追補: 以下の文章で用いた総意という単語に誤解がありました。総意は総合的な合意の意味で用いたのですが、全員一致の意思の意味に受け取れるようです。何事においても国民全員一致はあり得ませんから、本筆者の頭の中には、「全員一致」=総意という定義は最初から存在しませんでした。つまり、以下の「総意に基づく決定」とは、「少数意見の切り捨てではなく、議論を尽くし多数決で決定」という意味です。以下の文章中の総意=>合意と解釈してください。この点を指摘いただいた読者の方に感謝します。

 

1)政府の嘘で成り立つ米国型民主主義

 

日本や欧米は主権在民を謳う国であり、民主主義政治を採用している。なお、主権在民とは国家統治の権威が国民に存在することを意味し、民主主義は国家権力の行使が国民の総意に基づいてなされる政治制度を意味する。

 

しかし、この政治制度で国が長期に平和を維持できると考えるのは幻想であることが現在明らかになってきた。これまで一応安定を保ってきたのは、本当の支配者が別に存在することと、その支配者に国を不安定化させる理由がこれまで無かったからである。

 

この民主主義国の現実を明確に示しているのが、現在不安定化しつつあるアメリカと欧州各国の姿である。例えば、アメリカが国内政治とは全く無関係なウクライナの政治に介入し、ロシアを不倶戴天の敵として作り変えたのは直接米国民の為を考えてのことではない。(ウクライナ戦争については:https://ameblo.jp/polymorph86/entry-12726626308.html コメントとhttps://ameblo.jp/polymorph86/entry-12727350115.html を参照)

 

この民主主義の特性に関連して、渡辺惣樹さんが「国民を欺く方法:政府戦時に嘘をつく理由」という表題で語っている。(補足1)https://www.youtube.com/watch?v=5OuDZ3hceds

 

 

これらの国々の政治の特徴は、政府が国民に様々な嘘をつき、マスメディアがその手助けを行うことでその本質をごまかすことである。本当の支配者が別に存在し、国民の意思とは別の目的で国家の運営を行うという真実の姿を国民から隠すためである。

 

フランスもドイツもウクライナも、国家機関のトップを選挙で選ぶ民主主義の体制をとっている。しかし、その国民たちが今のような戦争やその拡大の可能性を受容する筈はない。

 

この戦争は歴史の偶然ではなく、ソ連崩壊の時から明確に計画された方針により引き起こされた戦争である。民主主義のリーダーと目されてきた国の関与が明確になっている。それは2014年の政変に於ける現国務副長官の関与やその音声が明確に示している。(詳しくは上に引用の本ブログサイトの記事と以下の遠藤誉さんの記事参照https://news.yahoo.co.jp/byline/endohomare/20220506-00294750 )

 

この地域での内戦や動乱の全てに責任があるとは言えないだろうが、20世紀の後半から彼ら真の支配者が利益のために、それらに大きく介入したことは事実である。東欧やアラブの諸国に民主主義制度が持ち込まれたが、それらの国家の安定のためではなく混乱のためである。

 

日本の民主主義も、更に民主主義そのものにも、本質的な欠陥があると今では考えられている。この件、5年以上前に本ブログでも一度議論している。久しぶりに以下に再考察する。5年前の文章は最下段に引用する。


 

2)国民の総意で国家が運営できるという妄想:

 

人間の能力の分布は分野においても程度においても非常に大きく、この文明社会建設の要所を担った者は極めて少数の知的或いは感覚的に優れた人たちである。一般大衆は現在の高度文明社会の受益者であってもその構造や統治の技術に於いては低いレベルの理解しかない。

 

この無知なる大衆の一票で国家の運営者を選び、この複雑で高度な文明社会の舵取りが出来ると思うのは幻想にすぎない。また、そのような政治家で構成される国家機関が、高度な諜報を駆使する専制国家との競争と協力の中で、正しい選択をする能力があると考えるのは間違いである。

