《前回》その①


1年後に!と毎回締めておりますが

本当に1年後にすると
夏に連投しなければならない事実に気づいたので
1、2ヶ月に一回づつに分けようと思います。
 
BUZZ RICKSON'S バズリクソンズ
G-1 フライトジャケット
MIL-J-7823 AER
その②
 
では現状がこちら
 
季節外れの夏に最初の投稿、
秋から着はじめたものの、休日しか着れないため着用回数はそう多くない。
 
当然ながら
何か目に見える変化があるはずもなく…
それではカッコいいエイジングを目指してまた来年に!
 
…で終わるのもアレなので
もともとのブログの目的である
自分が後にふり返れるよう記録として残しておく、といった目的をふまえ
どう手入れしたか、どう着たかなどをつらつらと書くことにする。
 
とはいえ記録を始めたのは去年から。
この手入れでカッコよく経年変化しますか?と聞かれても
さぁ?としか答えようがないが
この手入れで大丈夫ですか?と聞かれれば
とりあえず20年は保ちました、とは答えられる。
 
手入れ自体が合ってる保証はないが
間違いでもない…はず。…たぶん。
もともと革って20年くらい保ちそうだけどね。
 
 
■おことわり[超重要]
私の所持しているレザーアイテムは
全てクロムなめし、或いは それをベースとしたクロムエクセルなどの混合なめしの革であり、
以下に書き連ねたものは
ベジタブルタンニンなめしのレザーにはオススメ致しませぬ。
というかたぶんこれやっちゃダメだ。
 
また記載された全ては
私、即ち高卒の中年の主観になります。
 
 
■オイルについて
いきなりそこから⁉︎ とも思ったけども
普段のブラッシング、保管の際は着ない時でもたまには風をあててやる、とかは
今更話す事でもないので省略。
 
記録として残すだけなら手を入れた内容だけで充分だ。
 
①オイル選びのきっかけ
はい!マスタングペーストです。
実は持ってたタンニンなめし、
エトセンスのジャケット用に買ったものです。
 
 
お亡くなりになりましたが…えぇ、はい。
 
昔はなんでもコレ一本。
当然今回のG-1にも使っていたのですが、
実はわたくし、とある日以降
こちらの使用を禁じておりました。
 
その理由はお手入れをしていた時
ふと目に入ったコレ↓
 
今は製造日に変わったようだが
昔は使用期限になっていた記憶がある。
使用期限…使用期限ですとぅ?
 
いや天然成分100%なんだから無い方がおかしいが、
でもこれって使用しちゃって、革に入ってっちゃった分は期限きれても大丈夫?
革の中でまずい事になったりしない?
などと考えが巡り、それで使用をやめました。
 
…という訳ではなく、くだらない理由ではあるがちゃんとした理由がある。
 
そもそも当時も、そして今でも
使用期限の過ぎたマスタングペーストを使用したら
革ジャンがまずい事になったなんて話は聞いたこともない。
 
ではこの使用期限は何なのだろう?
 
嫁さんがつかっていた馬油100%のソンバーユのパッケージには期限らしいものはない。
 
99%を馬油で構成されたマスタングペーストだって問題ないんじゃないか?
そういや1%の違いで随分金額違うよなあ
もう手入れはソンバーユでよくね?
 
とか考えていたところ、ソンバーユの説明をよく見ると長期保存すると酸化して匂いが出ることがあるそうだ。
 
あ〜酸化ね。
代謝が遅くなって皮膚の古い油が酸化して匂いを出す、いわゆる加齢臭と同じ原理ですな〜。
 
…よし!今後マスタングペーストの使用は控えよう!
 
マスタングペースト自体が何かまずい事になる訳ではない。
使用する目的である保革にはなんの問題もないだろう。
 
しかし我輩、いずれ自前の加齢臭を纏うようになる事が確定している運命(さだめ)。
革の中に入った馬油が私の加齢臭ついた汗とかで匂いにブーストがかかりそう感がヤバイ。
 
…というかコレはたぶん動物性脂肪の商品は全部ダメだろう。
 
そしてこの日以降私は
ミンクオイル、ホースオイル、ニーツフットオイル他
動物脂肪由来のオイルを使用する事はなくなった。
 
そして探すことにした。
次に使うオイルを
 
 
②探す
動物性を避け、また匂いという事情を踏まえれば
次のオイルの候補に上がったのはワセリンやパラフィンなどの石油由来のオイル。
なんか無機質で無味無臭っぽそうだ。味など知らんが。
 
