Never stop exploring

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きょうも どこかで よい旅を


アウシュビッツから帰りお昼過ぎにクラクフへ戻った。バスを降りた瞬間に秋色の落ち着いた街を気に入った。











チェックインまでカフェを探したら、さっそく素敵な雰囲気のところを発見。


ケーキが見当たらず、妥協で目の前にあったパイを頼んだら、とんでもなく美味い。こんな美味しい木の実のパイは初めて食べた。秋の味覚。







嬉しいのはストリートフードのようなもの、また東に来たなと感じる、ロシアやアジアっぽい雰囲気の食べ物もあるところ。一人旅でも困らず、食べ物のバラエティも富んでいた。寒いけどフードコートのような広場があり、そこでまずはスープを適当に頼んだら、ジャガイモやハーブが入っててすごく優しく美味しい。地元の方と相席になり、身体があったまった。そして料金も西側に比べてかなりお手頃。もうすっかりポーランドが好きになった。


お昼は餃子のような、ラビオリ しかも中の具がたくさん選べるやつ。私はじゃがいもとチーズにしたら、素朴で美味しい。食べたことないほど美味しいってやつでもないのに、なぜか飽きない。たくさんあったのに全部平らげた。


ボルシチもバラエティがあって、具沢山のものや、カップ一杯だけのものなど。私はカップにした。





またあまり情報を入れずに歩いたのだけど、街はアクセスしやすく、トラムすら使う必要がなくて全て徒歩で網羅した。


シンドラーのホーロー工場を通り過ぎたら、あまりの行列で入るのは無理だった。こんなことなら予約しておけばよかった、と、行かないとなると行きたくなる心理。ここでも人々の関心の高さを感じた。


11月11日はフランスでは第一次世界大戦の休戦記念日でお休み。職場でも4連休が発表された瞬間に私が検索した航空券はポーランド行き。

中学生の時に『シンドラーのリスト』を観た影響もあり、私は小学生の時から戦争の話、特に第二次世界大戦のエピソードに強く興味を示す子供だったので、広島・長崎と同じように、『いつかは行かなければ!』リストの中に常にあった場所の一つだ。

その他にも、ポーランドのウワサは私の人生の中にちょいちょい流れてきた。出会った人から聞く、ドラクエ的なやつだ。

誰から聞いても『綺麗、安全、安い、美味しい、静か 』等 、この感じ おそらく本当なんだろうな、となんとなく確信していたが、パリからだと少々距離があるため、土日のみでは厳しく、連休を待っていたのだ。

夏のハイシーズンとは違い、航空券もお手頃に手に入り、連休にも関わらずホテルがめちゃくちゃ安かった。これはいいタイミングだ。

絶対に外せないアウシュビッツの見学ツアーに申し込んだら、数日後にメッセージが届いた。

謎すぎて目を疑った。

『ここ最近の混雑状況を鑑みると、3時に出発したチームも入場できないケースがあり、我々の5:45出発のツアーは1時に出発になるかもしれません。』

意味がわからなかった。チケットは予約制じゃないのか?だいたい1時に出発しても施設が開くのは7:30じゃないか。

何かの詐欺かと思ったが、きちんと説明されたその文と、ツアー会社の名前を調べたり評判を見ても、本当のようだし、もう日も迫っていて、アウシュビッツの個人入場枠はすごく限られてる上に広すぎて難しいらしく、他に私には選択肢もなかったので、騙されたつもりでそのままこの会社にかけることにした。

すると直前になり、『入場チケットが確保できましたので、出発は5:45になります』と。良かった。すごくほっとした。本命目的なのに、フランス等に比べてポーランドという少し穴場と思い油断して、まさかこんなに大変な状況とは考えなかった。でもアウシュビッツは世界的に有名な場所だし、世間の人の関心の高さが伺えた。

一安心したら、今回の旅はいろいろと期待でいっぱいだ。

いつも学校に持って行ってるリュックだけを背負って空港へ。パリから2時間東に飛ぶけど、時差は無い。シェンゲン圏だからパスポートコントロールも無い。それでも外国感を感じれたのは、通貨がユーロではなくズウォッチという、聞いたことがないもの。

ツアーのお弁当代は現金のみと書いてあったから、レートがすごく悪かったけど空港のATMで変えた。なんだか詐欺まがいのレートで、32€払って100ズウォティだった。ほんとは22€くらいらしい。

100ズウォティ札をゲットして、全く街の相場がわからないまま、外へ出た。

アウシュビッツツアーの出発までは、空港に留まったが、クラクフ空港は小さくてあまり快適に寝床を確保できず、ほとんど寝れないままとなった。長い 辛い。しかし念のためにと持ってきたものが全て命拾いになった。ニット帽、手袋、カイロ、そして山様のダウンパンツ。我ながら、無駄が無い。

