BOOTS STRAP 外国語と ゆかいな哲学の館

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ありふれた日常を考察する
<芦屋・三宮>

傑出したアーティストや文学者などに共通する事柄があったりするもの。
たとえば、ダ・ヴィンチ、ミケランジェロ、ゲーテ、ベートーヴェン、シューマン、
アンデルセン、フランクリン、ビスマルクなど。
これらの人物に共通するのは左利き。
左手を使うと逆の脳である右脳が発達するのでアーティストには左利きが多いという説がある。
統計上、犯罪者も左利きが多いという話もある。凡人ではあるが、かく言う私も左利き。
大人になってからは特に意識することもなく過ごしているが、
子供の頃は何かと言われもしたので精神的な影響を与えたかもしれない。

人物を探って行く方法として”精神病理的側面”から追究する学説もある。
その一つがパトグラフィ(Pathographie)と呼ばれている。
精神医でもあるヤスパースは、ヴァン・ゴッホについて、パトグラフィを用いて分析している。
確かにゴッホは神経症的な雰囲気を持っている。
一枚の絵を見て精神的な病理を感じさせるムンクも、何やら感じさせるものを持っている。
そのほか象徴派やシュルレアリズムをみると、同様の感覚に襲われるものも多い。

映画の世界で成功したといえば、スピルバーグ、ルーカス、キャメロンの3人が挙がる。
キャメロン監督も左利きのようである。
スピルバーグ監督は左利きではないが、長編出世作となった1971年公開の映画「激突!(原題: DUEL)」は、ホラー的要素を持つ映画。


これは神経症的な側面から描いた作品とも言える。
この映画の正確な登場人物は、車を運転している主人公一人のみ。
タンクローリーを追い越してから、このタンクローリーに悪魔的につきまとわれ、
精神的に追い込まれてゆくというストーリー。
ほぼセットも要らず、安上がりの映画だった。それが大ヒット。
スピルバーグ監督作品の中ではわが推薦の一作。

「神経症」が映画に彩りを添えているとも言える。

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<了>

「パスカルの賭け(Pari de Pascal)」なるものがある。
このパスカルは、かの有名なフランスの哲学者であり数学者。
彼の名を冠した幾何学の「パスカルの定理」や物理学の「パスカルの原理」がある。
いわば、超天才。
そんな彼が最も傾倒したのは錬金術だという。
すなわち卑金属を「金」に変えるワザを見つけたいと研究に没頭。
彼は当時、異端とされたキリスト教の一派であるジャンセニストであった。
彼の著書『パンセ』の中にあるのが「パスカルの賭け」。
この賭けは「神」が存在するかしないかというもの。
今に至るも、科学的メスをどのように入れようとも、神の存在は否定も肯定もできない。
そこで彼が説いたのは神が存在する方に賭けた方がメリットが大きいということ。
ただ、信仰ある人から見れば、神の存在を「賭けで使うな!」だろう。


また、あのナポレオンもその面では、同様なところがある。
宗教に関する論理もちょっと面白い。彼の言葉に
「宗教は国家を維持するのに不可欠である。社会の富の不平等は宗教なしには維持できない」
と出てくる。
すなわち、彼も神が存在する方に賭けた方が安定した社会ができると説く。
国家元首となれば社会の安定化のため、自身の地位の安定のため、
そのような判断をするものかもしれない。

トランプ大統領のアメリカでの支持基盤は、キリスト教のいわゆる福音派。
彼らの熱狂的支持ということでも知られる。
ただ、トランプ氏はスキャンダルも多く、
いかなる点でもキリスト教的な倫理観から遠く逸脱した人物に見える。
だけども、アメリカ国民が熱狂的支持として、彼を選出して今がある。

ただ、今のところ、これは危険な「賭け」だったとしか見えない。
彼の就任で、世界は何やかやで、大わらわ (@_@;)

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<了>

神学者トマス・アクィナス(Thomas Aquinas) は、
いわゆるスコラ哲学を完成した人物として知られている。
彼は神学ばかりではなく、美学にも通じ、
アリストテレスから想を得て「見慣れたものは美しい」などの表現をしている。
人の美的感覚は、普段、見慣れたものと大きくかけ離れ過ぎたものには「美」を感じず、
見慣れたものを修正した程度のものに「美」を感じるものらしい。
ピカソの抽象画を見て即座に美しいと思える人はごく少数派。
やっぱり、「見慣れたものは美しい」となるようだ。

写真の世界で一時代を築いた女流写真家ダイアン・アーバス(Diane Arbus) は、
風変わりな情景を撮る写真家だった。
ある双子の写真

鬼籍に入ってより久しい時が流れたが彼女の作品はいまだに世界を巡っている。
写真家として彼女が人生をスタートさせたのはファッション写真。
美しい女性を起用し最先端のファッションで身を包む。
まさに「どうだ!」と言わんばかりの美しい写真が出来上がる。

そんな彼女だったが、次第に魅かれていった被写体としての人物は、
いささか狂気を帯びたような人たち、すなわち、
精神的肉体的に他者と著しく違いがあったり、異なる嗜好を持つ人たちへと移行していった。
彼女は「カメラは正常な人を異常に拵える力がある」
などという物騒な(?) 言葉を残している。
この写真などは、それを感じさせるもの。
次第に心のバランスを喪ったのか、1971年48歳で自死。
「見慣れたものは美しい」とは、大きく隔たった彼女の写真だが、
写真の世界を大きく変えた「美」とも言える。

早過ぎた写真家。
時々彼女の写真集を開いてみる。

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<了>