昨日、米国の宇宙開発会社スペースXのロケットで打ち上げられた日本の宇宙開発会社ispaceの月着陸船が、残念ながら、月着陸に失敗したようだ。https://www.youtube.com/watch?v=4EureBBc7HE

 

 

ispace社は26日、月着陸を目指した同社の月着陸船について、「通信の回復が見込まれず、月面着陸の完了が困難と判断した」と発表した。着陸作業中、降下速度の増加が確認されたことなどから、月面に衝突した可能性が高いという。

https://www.yomiuri.co.jp/science/20230426-OYT1T50065/

 

月周回軌道から逆噴射で減速すると同時に高度を下げ、最終的に着陸するのだが、周回飛行中は秒速約1.7㎞(時速約6100km)という高速で飛んでいるので、そこから逆噴射(噴射口を進行方向に向けて飛行)で減速すると同時に、高度を下げ、月面の方(下方)に姿勢を変更しながら常に進行方向に燃料を噴射して減速しなければならない。

この姿勢制御と減速を一回限りのトライアルで成功させなければならないので、相当難しいだろう。姿勢を徐々に月面に対して垂直方向に向ける為に、着陸船に回転運動を与えなければならないが、回りすぎないようにまるでレールの上を沿うように行うのは至難の業に思える。(補足1)

 

月面からの高度、現在の進行方向、スピードなどをパラメータに用い、姿勢制御と逆噴射の強度を予めの計算通りに調節しながら着陸を行うだろう。担当者の失敗の理由説明に、月面からの高度を正確に観測できなかったという発言があった。これが原因のようだ。

 

ここで気になるのは、逆噴射のスタイルなので月面に近くなった最後の段階で、着陸船は月面から反射した高温ガスを浴びることになる。それが原因で、高度センサーが誤って月面の位置を認識したのではないだろうか? そうなると、姿勢制御の全てがおかしくなってしまう。

 

2019年にはイスラエル政府の月探査船が月面着陸を目指したが、途中でエンジントラブルで失敗し、月に墜落している。

 

姿勢制御において、噴射したガスとの衝突も考慮する必要があるとすれば、地表では実験が出来ないので、その技術習得は大変である。

 

 

2)アポロ計画の捏造との関連は?

 

ここで気になるのが、アポロ月面着陸の話である。これは捏造(以下の記事を補足まで読んでもらえばわかる筈)なので、50年前には月面軟着陸ができ人まで月に送り込んだという前提で、計画そのものがスタートしていると、失敗を重ねる可能性がある。NASAは、自分たちの存在意義を作り出すために嘘の上塗りをしている可能性が高いのだ。https://ameblo.jp/polymorph86/entry-12466515479.html

アポロ11号は月に行っていない(まとめ) | Social Chemistry (ameblo.jp)

 

ispaceCEOが、計画の目標を語るとき、「今後宇宙が大きな経済圏になり、人類が月に住むことになると思う。そこで安価に月への輸送を提供するサービスを目指している」という趣旨の発言があった。https://www.youtube.com/watch?v=YIpNq7Jw65Y (430以降)私は、そんな時代は人類に訪れないと思っている。

 

夢の無いことを言って申し訳ないが、宇宙開発は地上の政治外交を如何に有利にするかという、国家の防衛戦略上の事業であり、純粋な民間の事業ではありえない。勿論、政府からの受注を受ける民間企業は軍隊にも存在するので、存在意義そのものはあるだろうが、宇宙が新しい経済圏となるまでに人類の絶滅の方が心配されるのが現実である。

 

その宇宙が新たな経済圏となるという発言の出発点に、どうやら月に水があるとのNASAの立てた説があるようだ。NHK水野倫之解説委員の解説を、以下に少しコピペさせてもらう。https://www.nhk.or.jp/kaisetsu-blog/100/371374.html

 

「これまでの探査機による調査で、月の南極や北極に氷が存在する証拠。氷があれば、飲料水になり食料の現地生産も可能に。さらに電気分解すればロケットの燃料になる水素と酸素も現地で得られ地球から運ばなくても済み、コストを大幅に下げられる。

 

将来的には月面に生活圏を築くことも夢ではなくなり、月と地球の間の輸送などビジネスを行うことができるというわけ。ただまだ実際に土の中に氷や水を直接確認した例はないため、水を最初に見つけて主導権を取ろうと官民が競争を繰り広げている。」https://www.nhk.or.jp/kaisetsu-blog/100/371374.html

 

