不幸な家庭はいずれもそれぞれに不幸なものである」
これは、トルストイの小説『アンナ・カレーニナ』の書き出しの言葉。
小説の冒頭を飾るこの文を読むだけで、思わず引き込まれるような気持ちになる。
ただ、この文をよく吟味すれば、異議を唱えたい言葉でもある。
幸福な家庭と言えど、それぞれ独特の幸福のあり方が存在するハズであり、
また、不幸な家庭といえど、一括りには言えないのは自明のこと。
だけども、このような一文でサラリと表現されると、
ツッコむ いとまもなく、箴言のように納得させられてしまう。
エジプト・アレキサンドリアから出土した古文書に
”オクシリンコス(Oxyrhynchus)” と呼ばれるものがある。
エウクレイデスの『原論』一部これらを最初に発掘調査したのが１９３０年のこと。
出土した古文書は膨大なもので、歴史的価値や学術的価値の高いものが多い。
特に政府関係の公的な文書。それに加え、キリスト教の聖書外典、福音書、黙示録など、
ほぼ原型をとどめているものも多く、古代を知る大きな手がかりともなっている。
爾来、学術調査が繰り返され、その都度、内容が発表されている。
今なお、それが続いており、今回、解読できた文書が話題を呼んでいる。
それは、「呑み過ぎによる頭痛の治療方法」と「二日酔いからの回復」というもの。
重要書類の中から出て来たところを見ると、これも当時の重要書類。
その「呑み過ぎ」「二日酔い」の回答として
「アレキサンドリアに自生する(北方系の植物)”ヤチツツジの葉をつなぎ合わせ、
首の周りに巻き付けると良い」とある。
世の中は、様々に移り変わったと言えど、
二日酔いで頭を抱えるというのは、この２千年、
あいも変わることなく「それぞれに大変なものである」らしい。
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