 

上に引用した渡辺惣樹さんの動画によれば、民主主義国家を標榜する欧米や日本では、見えない所で知的で組織された支配者が、彼らの利益の為にそれらの国々の政府を動かしている。そして、夫々の政府は国民を嘘でだまし、その事実を胡麻化しているのである。

 

その支配者の本拠地となった国は、外国の脅威を事件の捏造とプロパガンダで誇張して国民に伝え、国民の税金と国の若者の命を消費することで利益を得てきた。日本のような衛星国も、益々不安定化する今後の世界にあって、国民の命が危険に晒される危険性が高い。

 

中国や全世界の経済危機も作られたもの、或いは未必の故意によるものである可能性が大きく、その結果として台湾危機の可能性が高くなっている。(補足2)真の支配者の意向のままに動く現日本政府は、愚かにも、積極的にそれに参加する様に見える。その構図では、ウクライナ戦争でのゼレンスキー氏と台湾危機の岸田氏が相似形となる。

 

しかも、それが国家の防衛の名で進められようとしていることを、国民は自分たちの命がかかっているのだから、知的にある程度優れた者は義務として、真剣に知恵を絞って考えるべきである。そしてその結果を、周知する努力をすべきである。

 

そこから逃れる方法は、現段階では理想論かもしれないが、その真の支配者から政治権力を取り戻すことである。そのうえで、世界の現状を正しく認識して、我々国民の利益のために国政及び外交を再考する。そして、他国の利益のために命を差し出すようなことは避けるべきである。

 

勿論、真の支配者は、隷属者を手放そうとはしない。しかし、遷移状態の今、真の支配者も弱点を晒すようになっている。何よりも必要な条件は、目覚めた人たちが多数になることである。

 

民主主義国家で非核三原則という檻の中で、捕らわれの猫のような状況にある限り、先の展望はない。先ずは、吉田茂から佐藤栄作までの卑怯な連中を歴史のなかで否定することが急務だろう。伊藤貫氏は、その枠から出るように日本在住日本人を嗾けている。


3)新民本主義の提案:

 

国は、国民の福祉向上のために諸問題を解決する機能体であると同時に、国民すべてが独自の私空間を持ちながら協力して生きる共同体でもある。共同体の原則は、構成員全ての権利と意思の尊重である。しかし、国民の協力なくしては国が崩壊するし、国が崩壊しては国民の生活も不可能となるので、国民には公共の福祉を優先するという義務が課される。


多くの国がこの地球上で、争いと協力の渦巻く中で、“生きている”。知的に優れた極一部の人達が、この文明社会の各種機関の運営を善意に基づいて行わなければ、その国は停滞し独裁国家などとの競争に負けて滅亡する危険性が高い。

 

つまり、国を平和裏に安定に運営する必須条件は、上記知的に非常に優れた人たちが、高貴なる責任(noblesse oblige)を心得てこの社会を統治することである。

 

これらの条件を満たす国(社会)の在り方を以下少し考える。以前、「人間社会の動物モデル」(補足3)と題したブログ記事にも書いたが、国家機関は全ての細胞を統制する権力を持つ脳に相当する。政府官僚(脳細胞)は手足や内臓(会社や各種団体等)の働き無くしては生きていけないということを自覚している。つまり、頭脳が指令を出す権威は、動物全体の細胞全てが持つ。

 

この統治の権威と権力の(正しい)分離が、全ての国民のための国の生き残りの必須条件である。国家運営の権威は国民すべてに存在するが、権力行使はそのうちの一部委員に譲り渡し、その委員が受け持ち部分の意見を吸い上げて政府機関を作り上げるのである。この形を民本主義というのなら、民本主義には将来性がある。それは吉野作造が作った言葉(補足4)だが、これはその現代版である。

 

