安倍元首相の暗殺が山上容疑者による単独犯行ではなかったのではないかという議論がネットでなされている。その幾つかを取り上げて、一方的に評価してみる。更に、単独犯でなく政治的暗殺とした場合、その目的は何かについて推察してみる。
1)初めに
実行犯である山上は、安倍氏銃撃の動機を以下のように語った。(話の内容を繋いで、適当に文章にした。この通り語ったわけではありません。)
「母親の統一協会入信と多額の寄進により、家庭が崩壊し、自分の人生も破壊された。そのようなことになったのは、統一協会(以下旧は省略)の所為であり、その怨みを統一教会首脳を銃撃することで晴らそうと考えた。しかし、その機会に恵まれず、時間もないので、統一教会と非常に親密な関係にある安倍元首相を殺害した。」
この話に納得する人も居るが、納得しない人も多い。何故なら、怨みを晴らす目的で人を殺すなら、その怨む人物を狙う筈であり、その人物(の創設した宗教法人)と深い関係にある政治家を狙うのはおかしいからである。
絶妙のタイミングで発生した日本史における重大事件が、私怨によるランダムな犯行の一つであったとする主要メディアの報道に大きな戸惑いを感じた人は多い。国際政治評論家として有名な田中宇氏は、その大勢の戸惑いを一手に引き受けて、犯人の証言を一部認めつつ、米国ネオコンによるテロリズムであると結論した。https://tanakanews.com/220710abe.htm
田中宇氏の文章から、二つ引用させてもらう。
全体的な印象:「犯行の供述により、安倍殺害は統一教会への怒りによって引き起こされたという頓珍漢な話が喧伝されている。統一教会の話は、実行犯の気持ちとして本当なのかもしれないが、事件の全体像としての本質から逸脱している。」
山上容疑者の無抵抗について:「背後にいる米諜報界は実行犯に対し、犯行後に現場に残って逮捕されるよう誘導したのだろう。」(補足1)
田中氏のように結論するには、やはり証拠が必要だろう。それらについての報道は一切なく、日本の主要マスコミは、統一教会と自民党など政界との関係を毎日“根掘り葉掘り”報道している。その報道に、私などはやはり背景に何か大きな存在が隠されていると感じてしまう。
更に、右翼系の月刊WILLの岩田温氏などは主要マスコミと同じ土俵の上で、マスコミ批判と「人生にはいろいろな困難がある。それを乗り越えていくのがまともな人間だ」とトンチンカンな山上批判をする始末。日本の言論は本当に貧弱である。
https://www.youtube.com/watch?v=QPOWGSM_Xzw
https://www.youtube.com/watch?v=XLJ13S_UNq8
この事件に関して日本政府は、もしある大国から隠ぺいを要求されているのでなければ、傘下の警察及び検察機関等に対して、上記銃撃事件の詳細な調査を命令すべきである。更に、専門家集団に対して、検死を詳細に実施してもらうべきである。その上で、この事件の流れが全て分るように、国民に情報提供すべきである。
最初に「安倍氏殺害の政治的意味」について少し書き、事件の疑問点及び検証に関して期待すべきことを書く。(順序が変だが、ご容赦ください。)
2)安倍氏殺害の政治的意味
安倍元首相殺害の政治的意味の概略は、事件の翌日のブログ記事に書いた。現時点での国際社会の動向に焦点を置いて以下少し詳細に考えてみる。
現在、米国のバイデン政権は、ウクライナを傭兵的に用いたロシア潰しを行っている。それに西欧各国は嫌々ながら付き合っている。その一方、日本の岸田政権は愚かにも、西欧より前に出てロシア制裁を行っている。それは日本にとってやがて致命的であることが判明するだろう。
米国が今後とも強力な覇権国家として存在し続け、日本を対等な主権国家と認めて同盟関係を維持する予定なら兎も角、米国民主党政権は、自分から国家を分裂させるような政策を採っているのが現状である。そんな米国にべったりの政策をとるのは日本にとって自殺行為のように思う。
私は最近、近未来の世界の政治に関して以下の様に考えて居る。米国ネオコン政権は、先ずロシアを完全に潰し、中国共産党政権を崩壊させ、更に世界の覇権国としての米国をも崩壊させるのである。この米国を崩壊させる戦いとは、米国の再興を考えるトランプらの勢力を潰すことである。
