サルトル、手にトル、良く出来トル | BOOTS STRAP 外国語と ゆかいな哲学の館

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ありふれた日常を考察する
<芦屋・三宮>

かつて、カミュ・サルトル論争なるものがあった。
これは、戦後のフランス社会で碩学としてその名を轟かせたサルトルに対して、
新進気鋭のカミュが挑むという形での論争となり、それが当時の人々の興味をそそった。
日本でも話題となった。だけども、今となっては、遠い昔の話。
両者共に小説や戯曲および評論も書いているが、
カミュは話題となるような小説『異邦人』や『ペスト』などを出している。
それに比べて、サルトルは、それほど面白い作品は思い浮かばない。
ジャン=ポール・サルトル
ただ一つ「サルトル面白い」と思えたのは、現代劇『出口なし(Huis clos)』。
この戯曲の舞台設定は「死後の世界」。
いかにも現代劇と思えるのは、舞台の上には長椅子があるのみ。
登場人物も、たった4人。

手短にこの芝居を紹介したい。
登場人物は、ガルサン(男)、イネス(女)、エステル(女)の3人と謎めいた支配人。
実は、3人とも死んでいる。すなわち、舞台の上の密室は死後の世界。
3人ともに、初めてここで顔を合わせる。
ここが死後の世界だとすると意外に快適空間であると思えて、それぞれ安堵の様子を見せる。
3人が生きていた時の身の上話をする。
今まで見も知らぬ3人だったが、お互い理解しあえる友人のような気持ちになる。
身の上を少しずつ明かしていけば、生前、それぞれにヤバい経歴を持っている。
ガルサンは、生前、妻を虐げ、軍から不正に脱走し銃殺された男。
イネスは、サディストでいわゆるLGBT。従兄弟の妻にすり寄ったという。
エステルは、不倫で産まれた子供を殺害し父親を自殺へと追いやった女。
やがて、それぞれが本性を表してくる。お互いを不信し、罵(ののし)り合う。
そして、3人ともこの狭い空間が耐えられなくなり、
支配人に対して、「出してくれ!」と叫び、
それぞれが半狂乱になり、出ていくためのドアを探す。

「出口なし!」

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<了>