。

 

3)穿った見方をすれば、ロシアがウクライナを侵略した段階で、「悪者ロシア」の証明ができたので、ゼレンスキーさんの役割は終わったというのが、米国の考えなのかもしれない。

ロシアのウクライナ侵略を契機として、日本では防衛論議が盛んである。週始めの7日、三橋貴明氏の「恐らく今年中に中国は台湾への介入を開始し、台湾有事になれば即日本有事になる。それに備えて、日本は米国との核シェアリングするか、独自核武装をするかの議論を急いでする必要がある」という言葉を紹介した。

 

私は、核武装以前にするべきことがあると思う。それは、国家の在り方、防衛の在り方、防衛戦略の考え方を、国民の間に、そして政府・議会の中にまともに育てることである。急場凌ぎの核武装は、気狂いに刃物の危険性がある。

 

更にそれ以前に、日本にはするべきことがある。それは日本国が他国とのコミュニケーションがまともにとれる国にならなくてはならないこと。例えば尖閣諸島に中国公船が領海侵犯したと言いながら、その中国船とまともなコミュニケーションが出来ていない。警告射撃などしないでただ進路妨害をだけの対応は、人の社会では口の訊けない人か自閉症の方の対応である。

 

日々放送される尖閣での中国公船の領海侵犯とか、接続領域侵入の船の数などは、何のための放送なのかわからない。

また、北朝鮮に横田めぐみさんが拉致された105日が来る毎に、”恒例”の拉致被害放送がTVで流される。これも何のための放送かわからない。

 

拉致被害の解決を政府は言及するが、実際は何もしない。北朝鮮は解決済みと言い、日本側は未解決だと発表する。原点から一歩も解決の方向に進まない。北朝鮮の言葉が嘘だというのなら、武力以外では解決の方法がないことは明らかで、それを明確に国民に言うべき。政府が知らない筈はない。

 

このような政府に不信感と不審感を持たないのは、或いはそれらを持っても何も発言しないのは、日本人の文化に知らぬ人のわからない行動に対して、尋ねるという文化が無いからである。尋ねるような言葉を発するのは、敵とみなしてからである。その時には河内弁で、「馬鹿、どけコラ❗️」と怒鳴られるのは、初めての会話としては良い方である。(補足1)

 

それは日本には一歩家庭や会社のような“共同体”の外に出れば、物理的な人は居ても社会的な人は消滅することと関連している。何をアホなことを言っと るという人は、次の写真を見てもらいたい。

街中の看板や幟である、一体何を狙ってどの程度の効果を考えて、多大な経費をかけて態々街の美観を損なうこんなものを掲げたり立てたりするのか?犬に街角で糞をさせても知らぬ顔で立ち去るような人物に何も面と向かって言わないで、こんな掲示をして効果があるとでも思っているのだろうか?

 

夜間に痴漢が出没するとしても、このような旗を立てて何の効果があると思うのか? 「大人が変われば子どもも変わる」(小学校のフェンスにあった)何のこっちゃ。

 

北朝鮮の拉致を知っても、「拉致は人権侵害です。やめましょう」と海岸に幟を立てるのと、現在の政府の拉致問題にたいするアクションはほとんど同じである。つまり、政府の無策も日本の文化(文化と言えないような街づくり文化)と同根なのだ。

 

明治維新といわれるクーデターにおいて、大きな力となったのは、薩長が偽造して掲げた錦の御旗である。田舎の釜戸には、今でも愛宕神社のお札が貼られている可能性が高い。まあ、神や仏相手なら直接話はできないのだから、札や旗しか無いのかもしれない。しかし、人間が相手なら、まともにコミュニケーションを図るのが人類の文化だろう。

 

2)結論:

 

以上、国際的にノーマルなコミュニケーション文化を作り上げてから、国際社会での日本の存在を認めさせ、独自防衛を始めるべきだろう。当然、核武装は必要である。中国と米国の反対には、必要なコミュニケーションで解決を図るべきで、それは戦略的構想の下に運動を継続すれば可能だろう。

(11:45 編集あり;翌朝日本語編集)

 

補足:

 

1)1ヶ月ほど前、スーパーのレジに並ぶ時、少し離れた後方に親子連れの客が居た。列に入ると小学校5年生位の女の子が、鋭い視線で私を睨む。そこで、「列に並んでいたのですか?」というとうなづくので、彼女の背後に廻った。この間、母親らしき人は知らぬ顔をしていた。これって、どこか変だと思いませんか?