芥川の、書いたらアカンのう小説 | BOOTS STRAP 外国語と ゆかいな哲学の館

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ありふれた日常を考察する
<芦屋・三宮>

芥川龍之介の著書に『侏儒の言葉』というのがある。
この侏儒とは、「見識のない人をあざけていうこと」
すなわち、言葉や出来事などをそのような視点で思いつくまま表現したことを集めたもの。
その中にある一つの文に「キリストは私生児かどうかということである」という記述がある。
これは、「高邁な思想を語っても人が関心を寄せるのはスキャンダル」
という意味で書かれているようだ。

その芥川龍之介が書いたかもしれないと言われる『赤い帽子の女』
というタイトルの小説がある。
ただ著者名として芥川ではなく「黙陽」という名が付されている。
そのため、これを芥川の作と見なすかどうかは意見が分かれるところ。
秘密裡に集まった官能小説を書くグループの一員であったのは間違いなさそう。
そして、この『赤い帽子の女』は、典型的な官能小説。
芥川が官能小説?
この小説は
「1923年のドイツを舞台にし、主人公の男が赤い帽子の女に出会い、
彼女の父親が残した古城で退廃的な生活を送るが
若いナチスの青年将校に女性を奪われてしまう」というもの。
ドイツの地名などが書かれており、ドイツに行った人物でなければ書けないところもあり、
芥川のキャラクターから言っても、彼の作ではありえないという意見も多いが、
「芥川が書いた官能小説」として、
1982年に、この小説をもとに映画化もされている。
ただ、内容的にもパッとせず、興行的にもまったく失敗だったようだ。
この小説、たとえ本人が書いたものであったとしても
自署がされていない以上、芥川作品とするのはスジが通らない。
とは言え、「芥川が書いた官能小説?!」
ということを話題として、これからも、何度にわたっても繰り返されることだろう。

それは、芥川龍之介が『侏儒の言葉』でキリストについて語っているように、
「みんな大好き、スキャンダル」ということらしい。

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<了>