この話の中心にある「月に水或いは氷が存在する」という説は、アポロの月面着陸同様、インチキ説の可能性が高いと私は思う。NASAの発表は信用できない。50年前の月面着陸の嘘に始まり、彼らの発表は専ら彼らの存在意義を作り上げるためのものだと思う。

 

NASAは、宇宙人が居る言い出す機関であることを考え、十分警戒すべきである。昨年8月のニュースによると、軍産共同体とその配下が牛耳る民主党が主力の米国議会は、ナイーブな米国一般大衆を相手に宇宙人とかUFOとかのインチキ情報をバラまいて、NASAに予算を付けようとしている。

 

日刊スポーツ誌によると、「UFO:間違っていると断言もできぬ「宇宙人の乗り物」説;NASAは今秋から本格調査を開始」との表題で、そのような米国の動きを報じている。[202288844] この動きの出発点に、国防総省が発表したUFOを疑わせる動画があるという。NASAの背後に国防総省があることは明白である。

https://www.nikkansports.com/general/nikkan/news/202208080000172.html

 

 

3.月に水が存在するだろうか?

 

真空の月表面に水や氷が存在するとは思えない。月の南極や北極の非常に狭い所を除いて、太陽の光があたる。太陽の熱で、氷でも蒸発してしまうだろう。太陽があたらない場所でも、氷点下150度の極地でも何億年の時間が流れれば、氷は蒸発して宇宙の果てに放出されるだろう。

 

NASAは、探査の結果、水が存在している可能性があると言っている。勿論、それは確認するまでは真実である可能性を持っている。しかし、我々はNASAと言う機関の性格を考えれば、それを鵜呑みにしてはならないと思う。https://www.astroarts.co.jp/article/hl/a/10138_moon

 

月の生成の時に含水鉱物の圧縮により水が発生しただろう。それは地球の水も、そのようなプロセスで生成したという説が有力なので、可能性が大きい。また、実際小惑星のりゅうぐうで、含水鉱物が発見されている。(補足2)

 

その時から有限の時間(月の寿命未満)しか経過していないのだから、絶対に水が無いとは言えない。更に、地中深くに水が貯蔵されている可能性まで、私は否定しない。

 

氷からの水分子の放出(つまり蒸発)は速度論的テーマ(補足3)であり、このような話が出たときには、是非大学の化学熱力学の方はそんなことが考えられるのかどうか発信してほしいものだ。

 

上の図は、水の変化を示した図(相図)である。左下に書き込んだように、零度の氷は0C611パスカル(10万パスカルが約1気圧)の蒸気圧があり、ウィキペディアによれば氷点下50度でも数パスカルの蒸気圧がある。

 

従って、月面では太陽が当たれば、極短い時間に氷は蒸発してなくなるのである。氷は、氷点下150度の極地でも極わずかながら、有限の蒸気圧を持つ。何億年もたてば、流石に蒸発して無くなっているというのが、私の予想である。

 

月面と言えども、この我々が認知し得る世界であり、この地球上で作られた科学の知識が適用できる筈である。現在、科学よりも政治が強い。真実よりも強者のインチキが強い。真実の復権が人類に将来があるかどうかを決めるのである。

 

 

補足:

 

1)宇宙工学の素人故、予備知識なしでいい加減なことを言うのを許してもらうと、姿勢制御は、進行方向とは直角方向に首を振るように着陸船に回転運動を与えることで行うのだろう。ただ、回転を続ければ、とんでもない方向に進んでしまうことと、進行方向を軸にコマのように回転してしまうと姿勢制御できなくなるなどの困難がある。そこで、例えば、前後に4個づつ合計8個の噴射孔からのガス噴射で方向を決めるなど、かなり複雑な制御を行うのではないだろうか。

 

2)小惑星リュウグウに、含水鉱物が存在することが確認されたという。

https://www.townnews.co.jp/0301/2019/03/28/475263.html

地球上の水は、地球が出来るときに含水鉱物の圧縮加熱により出来たという説を聞いたことがある。

http://shochou-kaigi.org/interview/interview_55/

 

3)物質の物理変化を予測するのに大まかに言って二つの論理がある。それは平衡論と速度論である。平衡論は変化の方向を予測し、その成果が二番目の図(相図)である。速度論は、それらの速さ(速度)を予測する。その古典的な式で若干の予測をすると、速度の予測式にExp(-Ea/kT)という因子が含まれる。その因子から、非常に大まかだが、だいたいの温度変化が予測されるだろう。Eaは水分子が残りの氷中の他の水分子と結びついている水素結合のエネルギーであり、 kはボルツマン定数と言われる常数で、Tは絶対温度である。実際の式は、このほかに二つの状態の微視的状態の数の比が存在する。従って、凡そ温度の逆数の指数関数的に、蒸発速度は変化するだろう。平衡論的答えは簡単で、大気のない月面では、氷は平衡論的には(非常に長い時間が経てば)存在し得ない。