これらの民主党ネオコンの政策は、ネオコンの前身であったトロツキー的共産主義革命の現代版である。その結果、世界は大混乱となるだろう。多分、世界の人口が激減した後、連邦政府が残した強力な軍事力を拾い上げて、焼け跡の世界に金融を支配してきた連中(ネオコンの雇い主)が君臨するのである。スイスに拠点を持つ世界経済フォーラム(WEF)も、同じ目標に向かって動くのだろう。
(ネオコンとはどのような人たちなのか:世界の複雑化との関連)
このような悲惨な世界の近未来史が、WEFが目指すグレートリセットの本当の意味だと想像する。そう考えないと、今のウクライナ戦争や台湾危機、更に、世界各国で画策する食料減産の企みなどが理解できない。(補足2)
現在、彼らグローバリストらは、東欧を舞台にして、ロシアとウクライナを徹底的に破壊しているが、それはヨーロッパ全域の経済を破壊する企みも兼ねているかもしれない。そして次のターゲットが、東アジアだろう。中国共産党政権と台湾、日本、韓国を衝突させるシナリオである。(補足3)
この台湾などにウクライナの役割を果たさせるために、米国は台湾へ軍事協力し、台湾との関係を深めた。ただ、台湾の国民党は米国をそんなに信用していないだろう。民意の揺らぎで国民党に政権が移動すれば、中国による台湾併合で習近平政権は安定化する。そこで、日本或いは日本と韓国を台湾と一蓮托生の関係にする戦略を考えたように思う。
そこで安倍元首相が障害になる可能性が高い。安倍氏は、トランプ元大統領との関係が緊密であり、本質的にナショナリスト、反グローバリストである。安倍氏は、自民党主流派でありながら、日本の安全保障のために日露平和条約を締結し、千島と択捉などでの経済協力を画策した。(補足4)
ロシアと中国は、世界一長い国境線をもち、常に国境紛争が再発する可能性を孕んだ潜在的敵国同士である。日露の協力関係樹立は、ロシアにとっても、極東の開発を中国を抜きにして進められる極めて有利な選択となる。しかし、この動きは、米国にとって受け入れられない。
その理由は、ロシアは(ユダヤ金融資本を中心とする)米国支配層グローバリストの不倶戴天の敵であり、その国に近づく資格は未だに家畜状態である日本には無い筈と米国は考えている。それ故オバマ政権は、日露平和条約を妨害したと思う。このことについては、7月14日の記事に書いた。https://ameblo.jp/polymorph86/entry-12753438412.html
米国は日本の嘗ての敵国だが現在では友好国だと思う国民が多い。しかし、本当は冷酷な宗主国だろう。
私は、安倍氏が特別に優れた政治家だとは思わないのは、(この米国の対日姿勢の本質を知らないで)二つの相矛盾する政策を実行しようとしたことである。それらは、日露平和条約の締結とQUAD構想である。ただ、安倍氏はイザというとき日本全体を纏めることのできる自民党では唯一の政治家だっただろう。その政治家を失ったことに加えて、今回の暗殺事件で、ロシアが完全な敵国となってしまった。日本には厳しい冬が待っているような気がする。
現在、米国下院議長のナンシー・ペロシ氏が、中国対台湾(+日本)の“ウクライナ戦争”型の消耗戦の火つけ役として東アジアに向かっている。米国でその動きに明確に反対しているのが、トランプ前大統領である。 日本の将来が非常に心配である。 https://www.youtube.com/watch?v=tAoelB-V5TM
3)警察と検察は、日本国家のために、事件の真相を徹底解明すべき
①警備体制はどのように組織され、どのように機能したか?
今回の事件で不思議な点が幾つか存在する。その一つは、警備の在り方が非常に粗雑だったことである。それは7月9日の記事にも書いた通りである。
警察が先ず明らかにすべきは、当日の警備についてどのような準備をしたかである。人員の選択はどう行ったのか? 要人警護の訓練を受けた人物を選んだのか? 現場での指揮系統はどのようになっていたのか?(補足5)
東京から来たSPはどのように選任されたのか?そのSPと県警の間で安倍氏警護のためにどのような打合せがあったのか?
また、安倍氏の日程などの情報を犯人の山上は知っていた。その情報はどのように彼に流れたのか? 安倍氏の日程調整担当者と奈良県警への連絡はどのように行われたのか?など、
日本政府は、もしどこかから脅されていないのなら、全ての情報の流れを洗い直してもらいたい。不思議なのは、奈良県警のトップが最初警備上の責任をテレビで明言していたが、その後この警察の責任についての情報が流れていないことである。
②安倍氏を射貫いた弾丸はどのような角度から飛び、致命傷を安倍氏に与えたか?
