寒いの暑いの、わがままパッションフルーツ。 | BOOTS STRAP 外国語と ゆかいな哲学の館

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ありふれた日常を考察する
<芦屋・三宮>

先日のニュースに「パセノール」という森永製菓が開発した食品素材が、
「長寿遺伝子を増やす」とする記事が出ていた。
言ってみれば、アンチエイジングを促進する食品素材。
これは、パッションフルーツの種子に含まれるポリフェノール成分を抽出させたもの。

パッションフルーツは、ビタミンやミネラルも豊富に含まれており、
もともと美容と健康にいいとされていたが、これで益々需要が高まっていきそうだ。
これに使われている"PASSION" という言葉で、すぐに「情熱」という意味が思い浮かぶが、
そういう意味のほか、もう一つ「受難」という意味がある。
特に、これはキリストの受難を意味する言葉。

フランスのヌーヴェルヴァーグの映画監督として知られるジャン=リュック・ゴダールが製作した
映画に『パッション(Passion)』と題する作品がある。
この映画の中で印象的なのは、レンブラント、ドラクロワ、ゴヤなどの絵画作品と同じコスチュームをつけ、背景も模して、ちょっとパロッた試みを展開している。
このストーリー、最後は夢破れそれぞれの道をゆくというシーンで終わる。
映画『パッション(Passion)』は、映画を作るという「情熱」に始まり、
思惑通りに行かなく「受難」で終わるということがタイトルに込められている。
言葉遊びの好きなゴダールらしいとも言える。

この「パッションフルーツ」という名称も同様に「情熱」ではなく「受難」の方の意味らしい。
パッションフルーツの原産地は南米。
大航海時代に、いち早くスペイン人がその地に進み、
そこで見つけたのが、可憐に咲く、このパッションフラワー。
この雄しべの形が、十字架にかけられるイエスキリストのように見え、
この花を見つけた宣教師が「おお、これは受難(Passion)の花」と叫んだことによるものだとか。
おかげで、この花から生まれた実をパッションフルーツと呼ばれることになった。
この実は、今や世界で栽培されることになり日本でも栽培されているが、ちょっと厄介。
南国生まれらしく、低温を嫌い10℃以下になると枯れてしまう。
さらに面倒なことに、熱帯地方の植物のくせに、高温の30℃以上になると生命力を失う。
栽培する側から言えば、生きる「情熱」は、ないのか?!と言いたいところらしい。
それはあくまでも生産者側の言い分。

このパッションフルーツにとって、生まれ故郷を離れて、
不都合な地で無理矢理に育てられることは、
「受難」に違いない。

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<了>