 

追補: 以下の文章で用いた総意という単語に誤解がありました。総意は総合的な合意の意味で用いたのですが、全員一致の意思の意味に受け取れるようです。何事においても国民全員一致はあり得ませんから、本筆者の頭の中には、「全員一致」=総意という定義は最初から存在しませんでした。つまり、以下の「総意に基づく決定」とは、「少数意見の切り捨てではなく、議論を尽くし多数決で決定」という意味です。以下の文章中の総意=>合意と解釈してください。この点を指摘いただいた読者の方に感謝します。

 

1)政府の嘘で成り立つ米国型民主主義

 

日本や欧米は主権在民を謳う国であり、民主主義政治を採用している。なお、主権在民とは国家統治の権威が国民に存在することを意味し、民主主義は国家権力の行使が国民の総意に基づいてなされる政治制度を意味する。

 

しかし、この政治制度で国が長期に平和を維持できると考えるのは幻想であることが現在明らかになってきた。これまで一応安定を保ってきたのは、本当の支配者が別に存在することと、その支配者に国を不安定化させる理由がこれまで無かったからである。

 

この民主主義国の現実を明確に示しているのが、現在不安定化しつつあるアメリカと欧州各国の姿である。例えば、アメリカが国内政治とは全く無関係なウクライナの政治に介入し、ロシアを不倶戴天の敵として作り変えたのは直接米国民の為を考えてのことではない。(ウクライナ戦争については:https://ameblo.jp/polymorph86/entry-12726626308.html コメントとhttps://ameblo.jp/polymorph86/entry-12727350115.html を参照)

 

この民主主義の特性に関連して、渡辺惣樹さんが「国民を欺く方法:政府戦時に嘘をつく理由」という表題で語っている。(補足1)https://www.youtube.com/watch?v=5OuDZ3hceds

 

 

これらの国々の政治の特徴は、政府が国民に様々な嘘をつき、マスメディアがその手助けを行うことでその本質をごまかすことである。本当の支配者が別に存在し、国民の意思とは別の目的で国家の運営を行うという真実の姿を国民から隠すためである。

 

フランスもドイツもウクライナも、国家機関のトップを選挙で選ぶ民主主義の体制をとっている。しかし、その国民たちが今のような戦争やその拡大の可能性を受容する筈はない。

 

この戦争は歴史の偶然ではなく、ソ連崩壊の時から明確に計画された方針により引き起こされた戦争である。民主主義のリーダーと目されてきた国の関与が明確になっている。それは2014年の政変に於ける現国務副長官の関与やその音声が明確に示している。(詳しくは上に引用の本ブログサイトの記事と以下の遠藤誉さんの記事参照https://news.yahoo.co.jp/byline/endohomare/20220506-00294750 )

 

この地域での内戦や動乱の全てに責任があるとは言えないだろうが、20世紀の後半から彼ら真の支配者が利益のために、それらに大きく介入したことは事実である。東欧やアラブの諸国に民主主義制度が持ち込まれたが、それらの国家の安定のためではなく混乱のためである。

 

日本の民主主義も、更に民主主義そのものにも、本質的な欠陥があると今では考えられている。この件、5年以上前に本ブログでも一度議論している。久しぶりに以下に再考察する。5年前の文章は最下段に引用する。


 

2)国民の総意で国家が運営できるという妄想:

 

人間の能力の分布は分野においても程度においても非常に大きく、この文明社会建設の要所を担った者は極めて少数の知的或いは感覚的に優れた人たちである。一般大衆は現在の高度文明社会の受益者であってもその構造や統治の技術に於いては低いレベルの理解しかない。

 

この無知なる大衆の一票で国家の運営者を選び、この複雑で高度な文明社会の舵取りが出来ると思うのは幻想にすぎない。また、そのような政治家で構成される国家機関が、高度な諜報を駆使する専制国家との競争と協力の中で、正しい選択をする能力があると考えるのは間違いである。

 

上に引用した渡辺惣樹さんの動画によれば、民主主義国家を標榜する欧米や日本では、見えない所で知的で組織された支配者が、彼らの利益の為にそれらの国々の政府を動かしている。そして、夫々の政府は国民を嘘でだまし、その事実を胡麻化しているのである。

