バトル・ロワイアルⅡ 鎮魂歌 | ヲタクの生きる道

バトル・ロワイアルⅡ 鎮魂歌

映画ポスター引用元

 

【オススメ対象】

・前作のような映画を期待しない

・藤原竜也の叫びを聞きたい

・この当時の将来有望俳優たちの若い頃を見たい

・ツッコミ大歓迎

 

この評価を読む前に
映画の嗜好について
を一読してください。

レンタルは劇場での上映時期とはズレてます。

 

ジャンル・・・アクション

 1)オススメ・・・4
 2)ツボ・・・3
 3)脚本・・・4
 4)映像美・・・5
 5)特殊効果・・・5
 6)俳優・・・8
 7)監督・・・4
 8)音楽・・・6

 9)独自性・・・6
10)キャラ・・・4
合計・・・49点

 

【概要】

上映時間:132分

Amazonプライム・ビデオにて鑑賞。

2003年日本映画。

R-15

監督:深作健太

主演:藤原竜也

他出演:前田愛、忍成修吾、酒井彩名、

ビートたけし、末永遥、前田亜季、竹内力

 

【トレーラー】

 

【ストーリー紹介】Wikipediaより引用

本作の舞台は前作の『バトル・ロワイアル』で「BR法」による殺人ゲームで勝ち残った七原秋也と中川典子が、戦場となった島を脱出して3年が経過しており、世界はテロの時代に突入していた。 七原秋也は、歴代のBR優勝者や反BR法活動家、BR法の被害者などにより結成されたテロ組織「WILDSEVEN」(ワイルドセブン)のリーダーとなり、「首都庁舎爆破テロ」を実行し、その犯行声明に於いて「全ての大人に宣戦布告する」と宣言する。子供達の「報復」を恐れた大人達は、正義の名の下に「BRII」と呼ばれる、中学生をワイルドセブンと戦わせる新世紀テロ対策特別法を成立させた。 そんな中で、3年前に七原秋也に父・キタノを殺されたキタノシオリは、父と同じ境遇に自分をおくため「BRII」への参加を志願し、青井拓馬をはじめとして全国から問題児が集まる全寮制の町立鹿之砦中学校に編入する。その冬のクリスマスにシオリや拓馬が在籍する3年B組の42名の生徒達は、スキー合宿へと向かうバスの中で軍に拉致されてしまう。迷彩服に着替えさせられ、担任である教師RIKIからBRIIへの参加、即ち「孤島に立て篭もった七原秋也を3日以内に見つけて殺害せよ!」との命を下される。

 

【総評】ネタバレあり

前作レビュー >> バトル・ロワイアル

 

なぜかわからないんだけど、何年かおきに見たくなるのがバトルロワイアル。今回は続編がAmazonプライム・ビデオにあったので見た次第。続編は今回で3回目かな。

 

前作のバトルロワイアルはかなり好きで傑作だと思うし、後のスターを量産した映画でもあったんだけど、「バトル・ロワイアルⅡ 鎮魂歌」は正直あまり好きではない。前作の良さがまるで生かされてないから。

 

 

もう15年以上前の映画なのでここからはネタバレ全開でいきます。

 

脚本的にツッコミどころが多い。

1)最後にワイルドセブンのアジトにミサイルを落とすが、なぜ最初にやらないのか。アジトがわかっているテロリストってのも間抜けだが、アジトがわかっててすぐミサイルを撃って始末せず、BRⅡ法を適用して中学生をぶつけるだけの時間をずっとアジトで待ってたってこと?ワイルドセブン、大人たち、どっちも随分杜撰だよな。

2)そもそもBRⅡ法の制定内容がおかしい。中学生をワイルドセブンと戦わせるための法案って素人を勝ち目のない戦いに向かわせるためにわざわざ法案を成立っておかしくないか?中学生をなんとかしたいなら今までのBR法で十分じゃないか。ワイルドセブンはアジトがバレるような連中なんだから大人たちで対処するほうが効率的じゃないか。

3)BRⅡ法に基づき中学生を向かわせた理由として、大人たちの犠牲を最小限に抑え、アジトにどれだけの戦力があるかの調査と、運良くアジト深くに攻め込めたとして、本当にアジトに七原秋也がいるかの確認などを理由とすることはできるが、そのあとになぜ大人の兵隊を投入する?そこでミサイルを撃ち込めばいいじゃないか。

ワイルドセブンを過小評価し、ミサイルの撃ち込むロスを抑えたいってのが理由だとするなら、返り討ちにあい、さらにもう1回兵隊を送り込むのはぜったいにおかしい。ミサイルで徹底的に破壊した後に掃討作戦として兵隊を投入するならわかるが、最後に大量にミサイルを撃ち込むのはぜったいおかしい。大人たちの戦闘作戦は間抜けすぎるんだよ。

4)ワイルドセブンはなぜアジトに駐留していたのか。アジトに大人たちの注意を向けさせ、別の作戦を決行しようとしてたってことなら納得できたが、なんの理由もなしに駐留しているのがかなりおかしい。しかもあんな少人数で。駐留してるのがバレてないと思ってた?ちゃんと迎撃したのに?

5)中学生たちが乗り込んできたときにはうまく迎撃し罠にもはめて、かなり敵を減らしたのに、大人たちが乗り込んできたときはなんで急に無策になるのか。マシンガンを撃つだけで、なぜロケットランチャーを敵がまとまっているときに撃ち込まないのか。手榴弾はないの?戦闘シーンが短絡的で、せっかくのアジトでの戦闘で、敵がまとまっているところで掃討するとか、まるで作戦がないんだよな。

6)そもそも最初のワイルドセブンのテロ行為である首都庁舎ビルおよび近隣の超高層ビル倒壊の意味が不明。自分たちをBR法でひどい目にあわせた連中への復讐とBR法廃止が目的なら都庁を狙うのが意味不明。国会議事堂とか与党本部とか内閣府とかそういうところを狙うのが筋じゃないか?大人以外の人が多く犠牲になる可能性がある都庁を狙うのはどうにもおかしいよ。映画として都庁崩壊のインパクトがほしいってのが見え見えすぎて、行動原理が崩壊してる。

7)なぜキタノシオリだけBRⅡ法参戦方法を知ってるの?クラスメイトたちはこのクラスがBRⅡ法対象だと知らないのに。

8)キタノシオリが父の復讐をあっさりやめてしまう理由がちゃんと描かれていない。首輪を外してくれたから?七原もBR法の犠牲者だから?もうちょっとちゃんと描いてくれないと、キャラに入り込めない。

 

代表的なツッコミどころを連記させてもらったが、まだまだ他にも細かいところはあるがそこはおいといても、このバトルロワイアルでもっとも魅力的だったのは、個性的な中学生たちの様々な葛藤とその個性のぶつかりあいだと思うんだが、続編はそれぞれの個性がほとんど見えず、名前のみの登場で死ぬってかんじのクラスメイトばかりになってしまったのがとにかく残念。

 

前作の良さがまったく生かされなかった続編。

何を描きたかったのか。何を訴えたかったのか。

あまりに脚本の練りこみが足りない。

設定が杜撰すぎる。

今作でこのシリーズが終わってしまったのがよくわかる。

結局、一人のキャラも心に残らなかった。

良い役者がいっぱい出演してるのに。

ただただ残念な作品。

 

最後に、この映画のジャンルはなんだろう?

サスペンスとも違うし、SFとも言えないし。

結局不本意だけどアクションとしました。