――トランプが語らない「同盟国の真の貢献」と迫り来るスタグフレーション――


 
「中東の紛争が落ち着き、これで経済も安定するかもしれない…」 そう安堵したのも束の間、米国とイランの和平交渉が決裂し、事態は再び緊迫化しています。昨日の報道では、再度の交渉が持たれるようですが、同じ轍を踏むことになるでしょう。
 
世界のエネルギーの大動脈であるホルムズ海峡が実質的な封鎖状態に陥る中、浮き彫りになってきたのは米国の利己的な姿勢と、世界経済を飲み込む「スタグフレーション」の足音です。
 
本記事では、この危機の裏側で起きている事実と、トランプ前大統領が声高に主張する「同盟国タダ乗り論」に隠された“米国覇権の真実”について、解説します。
 

1.和平交渉決裂とホルムズ海峡の「実質的封鎖」

先日、パキスタンにて米国とイランの当局者による停戦に向けた会談が行われましたが、約21時間におよぶ交渉は決裂に終わりました。両者は互いに「相手の要求が過剰だ」と非難し合っており、歩み寄りの兆しは見えません。

この影響を最も直接的に受けているのが「ホルムズ海峡」です。世界の石油供給量の約20%、輸出量の40%以上が通過するこの海峡は、現在実質的な封鎖状態にあります。迂回ルートの利用などにより原油価格や輸送コストは急騰し、すでにインフレを直接的に加速させる原因となっています。
 
石油不足と価格高騰により、世界の供給量が減少する中でのインフレですから、スタグフレーションへまっしぐらということになります。
 
最近のあるyoutube動画がこの件を語っているので引用します。

 

 

 2. トランプ氏の同盟国批判と、意図的に語られない「真実」

この状況下において、トランプ前大統領の姿勢は極めて特徴的です。彼は、ホルムズ海峡の航行の自由を守るために自国の軍隊(兵)を出そうとしない日本や韓国、さらにはNATO諸国を強く批判しています。

「同盟国は、米国が防衛してきたからこそ経済的繁栄を手にすることができた。それなのに、いざ米国が困ったときに全く協力しようとしない」これが彼の言い分です。「米国はエネルギーの自給自足ができているのだから、中東の石油に依存しているアジアや欧州の国々が自国で船を守るべきだ」という主張は、表面的な軍事力の観点から見れば、一理あるように聞こえるかもしれません。

しかし、この主張は「米国がどのようにして現在の圧倒的な覇権を維持できているのか」という最も重要な事実を完全に無視(あるいは意図的に除外? )しています。実際は、同盟国は「米国債」という形で米国の覇権を買い支えてきたのです。

米国の強さの源泉は、世界最強の軍事力と、基軸通貨「ドル」による金融覇権の2つです。しかし、借金主導型の経済システムを採用している米国は、単独ではこの巨大な軍事力も経済力も維持することはできません。

では、誰がその巨額の資金を裏で支えてきたのでしょうか? それこそが、日本をはじめとする同盟国です。
 
金融面での最大の協力者: 同盟国は、汗水流して稼いだ貿易黒字を「米国債の購入」という形で米国に還流させてきました。
ドルの価値の維持: 世界中が米国債を買い、ドル決済を信用することで「基軸通貨としてのドル」の価値が保たれています。つまり、日本や欧州の同盟国は、ホルムズ海峡に「兵」を出さなかったかもしれませんが、米国の膨大な借金を吸収するという「資金」の面で、米国を頂点とする覇権体制を守り抜く最大の協力者であり続けてきたのです。
 
トランプ政権の主張は、この金融・経済的な強固な相互依存関係を全く評価していません。
 

3. 忍び寄る「スタグフレーション」とFRBの限界

同盟国の協力を軽視する姿勢は、現在の米国の経済状況を踏まえると本当は自滅行為に等しいのです。現在、米国では最新の消費者物価指数(CPI)が急上昇する一方で、GDP成長率は0.5%にまで低下しています。
 