 

その支配者の本拠地となった国は、外国の脅威を事件の捏造とプロパガンダで誇張して国民に伝え、国民の税金と国の若者の命を消費することで利益を得てきた。日本のような衛星国も、益々不安定化する今後の世界にあって、国民の命が危険に晒される危険性が高い。

 

中国や全世界の経済危機も作られたもの、或いは未必の故意によるものである可能性が大きく、その結果として台湾危機の可能性が高くなっている。(補足2)真の支配者の意向のままに動く現日本政府は、愚かにも、積極的にそれに参加する様に見える。その構図では、ウクライナ戦争でのゼレンスキー氏と台湾危機の岸田氏が相似形となる。

 

しかも、それが国家の防衛の名で進められようとしていることを、国民は自分たちの命がかかっているのだから、知的にある程度優れた者は義務として、真剣に知恵を絞って考えるべきである。そしてその結果を、周知する努力をすべきである。

 

そこから逃れる方法は、現段階では理想論かもしれないが、その真の支配者から政治権力を取り戻すことである。そのうえで、世界の現状を正しく認識して、我々国民の利益のために国政及び外交を再考する。そして、他国の利益のために命を差し出すようなことは避けるべきである。

 

勿論、真の支配者は、隷属者を手放そうとはしない。しかし、遷移状態の今、真の支配者も弱点を晒すようになっている。何よりも必要な条件は、目覚めた人たちが多数になることである。

 

民主主義国家で非核三原則という檻の中で、捕らわれの猫のような状況にある限り、先の展望はない。先ずは、吉田茂から佐藤栄作までの卑怯な連中を歴史のなかで否定することが急務だろう。伊藤貫氏は、その枠から出るように日本在住日本人を嗾けている。


3)新民本主義の提案:

 

国は、国民の福祉向上のために諸問題を解決する機能体であると同時に、国民すべてが独自の私空間を持ちながら協力して生きる共同体でもある。共同体の原則は、構成員全ての権利と意思の尊重である。しかし、国民の協力なくしては国が崩壊するし、国が崩壊しては国民の生活も不可能となるので、国民には公共の福祉を優先するという義務が課される。


多くの国がこの地球上で、争いと協力の渦巻く中で、“生きている”。知的に優れた極一部の人達が、この文明社会の各種機関の運営を善意に基づいて行わなければ、その国は停滞し独裁国家などとの競争に負けて滅亡する危険性が高い。

 

つまり、国を平和裏に安定に運営する必須条件は、上記知的に非常に優れた人たちが、高貴なる責任(noblesse oblige)を心得てこの社会を統治することである。

 

これらの条件を満たす国(社会)の在り方を以下少し考える。以前、「人間社会の動物モデル」(補足3)と題したブログ記事にも書いたが、国家機関は全ての細胞を統制する権力を持つ脳に相当する。政府官僚(脳細胞)は手足や内臓(会社や各種団体等)の働き無くしては生きていけないということを自覚している。つまり、頭脳が指令を出す権威は、動物全体の細胞全てが持つ。

 

この統治の権威と権力の(正しい)分離が、全ての国民のための国の生き残りの必須条件である。国家運営の権威は国民すべてに存在するが、権力行使はそのうちの一部委員に譲り渡し、その委員が受け持ち部分の意見を吸い上げて政府機関を作り上げるのである。この形を民本主義というのなら、民本主義には将来性がある。それは吉野作造が作った言葉(補足4)だが、これはその現代版である。

 

具体例を言えば、日本国籍を取得後日本在住三世代目以降の人で、一定の資格試験を経て人口の0.1%程度を政治委員として選定する。それらの人々に政治の全てを委任するのである。国会議員への立候補者も、彼らの中から選ぶ。その政治委員に一般市民から意見を吸い上げる義務を与え、一般市民のリコールが成立すれば解任されることとする。

 

中国の政治制度(補足5)との違いは、政治委員が国民から一代限りの代表として選ばれる点、そして国民のリコールで解任される点であるが、最も大きな違いはこれまでの文化の違いだろう。つまり、「公」という価値観を持つ日本なら、仮にリコールがなくても、中国のようには腐敗はすすまないだろう。

 

全国を1万区程度に分割し、一つの区を10人程度の政治委員で担当する。彼らの中から出た立候補者から、選挙で下院議員を100名程度選ぶが、誰に投票するかは区の政治委員の投票で決める。上院議員は別途、会社の創業者や学術の分野で顕著な実績を挙げた人物を、例えば下院の選挙で選ぶ。