具体例を言えば、日本国籍を取得後日本在住三世代目以降の人で、一定の資格試験を経て人口の0.1%程度を政治委員として選定する。それらの人々に政治の全てを委任するのである。国会議員への立候補者も、彼らの中から選ぶ。その政治委員に一般市民から意見を吸い上げる義務を与え、一般市民のリコールが成立すれば解任されることとする。

 

中国の政治制度(補足5)との違いは、政治委員が国民から一代限りの代表として選ばれる点、そして国民のリコールで解任される点であるが、最も大きな違いはこれまでの文化の違いだろう。つまり、「公」という価値観を持つ日本なら、仮にリコールがなくても、中国のようには腐敗はすすまないだろう。

 

全国を1万区程度に分割し、一つの区を10人程度の政治委員で担当する。彼らの中から出た立候補者から、選挙で下院議員を100名程度選ぶが、誰に投票するかは区の政治委員の投票で決める。上院議員は別途、会社の創業者や学術の分野で顕著な実績を挙げた人物を、例えば下院の選挙で選ぶ。

 

これに対して、別の方法を元ウクライナ大使の馬渕睦夫氏が提唱している。それは、古来からの天皇制を君民共治の政治と解釈して、江戸以前の天皇制へ戻ることである。しかし、それは時代錯誤というものだろう。https://www.youtube.com/watch?v=y3R5z6yk7c8 

 

 

補足:

 

1)渡辺惣樹さんは、主権者の国民をごまかさなければ、統治者が好きなように政治、特に戦争できないと言っている。

 

2)多くの戦争の背後に不況がある。第二次大戦もその背後に世界大不況(1929年から)があった。今後、世界はこれまでの大規模な金融緩和の結果、山のような大量の不良債権を発生し、信用収縮とインフレの苦を味わうことになると考えられている。

 

3)国には、様々な分野で半ば独立した機能体が存在する。会社や教育機関、その他の団体である。国はそれらを束ねて、その上に政府組織を持つ。政府組織が脳なら、各分野は動物の器官に譬えられる。そのように考えて作ったのが、国家の動物モデルである。https://ameblo.jp/polymorph86/entry-12588475327.htmlhttps://ameblo.jp/polymorph86/entry-12588961158.html

 

4)吉野作造は、本当は民主主義を推奨したかったのだと思う。しかし、天皇を君主として国家が出来上がっている以上、民本主義としか言えなかったのだろう。ここでは、その揚げ足をとって、天皇を君主に戻さずに、民主主義を大きく変更する際の看板に使っただけである。素人の議論なので、批判をいただきたい。

 

5)中国のような専制国家では、知的に優秀な人材が支配層をなし、その中で競争と選択により最も優秀な統治能力を示したものが執行部を形成する。これが中世的独裁にならなければ、国際競争においては民主主義国よりも有利である。中国では国家の幹部が世襲制で維持されておらず、支配層(共産党と呼ぶが共産主義組織とは必ずしも言えない)は一般からも選ばれる。現在の中国は、中世的独裁国に変貌する可能性があり、それは中国共産党政権の崩壊の始まりとなるだろう。

 

以下に、20179月に書いた記事を再録する。政治を大衆に任せて良いのか? | Social Chemistry (ameblo.jp)

 

(15:45、補足4を追加;翌朝、語句修正;4/26/7:00 冒頭に追補)

4月15日、和歌山市の雑賀崎漁港に設営された応援演説会場に岸田文雄首相が入った直後、首相の近くに爆発物が投げ込まれた。この事件で、木村隆二容疑者(24)が威力業務妨害容疑で現行犯逮捕された。警察による聴取が進んでいるが、黙秘を続けており動機は明らかではない。

 

そんななか、木村容疑者に関する様々な情報が報道されている。彼は現在の国政に関していろいろ不満をもっていたようだ。一つは選挙の立候補資格と供託金制度についてで、もう一つは暗殺された安倍元総理の国葬についてである。

 

