注:前回で主題はほぼ話し終えたので
ここからは蛇足になります。
そして案の定、長い。
■諦めた
皆様はビジネスシューズのケアをどの位の頻度で行なっておりますかな?
当然、所持している数で人によって違うのでしょうが、
月1くらいのケアをおすすめしているサイトが多い。
そうだ!靴用のクリームで革ジャンをケアしよう!
そう考えた私は当時は革靴などいらない仕事だったため、一足も革靴を所持しておらず
ネットを頼りに調べた結果、月1でこれらのクリームでケアしていけばよいのだな、と鵜呑みにした。
月1か〜月1…
…え!? 月いち?
この小さい瓶でこのお値段のものを
靴より面積の広い革ジャンに使うの?月1で?
ムリだ。そうそうに諦めた。
本音を言えば月1のケアとか めんどくせっ
というのが最大の理由なのだが
革ジャンLOVEを当時から周囲にまで吹聴していたため
手入れが面倒っす、などとは口が裂けても言うわけにはいかぬ。
あくまで経済的な理由だ。
乳化性クリームは油分が少ないのかな?
そのため短い期間で定期的なケアをしてやる必要がある。
だから手入れが年1、2回の革ジャンとかには
油分たっぷりな動物性オイルを使うのか、と納得した。
今思えば色々間違っているのだが
この時は靴用のクリームは靴に使いましょうと結論づけ
再度オイルを探すことにした。
植物性で、油ギットギトで、
年数回のケアで済むような
大量の油分が補給できるヤツを。
■見つけた
そして出会ったのがこちら。
HUBERD’S
・SHOE GREASE
・SHOE OIL
植物性で動物脂肪は未配合。
防水とオイルの蒸発防止の表面保護の成分も入っている。
この他にもシュードレッシングなんてのもあるがこちらは完全動物脂肪性。
このヒューバーズ以外にも色々候補はあったのだが、
選んだ決め手は缶入りなのがカッコよかったから、程度の理由だったと思う。
これで手入れしてる俺カッコよくね?みたいな。
今は普通に買えるが当時は代理店がなかったようで米amazonで取り寄せた。
■感想
つい最近まで、実に10年以上G-1やブーツ他
いろいろなものに使用していた。
この流れだと革のお手入れはこいつが一番!と思わせぶりだが…
場末のブログなので好き勝手に、
無責任に書いているものの
なにかの偶然で訪れた方が嫌な思いをして欲しくないので正直に言います。
保革の点では申し分ないですが、人にはおすすめ致しませぬ。
…とはいえ長い付き合いだ。
アメリカでは人気とも聞くが
日本ではややマイナーなケア用品。
ちょっとだけご紹介しましょうか。
■ご紹介
缶の形状を見ての通り、または名の通り、
シューグリースはグリース状。シューオイルは液体オイル。
なんの植物かは不明だが植物性オイルに表面保護成分として
グリースは松脂を、オイルはパラフィンを使用している。…たぶん。
購入の際、ヒューバーズさんの公式サイトでGoogle翻訳を頼りに調べた。
私に英語が読める学はない。
シューオイルの方はレッドウィングとかでも出している液体オイル(茶色いやつ)とほぼ同じ使用感。効果も。
①使う前に
まずはシューグリース。
購入後、開けた瞬間に広がる正露丸臭。
この匂いはそのうち抜けるので心配はいらない。
それより最初に注意しなければならないのが成分分離。
在庫として長く置いていたのか
製法が時期によって違ったのか
3割くらいの確率で
成分がキレイに上下に分離している場合がある。
上に透明な層。
そこから見える下のドス黒い層。
どっちがなんの成分で どういう効果のものか不明なのでとりあえず混ぜる。
その際、温度がいるので指で。
以外と深さがあり、手がベットベトになるので
せっかくなのでそれは革ジャンで拭きとっている。
正直分離しているのをひくと萎える。
シューオイルは中でどうなってるかはわからないが
とりあえず使用前に振っておけばOK。
②使用できる革について
ここが最大のデメリット。
人にオススメできない最大の理由。
何にでも使えると言えば使えるが
特にシューグリースに関しては色が変わる。
まずは目立たないところで試してから〜みたいなテンプレは必要ない。確実に色が変わる。
わかりやすい例はこちら
↓
使用後の写真には厳密にはクレムのブラックとか他にもいくつか入っているが
色の下地はシューグリース。
塗った回数は量が多めだったものの1回だけ。逆に言えばボロっちい革がここまで復活する。
すごいぞヒューバーズ。
他にもこのレザーパンツの色は全てシューオイルとシューグリースによるものだが元の色の写真がない。
だいたい以前投稿したトリッカーズくらいの色だった。
銀面が死んでいたり、オイルを深くまで浸透させるための加工であるヌバックだったりして
色が入りやすかったというのもあるので、
普通のスムースレザーとかなら流石にここまでは色変わりはおきない。
それでも色変わりは確実に起きるので
黒や濃い茶色以外での使用はオススメできない。
味ともとれるがほぼ着色レベルだ。
赤やネイビーの革に使ったことがあるが、
少しずつだが使用するたびに
確実にヒューバーズ色に近づいていく。
革製品は全部黒!という人にはいいのかもしれないが
何色も持っているのに全部ヒューバーズの色になっていくのはちょっと悲しいものがある。
とはいえ黒や濃茶の革ジャンにだけに使うケア用品というのは
手入れの頻度の多いドレスシューズとは違い使い勝手が悪い事この上ない。
できればカラーレスで、何色にでも使用できるものがいい。
ちなみに これクロム革の灰芯に塗ったら茶芯のビンテージっぽくなるんじゃね?
と思ったが茶色程度では済まなかったので非推奨。
③保革について
肝心の保革効果や浸透性については
こ…コレだよ!俺が求めていたのは!
くらいに優秀ではある。
なお光沢はでないタイプ。
ただし塗りすぎには注意。
他のケア用品と比較しても
かなりロクでもない部類の被害になる。
いっそスピューでもふいてくれればいいのだが
浸透性の高さゆえ、革の表面に戻ってくるのではなく裏まで貫通する。
それがどのような被害になるかは想像に難くないだろう。
・・・
そんなわけで、持っている革製品と相性がよければ優秀ではあるものの
いまいち使い勝手の悪いヒューバーズ。
オイル探しに飽きがきていたので
惰性で使い続けてきたが
ついに家にあったストックを使いきってしまった。
今回の写真は記念すべき最後の空き缶。
そろそろ新しいオイルでも探してみようか。
次は、次のは…あ〜次?え〜…
もうヒューバーズにしとこうかなぁとか考えつつ何を買ったかは1年後という事で。
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というのは嘘でして。はい。
手元にはエトセンスに使い損ねた
マスタングペースト。
革の手入れに正解がある訳ではない。
巡り巡ってまた原点に戻るのも選択肢のひとつ。
もうこれでいいんじゃないかな?と塗って写真を撮ったのが前回の冒頭になります。
うっひょ〜 ナニコレ?
すっごく使いやすい!