 

これに対して、別の方法を元ウクライナ大使の馬渕睦夫氏が提唱している。それは、古来からの天皇制を君民共治の政治と解釈して、江戸以前の天皇制へ戻ることである。しかし、それは時代錯誤というものだろう。https://www.youtube.com/watch?v=y3R5z6yk7c8 

 

 

補足:

 

1)渡辺惣樹さんは、主権者の国民をごまかさなければ、統治者が好きなように政治、特に戦争できないと言っている。

 

2)多くの戦争の背後に不況がある。第二次大戦もその背後に世界大不況(1929年から)があった。今後、世界はこれまでの大規模な金融緩和の結果、山のような大量の不良債権を発生し、信用収縮とインフレの苦を味わうことになると考えられている。

 

3)国には、様々な分野で半ば独立した機能体が存在する。会社や教育機関、その他の団体である。国はそれらを束ねて、その上に政府組織を持つ。政府組織が脳なら、各分野は動物の器官に譬えられる。そのように考えて作ったのが、国家の動物モデルである。https://ameblo.jp/polymorph86/entry-12588475327.htmlhttps://ameblo.jp/polymorph86/entry-12588961158.html

 

4)吉野作造は、本当は民主主義を推奨したかったのだと思う。しかし、天皇を君主として国家が出来上がっている以上、民本主義としか言えなかったのだろう。ここでは、その揚げ足をとって、天皇を君主に戻さずに、民主主義を大きく変更する際の看板に使っただけである。素人の議論なので、批判をいただきたい。

 

5)中国のような専制国家では、知的に優秀な人材が支配層をなし、その中で競争と選択により最も優秀な統治能力を示したものが執行部を形成する。これが中世的独裁にならなければ、国際競争においては民主主義国よりも有利である。中国では国家の幹部が世襲制で維持されておらず、支配層(共産党と呼ぶが共産主義組織とは必ずしも言えない)は一般からも選ばれる。現在の中国は、中世的独裁国に変貌する可能性があり、それは中国共産党政権の崩壊の始まりとなるだろう。

 

以下に、20179月に書いた記事を再録する。政治を大衆に任せて良いのか? | Social Chemistry (ameblo.jp)

 

(15:45、補足4を追加;翌朝、語句修正;4/26/7:00 冒頭に追補)

4月15日、和歌山市の雑賀崎漁港に設営された応援演説会場に岸田文雄首相が入った直後、首相の近くに爆発物が投げ込まれた。この事件で、木村隆二容疑者(24)が威力業務妨害容疑で現行犯逮捕された。警察による聴取が進んでいるが、黙秘を続けており動機は明らかではない。

 

そんななか、木村容疑者に関する様々な情報が報道されている。彼は現在の国政に関していろいろ不満をもっていたようだ。一つは選挙の立候補資格と供託金制度についてで、もう一つは暗殺された安倍元総理の国葬についてである。

 

後者に関しては私も意見がある。それは事実の解明が第一であるにもかかわらず、議論を封じるかのように、事件直後に国葬を決定したのは大きな疑問点である。以下の記事にそのあたりの議論を記しているので、ご覧いただきたい。

安倍氏暗殺容疑者になった山上氏の拘束は一生涯続くだろう | Social Chemistry (ameblo.jp)

 

前者の問題も非常に重要である。昨年6月、現行選挙制度の下、木村容疑者が参院選に立候補できなかったのは憲法違反にあたるなどとして、神戸地裁に国家賠償請求訴訟を起こしている。第一審で訴えが退けられると控訴し、今年5月に判決が言い渡される予定になっている。

 

木村容疑者によって指摘されたこの民主主義の根幹に位置する重要な問題点については、国民や国会議員はもっと真面目に考えるべきである。そして報道機関も、事件を深刻な顔をして(面白可笑しく)報じるだけでなく、もっと真面目に議論の対象とすべきである。

 

私は、この裁判に注目を集めるのが今回の襲撃事件の動機の一つだと思っている。

 

2)公職選挙法の問題点:

 

訴えの詳細が、AERA.dotにより報道されている。訴えた理由は、以下の二点に集約されると思う。

 

1)30歳未満の成年が、30歳以上の成年と同じ『大人』であるにもかかわらず、参院選の被選挙権がないのは、社会経験に基づく思慮が十分ではないことなどを理由とした差別である。

 

2)供託金の制度は、立候補の自由を保障し、候補者資格の『財産又は収入』による差別を禁じる憲法に違反する。

 