後者に関しては私も意見がある。それは事実の解明が第一であるにもかかわらず、議論を封じるかのように、事件直後に国葬を決定したのは大きな疑問点である。以下の記事にそのあたりの議論を記しているので、ご覧いただきたい。

安倍氏暗殺容疑者になった山上氏の拘束は一生涯続くだろう | Social Chemistry (ameblo.jp)

 

前者の問題も非常に重要である。昨年6月、現行選挙制度の下、木村容疑者が参院選に立候補できなかったのは憲法違反にあたるなどとして、神戸地裁に国家賠償請求訴訟を起こしている。第一審で訴えが退けられると控訴し、今年5月に判決が言い渡される予定になっている。

 

木村容疑者によって指摘されたこの民主主義の根幹に位置する重要な問題点については、国民や国会議員はもっと真面目に考えるべきである。そして報道機関も、事件を深刻な顔をして(面白可笑しく)報じるだけでなく、もっと真面目に議論の対象とすべきである。

 

私は、この裁判に注目を集めるのが今回の襲撃事件の動機の一つだと思っている。

 

2)公職選挙法の問題点:

 

訴えの詳細が、AERA.dotにより報道されている。訴えた理由は、以下の二点に集約されると思う。

 

1)30歳未満の成年が、30歳以上の成年と同じ『大人』であるにもかかわらず、参院選の被選挙権がないのは、社会経験に基づく思慮が十分ではないことなどを理由とした差別である。

 

2)供託金の制度は、立候補の自由を保障し、候補者資格の『財産又は収入』による差別を禁じる憲法に違反する。

 

これらの理由で選挙に立候補できなかったことによって受けた精神的損害への慰謝料として10万円を求めたのが、本訴えの趣旨である。

政治家を目指していた?襲撃事件の木村隆二容疑者24歳 「岸田首相批判」と慰謝料10万円国賠訴訟 (msn.com)

 

私は、1)と2)の論点は、本来とっくに国会で議論され、現行制度の一部は改正されているべきだったと思う。現行制度が正しいとするのなら、国は詳細にその理由を説明すべきである。特に高額の供託金で立候補者を社会の片隅(補足1)からだけに限る現行制度は、改めるべきだと思う。

 

勿論、訴状及び判決文の詳細を見なければ十分にはわからないが、一審で門前払いされたのは不思議である。この問題は過去議論の対象になっているだろうが、納得のいく答えが広報等に用意されていなかったのは、国政の怠慢(或いは犯罪)だと私は思う。(補足2)

 

現在、首相をはじめ国会議員の多くが二世三世で占められ、国会議員の職がまるで家業のようになっている。国会では、官僚たちが作った作文を読み上げられるのみであり、議論らしい場面など全くない。総理記者会見も数人だけの質問者に時間を限り、無知がバレないように済ましている。兎に角、日本の政治と政治家は非常にレベルが低い。

 

我々国民が、すくなくとも自分の担当については何時間でも議論できるという能力の政治家を選出するには、この選挙制度の改革が必須である。(補足3)勿論、一選挙区で数百人が立候補するようなことになれば大変だが、現行制度の強い制限は異常である。

 

公職選挙法の目的は、政治屋の権益を守ることではない。従って、男女差や年齢で立候補枠を狭めるのは愚かであり、成人に広く立候補のチャンスを広げる様、制度を改めるべきである。経験や知識の有無は、有権者が判断することであり、選挙制度で予め決定できることではない。

 

具体例:

 

参議院選での立候補には、選挙区は300万円(比例代表は600万円)を供託金として差し出す必要がある。その全額が、有効投票総数を議員定数で割った数の8分の1以上を獲得しなければ没収される。まるで立候補は犯罪で、300万あるいは600万円は罰金のようである。

 