石油系は毛嫌いする方も多いが
その理由は?と聞くと天然成分じゃないから、という回答になる場合が多い。
その自然物ではないオイルが革にどう影響するか、までは回答できる人は少ないはずだ。
自然物ではないから革に悪いに決まってると。
 
私もタンニンなめしに使用するのは抵抗があるが
クロムなめしは鉱物とともに皮を煮て化学反応をもって作るもの。
乱暴な言い方だがクロム革自体がもはや自然物ではない。
 
バイオハザードのリッカーを見て
元は人間だから人間だ、と言い張るのは無理がある。もう別な何かだ。
いや別な何かじゃなくてリッカーはリッカーですけど。
 
リッカーはともかく
皮から不可逆の化学反応をしたクロム革に
化学反応で取り除いた動物の脂肪をまた戻すより
石油とかの方がなんか相性良さげじゃない?
ちなみに戻したのがクロムエクセルやエアロレザーですが
素人にそれをやるのは無理だ。
もう石油で行くか。

 

石油系のオイルで有名なのはぺカード。
アメリカでは博物館での展示物の手入れでも使用されている実績のほか
レッドウィングの純正オイルのOEMも手掛けており、
そしてそれらはパッケージが違うだけで全て中身は同じものなのは有名な話。
 
今でこそ天然成分を求める消費者の声が大きく、
RWもそういった商品を出してはいるが
昔のRWはウチの手入れはコレで充分だと
石油系オイルを自社純正オイルとして出していた訳で…
コレは来ちゃってるんじゃないかな 石油由来のオイル。
 
あと石油系のオイルで有名なのはラナパー。
 
主成分をホホバオイルやビーズワックスと表記されたりもしているが
ラナパーの特許を見れば成分の92%〜96%くらいがワセリン。
立派な石油由来のオイルだ。
というかただのワセリンだ。
 
革の他にも金属や木などにも使えちゃう万能性。
やはり来ちゃってるんじゃないですかな?石油系!
 
そんな訳でラナパーをこのG-1に使用してみたところある事に気づく。
 
あれ?
コレちゃんと革の中に入っていってるの?
 
なんか表面に層を作ってるだけのように見えた。
塗った後放置していればゆっくりと乳化、浸透していくのだろうが
それでも表面に留まる分が多い気がする。
 
そういや最近流行っている茶芯レザー、
その革で表面に使われている顔料とかも石油由来が多いですものね?
ひょっとして石油系って革の表面に留まって革の中までは浸透しないのか?
茶芯レザーの顔料みたいに。
 
石油系オイルは
表面に乳化した層を作り
防水性や中の水分の蒸発を防ぐなど
表面の保護やツヤ出しには申し分ないように思えたが
革への栄養?といえばいいのかな?
まあそんな用途では微妙なんじゃないかと思えた。
石油系オイルはたぶん最後の仕上げに向いたオイルなのだと思う。
 
革の栄養補給のためのオイルを探そう。
 
 
③探す その2
んじゃ残りは植物性、或いはラノリンやビーズワックスなどの
動物性でも脂肪由来ではないものという事になる。
 
まずは植物性オイルってどんなのあるのかな?
と調べたらあっさり私が欲しい条件のものが見つかった。
 
 
こちらは私が革靴やら革小物やらの手入れで現在使用しているもの。
動物脂肪由来のオイルは未配合で植物性のオイルが主な成分となっている。
※この中ではイングリッシュギルドだけは成分非公開
 
ひょっとして靴用の乳化性クリームは
だいたいは私の求めた条件を満たすのかもしれない。
サフィールのクレムは厳密に言えばワックスだが、まあ細かい所は気にしない。
 
そういえばドレスシューズ、ビジネスシューズの革は、だいたいクロムなめしですものねー。
当然それ用の成分で作ってある事でしょう。
 
ずいぶんと回り道してしまったものだ、と脱力したが、
世界中のビジネスマンの靴をケアしているクリームの成分が動物脂肪を避けているのだ。
動物脂肪由来のケア用品を避けたのは合ってたのかもしれないとちょっと安堵。
 
とりあえずこの中から選んでケアしていけば間違いはないだろう。
ロウ成分の少ないものはラナパーとかで表面の保護は必要かもしれない。
 
そしてどれにするか選ぼうとした時に
十数年前の私では避けて通れない問題が発生した。
 
高いっす。
 
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なんかつらつらと書いてたら長い。
長すぎる。
という事で2回に分ける事にします。
続きはひっぱる内容でもないので明日にでも
時間がなかったら来週、もしくは来月か
まあ最悪でも来年までには。