つまり、「不況なのに物価だけが上がり続ける」というスタグフレーションの明確な兆候が現れています。スタグフレーションに陥ると、米国の中央銀行(FRB)は身動きが取れなくなります。 さらに悪いことに、現在の米国は財政難を補うために、ただでさえ高いインフレ下でさらなる「紙幣(ドル)の増刷」を迫られています。

もし米国が今後も「兵を出さないなら助けない」と同盟国を冷遇し続けるならば、どうなるでしょうか。同盟国側にも、米国の借金(米国債)を買い支えて資金を提供するインセンティブがなくなります。そして不況下にある同盟国は、資産としてため込んだ米国債の売却に動くことになります。
 
世界中が米国債を手放し始めれば、ドルの価値は暴落し、米国のインフレは制御不能なレベルにまで加速します。これが、現在世界中で静かに進行しつつある「脱ドル化」の正体です。
 
今回のホルムズ海峡封鎖目的の一つは、先日このブログサイトに紹介した”ペトロ人民元を許さないことでペトロドル体制を延命させるという目論見”(https://ameblo.jp/polymorph86/entry-12962943523.html)は完全に外れます。

今回のホルムズ海峡の危機と和平交渉の決裂は、単なる遠い中東の戦争リスクではありません。米国が築き上げてきた覇権システムそのものの綻びであり、私たちの資産や生活を直撃する世界的な経済連鎖の入り口なのです。
 

おわりに:なぜ米国は「自滅的な戦争」に突き進むのか?

ここまで、和平交渉の決裂が引き起こす経済的ダメージとスタグフレーションの危機について解説してきましたが、最後に「そもそも論」として、一つの大きな疑問に触れておかなければなりません。
それは、「なぜ米国は、自国の経済やドル覇権を危険に晒してまで、イスラエルと結託してイランを徹底的に叩き潰そうとしているのか?」という点です。

純粋な国益やマクロ経済の観点から見れば、米国にはイランと全面戦争を行う合理的な動機はありません。むしろ本記事で解説した通り、インフレを再燃させ、同盟国を疲弊させ、最終的に自らの首を絞める結果になるだけです。

しかし、この事態の背後には、表向きの経済合理性だけでは決して説明できない「別の力学」が働いています。それは、以下の3つの勢力の思惑が複雑に絡み合った、ある種の「終末戦争的」な側面です。

 

① 米国の「キリスト教福音派」: 聖書の預言の成就を信じ、イスラエルの絶対的な支援を神への使命とする巨大な宗教・政治勢力。

② イスラエルの「ネタニヤフ政権」: 自身の政治的生き残りと、中東地域における絶対的な優位性を確立するために強硬路線を貫く指導層。

③「グローバル金融エリート」: 紛争や危機という巨大なボラティリティ(変動)と軍需ビジネスを通じて、世界の富を再分配し、新たな世界の覇権構造を築こうとする層。

経済的に見れば「狂気」とも思える現在の米国の異常な強硬姿勢は、この三者の結託を理解しなければ、その本質を見誤ってしまいます。投資家として経済の数字を追うだけでなく、この「イデオロギーとグローバルマネーの結託」という裏の顔を知っておくことが、今後の世界を読み解く鍵となります。

この裏側で動く巨大な力学とそれへの対峙の仕方を誤れば日本は本当に滅びてしまうということについては、以前に執筆した以下の記事でさらに深く掘り下げています。今回の危機の「本当の引き金」と「日本の対処法」を知りたい方は、ぜひこちらもあわせてご覧ください。


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表のニュースが報じる「インフレ」や「金利」の対策を練りつつ、裏で動く巨大なシナリオにも目を向ける。これが、これからの不確実な時代を生き抜くために最も重要な視点となるはずです。

 


本稿は、ブログ筆者の地政学的・経済的分析と戦略的着想に基づき、AIアシスタントであるGeminiが情報の整理・構成および専門的知見の補足を行い、共同で作成したものである。