ゴールデンカムイ【実写版】 | ヲタクの生きる道

ゴールデンカムイ【実写版】

©野田サトル/集英社

© 2024映画「ゴールデンカムイ」製作委員会

公式サイト

 

【オススメ対象】

・ゴールデンカムイが好き

・漫画の実写映画の成功例を見届けたい

・シリアス&コメディが好き

 

この評価を読む前に
映画の嗜好について
を一読してください。

レンタルは劇場での上映時期とはズレてます。

 

ジャンル・・・アクション

 1)オススメ・・・9
 2)ツボ・・・10
 3)脚本・・・9
 4)映像美・・・9
 5)特殊効果・・・9
 6)俳優・・・10
 7)監督・・・9
 8)音楽・・・9

 9)独自性・・・10
10)キャラ・・・10
合計・・・94点

 

【概要】

上映時間:128分

公式サイト

劇場鑑賞。

劇場公開日2024.01.19の邦画。

原作:野田サトル『ゴールデンカムイ』

監督:久保茂昭

脚本:黒岩勉

音楽:やまだ豊

出演:山﨑賢人杉元佐一)

 山田杏奈(アシㇼパ)

 眞栄田郷敦(尾形百之助

 矢本悠馬(白石由竹)

 大谷亮平(谷垣源次郎)

 木場勝己(永倉新八)

 玉木宏(鶴見篤四郎)

 舘ひろし(土方歳三)

 

【トレーラー】

 

【ストーリー紹介】公式サイトより引用

舞台は気高き北の大地・北海道、時代は、激動の明治末期―。

日露戦争においてもっとも過酷な戦場となった二〇三高地をはじめ、その鬼神のごとき戦いぶりに「不死身の杉元」と異名を付けられた元軍人・杉元佐一は、ある目的のために大金を手に入れるべく、北海道で砂金採りに明け暮れていた。

そこで杉元は、アイヌ民族から強奪された莫大な金塊の存在を知る。金塊を奪った男「のっぺら坊」は、捕まる直前に金塊をとある場所に隠し、そのありかを記した刺青を24人の囚人の身体に彫り、彼らを脱獄させた。

囚人の刺青は全員で一つの暗号になるという。

そんな折、野生のヒグマの襲撃を受けた杉元を、ひとりのアイヌの少女が救う。「アシㇼパ」という名の少女は、金塊を奪った男に父親を殺されていた。金塊を追う杉元と、父の仇を討ちたいアシㇼパは、行動を共にすることに。

同じく金塊を狙うのは、大日本帝国陸軍「第七師団」の鶴見篤四郎中尉。日露戦争で命を懸けて戦いながらも報われなかった師団員のため、北海道征服を目論んでおり、金塊をその軍資金代わりに必要としていた。

そして、もう一人、戊辰戦争で戦死したとされていた新撰組の「鬼の副長」こと土方歳三が脱獄囚の中におり、かつての盟友・永倉新八と合流し、自らの野望実現のため、金塊を追い求めていた。

 

【総評】ネタバレなし

下記の項目でまとめてみた

1)作品に触れる前に

2)作品ボリューム

3)キャスティング

4)結局どうなの?

 

1)作品に触れる前に

最初に言っておくと、漫画の実写映画で数少ない「成功例」のひとつに加えるべき傑作。非常にコアなファンの多い原作漫画である「ゴールデンカムイ」をよくぞこれほどまでにうまくまとめたと手放しで褒め称えるべき作品。

 

実は奥さんが原作漫画の熱烈なファンで、その強力なプッシュでアニメを見だしたら自分もハマった次第なんだけど、二人とも劇場映画はまったく見る予定がなかった。それが見たいと思ったのが、ワイドナショーで漫画家柴田亜美先生がこの映画をオススメしていて、プロの漫画家の目線でオススメするなら間違いないかということで劇場鑑賞したんだけど、結果的にはとてもよかった。柴田亜美先生、感謝。

 

2)作品ボリューム

まず最初にいっておくことは、原作漫画の1~3巻くらいまでのエピソードの実写映画化で、物語は完結していない。現段階で何部作とかアナウンスはないけど、ぜひとも完結まで実写映画化してほしい。今作の製作スタッフなら信用性は抜群なので、確実に成功できると思うから。

 

3)キャスティング

公開前にキャスティングが発表されたとき、原作漫画の実写化に必ず付きまとう、「このキャラにこのキャスティングは合わない」というクレーム。漫画が人気作であればあるほど、ファンが勝手に妄想するキャスティングとは乖離が発生するが、実写映画化での興行的な収益の成功を目指す話題性のあるキャスティングや、芸能プロダクションの介入などがあり、完全なる一致はまずないと思われる。

 

そういう自分も、アシㇼパに関しては、キャラそのものがかなり若く、子役時代の芦田愛菜さんのような天才(今もだけど)でも現れない限り、年齢の不一致のキャスティングになるのはしかたないにしても、違和感はあるだろうなって思ってた。

 

しかし映画を見ればすぐにわかると思われるが、少なくとも自分は違和感を感じるキャスティングはひとりもいなかった。特にアシㇼパ役の山田杏奈さんは見事にこの難しい役を演じきっていたように思った。単純にすごいわ。あと鶴見中尉役の玉木宏さんは最高だった。そしてこの映画のステージを一つ上げているのが、土方歳三役の舘ひろしさん。これは「鋼の錬金術師 完結編 復讐者スカー/最後の錬成」のキング・ブラッドレイ役を舘ひろしさんが演じた時の感覚に似てる。

 

とにかく今作は全体的に素晴らしいキャスティング。

最後に、山﨑賢人さんが主役をやれば、安心なのは今作も同じ。度安定。

 

4)結局どうなの?

私的な感想で言えば、間違いなく漫画の実写化の成功例。見どころは多く、漫画のシリアスとコメディの絶妙なバランスは、この実写映画でも見事に再現できている。アシㇼパのおおよそヒロインとは言えない変顔まで再現できているんだから。

 

バトルシーンの迫力とカメラワークの見せ方も非常にうまくて、ヒグマの大きさと獰猛さと迫力もとても上手く表現されているし、日露戦争の凄惨さと壮大さの表現も素晴らしかった。北海道の極寒表現も良かったと思う。映像面でこれほど見どころばかりあるってのは単純にすごい。その迫力の映像に対し、見事にマッチングした音楽も素晴らしかった。

 

是非とも劇場鑑賞してほしい傑作。