2019年の前回選挙で、東京選挙区に立候補した20人のうち、10人が没収されたという。売名目的の候補者乱立を防ぐのが狙いだというが、この制度では知名度はないが優れた知識と判断力のある政治家候補は完全に除外される。繰り返しになるが、これは民主国家の選挙規定ではない。

 

現行選挙制度は国会議員という家業を持つ既得権益者のためにあると思わざるを得ない。そのグループ以外では、300万円をゴミ箱にてられる人のみが立候補資格があるということになる。

 

もちろん、平和時であれば、テロ行為が罰せられるべきなのは言うまでもない。そして木村容疑者が、人生を賭して我々に選挙制度の不備を訴えたと受け取るのは、或いは極端な事件の解釈かもしれない。しかし、日本の政治の現状を考えると、貧困なる国会に対する警鐘と受け取る視野の広さを国民は持つべきだろう。

 

マスコミはこの選挙制度の不平等をもっと報道すべきである。裁判所は、行政におもねることなく、まじめに議論し判決を出すべきである。統治行為論(補足4)などという学説で身を護るのなら、裁判官などになるなと言いたい。

 

 

補足:

 

1)社会の片隅とは政治家の家族やスポーツ及び芸能界の意味。著名な芸能人やスポーツ競技者が夫々の分野で得た知名度を頼りにして立候補するか、政治家等の子供で親の七光りで立候補するのでなければ、立候補は供託金をゴミ箱にすてるようなものである。

 

2)ネット検索をすると、公明党立川市議会議員の大沢純一という方の議論が出てくる。ただ、様々なところで細々と議論されているのみであり、国政の場でまじめに議論されてこなかったと思う。

供託金制度は廃止すべき | 公明党立川市議会議員 大沢純一 公式サイト (j-osawa.com)

 

3)米国のトランプ大統領の記者会見は数時間に及ぶことが多かった。もちろん、すべての疑問が解消するわけではないが、記者が抱く疑問点にはすべて答えるという姿勢だった。そのような姿勢で記者会見の望むことのできる大臣は、日本には一人もいないだろう。

 

4)統治行為論とは、“国家統治の基本に関する高度な政治性”を有する国家の行為については、法律上の争訟として裁判所による法律判断が可能であっても、司法審査の対象から除外すべきとする理論

自衛隊機の宮古での事故で10人が死亡した件で、中国の仕業の可能性を含めて様々な憶測が飛んでいる。それらの疑惑が出るのは、事故機が非常に安全性の高いヘリコプターで、入念に整備されテスト飛行を行った後の事故であったと報道されたこと、そして、日本政府の隠ぺい体質やそれに従属したマスコミの報道の在り方が大きな原因である。https://www.youtube.com/watch?v=66JCmasnrAA

 

 


この河添恵子さんのyoutube動画にあるように、3月29日にも米軍のUH60ブラックホークが空中衝突して9人が亡くなっている。これらの連続した事故は(a)「事故機が非常に安全性が高い」か、(b)「誰かの企みの可能性など存在しない」のどちらかを否定すると考えてもよいだろう。

 

河添恵子さんは、どちらかというと(b)を否定するニュアンスでこの事故に言及している。私の前回記事でも、不思議なケースとしてこの事故に触れたが、中国の関与を想像しながら記したのは事実である。

ところが、ネットで調べてみると、このヘリコプター(ブラックホーク)は使用頻度が高いからだろうか、米国では度々事故を起こしており、否定すべきは上記(a)であることを示唆する。(補足1)この型のヘリコプターは上記3月の事故の約1か月前にも、アラバマ州で墜落している。https://abcnews.go.com/US/survivors-after-black-hawk-helicopter-crashes-alabama-highway/story?id=97237264

宮古島での事故の原因だが、最初にパイロットが機体の方向などを見失うことが、頻繁におこる事故原因として可能性の一つとして言及された。しかし、当日の天候からそれは考えにくいとされた。救難信号の何もない突然の事故だったことから、次の可能性として、元自衛隊の将軍は主ローターの故障に言及している。ただ、それも今回の任務に向けて入念な点検やテスト飛行が行われており、考えにくい。https://www3.nhk.or.jp/news/html/20230412/k10014036321000.html

