と言っても、今は川の上に、ひとつ、ふたつ、小さな光を灯しているのを
見る程度になってしまった。
日本では、ささやかに点滅する光が、ことのほか愛されるが、
イタリアなどでは、不気味なものとして映ったようだ。
日本の古典文学のには、この蛍を題材にした作品がいくつかある。
その代表的なものは『源氏物語』。
いわゆる玉鬘十帖に「蛍」と題する帖があるが、その中で光源氏が玉鬘を迎え入れるシーンが展開される。
光源氏は玉鬘が佇んでいる几帳の内に蛍を放ち、玉鬘の美しい容姿を浮かび上がらせる。
そんな幻想的な姿が描かれている。
また、同時代を生きた和泉式部の代表的な歌に、
「物おもへば 沢の蛍も我が身より あくがれいづる 魂(たま)かとぞみる」とある。
この和泉式部は、歌人として知られるが、その豊かな男性遍歴から
「うかれ女(め)」と表現されることもある。
この歌も、とある男性に向けられたなかなか熱き思いがこもった歌。
この歌を解釈すると、
「あなたのことを思っていると、あの沢を飛び交っている蛍の火も、
私の身体から離れ、恋い焦がれるあなたのもとへと、さまよい出た魂のように思えます」
ひたすら知的な紫式部とは違い、
真率で、生涯、恋を求めさまよった女性とも言える。
若いうちの恋心は、誰しもあるものだろうが、和泉式部の場合、
人生50年と言っていた時代に、40代半ばまで浮き名を流していた。
このような思いを率直に歌う女性は、キケンとも言えるが、
送られたオトコからすれば、キュン死するほど魅惑的だと言える。
恋と幻想を絡める「蛍」の季節がやってきた。
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