二つの動画を紹介する。
https://www.youtube.com/watch?v=VKdoaSMmQlg
もう一つの動画として、林千勝氏の解説がある。https://www.nicovideo.jp/watch/sm40833306
これらの動画では、銃弾の体内への出入りや致命傷との関係について語っている。
林千勝氏の動画では、右鎖骨上から入射した弾丸が致命傷になったと主張している。後方から放たれた弾丸が、この前方から入射することはあり得ないので、その通りなら山上の単独犯は嘘ということになる。
不思議なのは、坂東氏が弾丸は考えられないような複雑な動きをするとして、その弾丸が右鎖骨上から入射したのではなくそこから出て行ったのだと話していることである。私にはごまかしとしか聞こえない。
このあたりの話は、林千勝氏のような知識人、司法解剖を行った人、更に数人の専門家との議論がなされなければ、真相には到達し得ないだろう。
➂ 安倍さんを射抜いたと言われる拳銃の性能について:
私は、山上容疑者の単独犯説の可否を決めることが、手作りした銃とそれを用いた実験などで得られると思う。ネットでの情報によれば、鉄パイプで銃身をつくり、自ら調製した火薬と弾丸としてのボールベアリングの玉6個を充填して、何等かの方法で着火し発砲したと供述しているようだ。
上の動画での坂東氏の話では、山上は薬莢はどこかで買ってきたと証言しているそうだ。(上記動画の5分から)このあたりで、坂東さんは、事情をかなり知っており、警察をかばうためにごまかしておられるような印象をもった。
どのような構造で、玉が前に飛ぶように機密性を確保していたのだろうか?非常に不思議である。 以下の記事によると、カプセルに6個の玉をつめてパイプの内側との気密性を確保したようだ。本当だろうか? そのカプセルはどこから入手し、どのようにして玉をつめたのだろうか?(追補1)
一般の鉄パイプを銃身にし、どこかで入手したカプセルに鉄球6発を最密充填しても、パイプとの間に気密が保てる筈がない。もしこの証言通りなら、爆発音と同期させて、別人が銃を発射したことになる。その場合、発射音は三発以上だろう。(上の坂東さんの話では、三発銃声が聞こえたという現場の声があったようだ。)(補足6)
山上容疑者の10年間ほどの足跡を追跡し、それぞれの場所で不審な行動を見聞きした人を探し、彼がどのようにして今回の銃の作成に至ったかを検証すべきである。彼の足取り、商品の購入履歴などの情報取得し、銃の開発のプロセスを検証すべきである。そして、近隣のものに不審に思った人が居たかどうかなども調べるべきである。
更に、証拠品として押収されている銃と火薬等を用いて、実射実験を行うべきである。本当に一人の人間を殺傷するに十分な能力を有しているのか確かめるべきである。
山上の手作り銃が上記のような証言のとおりなら、弾は前に飛ばないだろう。警察と政府は嘘をついている様に思えて仕方がない。
最後に:
私はこの文章を書いて、初めてこの事件の背後に何者かが居る筈だと思うようになった。youtube
でも多くの動画が単独犯行説を否定しているが、今となっては非常に分かりにくい。唯一、山上手作りの銃と火薬と弾丸で、殺傷能力のあるような弾丸が発射できるかの検証を正しくやれば、単独犯行を否定できる可能性があると思う。
既に日本政府は事態の深刻さを知り、隠ぺいに動いている可能性が高いと思う。それをごまかすための国葬だろう。マスコミが日本のために働く気があるのなら、山上銃の件を徹底的に調べて放送すべきである。
追補1)このあたりの議論は非常に不完全でした。山上容疑者は、散弾銃用の薬莢を手に入れて、それを再利用したようです。その構造は下のサイトにあります。この場合は、薬莢の外径と鉄パイプの内径に差があると、精度は非常に悪くなります。https://www.fareast-gun.co.jp/column/2013/05/post-68.html
(何度も編集しました。最終版は、8月3日午前5:30です。申し訳ありませんでした。追補は3日午後5時45分追加)
補足:
1)恐らく田中氏は、山上容疑者に「逮捕のあとはこちらに任せろ」と犯行に誘導した人物が言ったと考えて居るのだろう。そして、実行犯は本当に山上一人なのかなどの疑問を持ち出して日本国民が騒ぎ出したら、オズワルドのようにする予定だと言うのだろう。あまり過酷な逃避行では、その間にいろんな情報に触れて、真相を話してしまう可能性が高いというのだろう。
2)現在、オランダやカナダなど世界各地で食料減産の策略が進行している。自然環境の窒素汚染を防止するという訳の分からない理由で、化学肥料の廃止などの運動を彼らは実行しているのである。https://www.youtube.com/watch?v=N0wgi0Ths1g
3)他のアジアアフリカ南米などの諸国は、放っておいても食料品の値上がりなどで餓死者続出そして政治も大混乱となるが、東アジアは積極的に混乱を引き起こさないと、安定化に向かう能力がある。
4)この方向で以前から動いていたのが、元中川一郎氏の秘書で参議院議員の 鈴木宗男氏である。彼は元自民党の議員だった。
5)安倍氏の演説を近くのビル上層階から眺めていた人は、当時SPは20名ほどいたが、皆安倍氏の方を向いて演説を聞いている風だったと証言していた。もしその通りなら、本格的な要人警護の訓練など受けて居なかった人が殆どなのだろう。第三者が、彼らが悪意ある傍観に徹した可能性を考えたとしても、当然ではないのか。この点は以下の記事で多少議論した。https://ameblo.jp/polymorph86/entry-12752683393.html
6)ネットで検索していると、銃に詳しい米国人が、山上容疑者のような銃の自作実験をしたという記事を見つけた。その結果は、見事に失敗だったという。そして、動画でそのプロセスを公開したが、削除されたそうである。これもいい加減な再現実験だったのだろう。
https://news.yahoo.co.jp/articles/eef3a9ce5ea0a62817dfc0d3868ebe7ff26917b6