これらの理由で選挙に立候補できなかったことによって受けた精神的損害への慰謝料として10万円を求めたのが、本訴えの趣旨である。

政治家を目指していた?襲撃事件の木村隆二容疑者24歳 「岸田首相批判」と慰謝料10万円国賠訴訟 (msn.com)

 

私は、1)と2)の論点は、本来とっくに国会で議論され、現行制度の一部は改正されているべきだったと思う。現行制度が正しいとするのなら、国は詳細にその理由を説明すべきである。特に高額の供託金で立候補者を社会の片隅(補足1)からだけに限る現行制度は、改めるべきだと思う。

 

勿論、訴状及び判決文の詳細を見なければ十分にはわからないが、一審で門前払いされたのは不思議である。この問題は過去議論の対象になっているだろうが、納得のいく答えが広報等に用意されていなかったのは、国政の怠慢(或いは犯罪)だと私は思う。(補足2)

 

現在、首相をはじめ国会議員の多くが二世三世で占められ、国会議員の職がまるで家業のようになっている。国会では、官僚たちが作った作文を読み上げられるのみであり、議論らしい場面など全くない。総理記者会見も数人だけの質問者に時間を限り、無知がバレないように済ましている。兎に角、日本の政治と政治家は非常にレベルが低い。

 

我々国民が、すくなくとも自分の担当については何時間でも議論できるという能力の政治家を選出するには、この選挙制度の改革が必須である。(補足3)勿論、一選挙区で数百人が立候補するようなことになれば大変だが、現行制度の強い制限は異常である。

 

公職選挙法の目的は、政治屋の権益を守ることではない。従って、男女差や年齢で立候補枠を狭めるのは愚かであり、成人に広く立候補のチャンスを広げる様、制度を改めるべきである。経験や知識の有無は、有権者が判断することであり、選挙制度で予め決定できることではない。

 

具体例:

 

参議院選での立候補には、選挙区は300万円(比例代表は600万円)を供託金として差し出す必要がある。その全額が、有効投票総数を議員定数で割った数の8分の1以上を獲得しなければ没収される。まるで立候補は犯罪で、300万あるいは600万円は罰金のようである。

 

2019年の前回選挙で、東京選挙区に立候補した20人のうち、10人が没収されたという。売名目的の候補者乱立を防ぐのが狙いだというが、この制度では知名度はないが優れた知識と判断力のある政治家候補は完全に除外される。繰り返しになるが、これは民主国家の選挙規定ではない。

 

現行選挙制度は国会議員という家業を持つ既得権益者のためにあると思わざるを得ない。そのグループ以外では、300万円をゴミ箱にてられる人のみが立候補資格があるということになる。

 

もちろん、平和時であれば、テロ行為が罰せられるべきなのは言うまでもない。そして木村容疑者が、人生を賭して我々に選挙制度の不備を訴えたと受け取るのは、或いは極端な事件の解釈かもしれない。しかし、日本の政治の現状を考えると、貧困なる国会に対する警鐘と受け取る視野の広さを国民は持つべきだろう。

 

マスコミはこの選挙制度の不平等をもっと報道すべきである。裁判所は、行政におもねることなく、まじめに議論し判決を出すべきである。統治行為論(補足4)などという学説で身を護るのなら、裁判官などになるなと言いたい。

 

 

補足:

 

1)社会の片隅とは政治家の家族やスポーツ及び芸能界の意味。著名な芸能人やスポーツ競技者が夫々の分野で得た知名度を頼りにして立候補するか、政治家等の子供で親の七光りで立候補するのでなければ、立候補は供託金をゴミ箱にすてるようなものである。

 

2)ネット検索をすると、公明党立川市議会議員の大沢純一という方の議論が出てくる。ただ、様々なところで細々と議論されているのみであり、国政の場でまじめに議論されてこなかったと思う。

供託金制度は廃止すべき | 公明党立川市議会議員 大沢純一 公式サイト (j-osawa.com)

 

3)米国のトランプ大統領の記者会見は数時間に及ぶことが多かった。もちろん、すべての疑問が解消するわけではないが、記者が抱く疑問点にはすべて答えるという姿勢だった。そのような姿勢で記者会見の望むことのできる大臣は、日本には一人もいないだろう。

 

4)統治行為論とは、“国家統治の基本に関する高度な政治性”を有する国家の行為については、法律上の争訟として裁判所による法律判断が可能であっても、司法審査の対象から除外すべきとする理論