これら日本の専門家の議論を聞く限り、ほかに原因を探したくなるのは素人としては当然であり、その一つとして、米中対立が激しくなっていることとの関連で上記第三国の関与説がネットに浮上した。陸自ヘリ不明「中国に撃墜された」は根拠不明 防衛省幹部も否定【ファクトチェック】 | 沖縄タイムス+プラス ニュース | 沖縄タイムス+プラス (okinawatimes.co.jp)

日本では、事故原因究明という視点で、米国での3月29日の空中衝突事故を取り上げた例はほとんどない。当日の天候は悪くなく、浮揚と言う点では問題なかったのだから、今回の事故原因と共通している可能性がある。フライトレコーダー二つは回収されており、現在調査中の筈であるので、暫くすれば原因が公表されるだろう。

 

この空中衝突事故では、少なくとも一方のヘリコプターに方向や位置の制御装置に何らかの故障があっただろう。そのように考えて検索を続けると、過去のブラックホークの事故に位置制御装置の不良による事故があった。

例えば、2020年11月のシナイ半島での“平和維持活動”中、7人の活動家の命が失われた墜落事故だが、ホバリングして荷物を目的地に降ろした後の帰還フライトで突然墜落したのである。ヘリコプターのstabilator(尾翼などの安定化装置)が度々異常を起こし、事故の前に手動に変更されていたという。今回も事故なら、尾翼のstabilator異常があったのだろ。(補足2)

終わりに:

今回のケースで非常に不満に思ったことは、マスコミや自衛隊関係の人たちは、事件の詳細が明らかになる前に、この件の原因調査の枠から中国軍の関与を強く否定し、除外したことである。事件の詳細が明らかになっていないのなら、あらゆる角度から仮説を立てて、その原因を調査すべきである。

 

それも言い訳のための調査ではなく、真実を明らかにすることを最優先すべきである。軍事事故であり政治的な配慮の必要性はわかる。しかし、それは事実を明らかにした後のことである。日本は、対外配慮をして結果的に国民を犠牲にする傾向があると、国民の一人として憂慮する。

安倍元総理の暗殺事件では、政府は捜索から外国機関などの関与を除外し、事件の真相をもみ消している。銃弾は山上の方向からは考えられない方向から入り、心臓に穴をあけていたにも関わらず、安倍元総理の救命に当たった奈良県立医大の教授の記者会見の内容を完全無視し、全く考えられない山上単独犯行説で事件を処理した。

重ねて言うが、真実の追及を最優先すべきである。マスコミや政府は、碌に調査もしないのなら、少なくともフライトレコーダーなどの引き上げ調査の結果が出るまでは、ネットでの素人の意見を封じたり、バカにするような報道や発表をすべきではない。事実解明を最優先するなら、事故の当事者だけに調査させるべきではない。
(11:10編集あり)

補足:

1)過去 10 年間で、陸軍のブラック ホーク ヘリコプターは 40 件のいわゆるクラス A の事故に巻き込まれ、44 人の職員が死亡した。Probe of Deadly Black Hawk Crash Begins as Army IDs Victims | Time

 

2)The Black Hawk’s horizontal stabilator failed multiple times during a two-hour flight and was being controlled manually when the accident occurred, according to the investigation’s field report, which was compiled by the U.S. Army Combat Readiness Center, out of Fort Rucker, Alabama.
アラバマ州フォートラッカーの外にある米陸軍戦闘準備センターによって編集された調査のフィールド レポートによると、ブラック ホークの水平尾翼は 2 時間の飛行中に複数回故障し、事故が発生したときは手動で制御されていた。

Black Hawk’s stabilizing device failed before deadly crash in the Sinai (armytimes.com)