4:17発の街中行きの電車に乗り、たった20分で中心部に着いた。まだ1時間半も時間があるので、また鉄道駅のベンチで過ごした。

5:30 。外に出てみると、寒さはそこまででは無いが霧雨。アウシュビッツ行きの雰囲気にぴったりだ。心細くバス停に向かうと、暗い中立ってる人たちがいる、おそらく同じツアーの人たちだろう、と安心。マイクロバスが来て、名前を確認してもらい乗り込んだ。

さすがにバスの中は安心感もあってほぼ爆睡。1時間半程度でアウシュビッツに着いた。

大きな駐車場を降りても傘が入らない程度の霧雨、そのまま30分くらい長い列を待機して、ガイドと合流。

いよいよ中へ。施設はほぼ外なので、本当に防寒具とここでもいつもの山用レインギアが大活躍。入り口は紅葉が綺麗で、一見普通の公園のようだ。この広い穏やかな場所が地獄だったなんて。その差がまた怖い。

写真で見たことのある有名なゲートを通る。ガイドが早い英語な上に少しポーランド語なまりで、寝不足のわたしには全然聞き取れなかったが、施設をゆっくり見れただけで大満足であまり気にしなかった。パネル展示では自分で翻訳したり、後から調べてみたりもできる。

大量の遺品、収容者の写真、バラック、ガス室、監視員の棟、そして、銃殺の壁

自分の足でその地に赴き、自分の目で見て感じること。

























ついに、記念すべき日本語教室お試しの日になった。


ドキドキ。ま、私よりも生徒の8歳の男の子のほうがドキドキしてるだろうから、リラックスしていこう。このご縁の感じはきっとうまくいくに決まっている。


とはいえ、やはりソワソワ。


そして16:45からの約束で、16:40に家出発


ドアツードアで5分の奇跡的距離


いわゆる家族向けの大きいマンションだからエレベーターも綺麗で立派に見えるわ(築100年に暮らしててマヒしてます)


扉開くとお母さんとエリオ君が迎えてくれた。はにかみ笑顔で恥ずかしそうだが、挨拶するとすぐに心開いてくれてリビングへ。


お母さんが、テーブルとソファ席とどちらがいい?と言うので、日本人的にリラックスしやすい床へ。しかも、土足禁止、座布団ありの日本スタイルで最高にやりやすい。


エリオ君は終始身体前のめりで立ち膝状態だったが、わたしはやりやすかった。


お母さんもおおらかそう、ほとんど話さず、いきなり授業始める感じだったので、こっちも勢いでリラックスできた。面談というか、座って親御さんと挨拶したりいろいろ希望を聞くことでもなく、シンプルにエリオ君にすぐお試し授業


お母さんは一緒に参加せずに離れた後ろのテーブルで見守りなのでこちらもやりやすい。


いろいろ聞いたら、おばあさんの影響で日本が大好き、自分の名前もカタカナで書けたし、少しだけ言葉も知っていた。思った以上にいろんなこと知ってて好奇心満載。地理のこと、食べ物のこと、文化のこと、ほとんど知ってたし、まず最初に世界地図を見て、フランスと日本の場所を探して色塗りしてみよう!て言ったらちゃんと位置も知ってるし、その後、国旗を描いてみようって言ったらかけたし、日の丸という意味も知っていた。東京の位置も。


自前で用意した教材で挑む



すごくいい子だなーっと思う部分はたくさんあったのだが、私の名前を書いて紹介する時、フランスではhは発音しないからみんなシオって言うけど、日本の名前はシホ。だから好きな方で読んでねと言ったら、シホがいい!と即答。こりゃモテるタイプだな 笑 優しい。


好きなものを聞いたら、想像通り、ドラゴンボール、キャプテン翼、ジブリ、さらには宮崎駿の名探偵ホームズ としぶい!ドラゴンボールの好きなキャラクターの話でバッチリ盛り上がる8歳フランス人男子と46歳日本人の私。こりゃ仲良くなれそうだ。


興味あるだけじゃなくてモチベーションも高いから、楽しそうに聞いてくれた。さすがにあどけない8歳なので途中集中力が切れそうな雰囲気も感じだから、こりゃやはり子供には45分が限界だと思った。それでもひらがな表を出したらやっぱり興味津々で、発音もすぐできて早かった。


子供は頭がやわらかい。


おそらく、日本語云々とか文法云々の順序じゃなくて、興味のあるものからどんどんやってくスタイルが良さそう。日本語教室という名の、日本語文化塾。寺子屋。出張日本文化塾。


ものすごく嬉しかったのは、彼が最後にすごく楽しかった、毎週やりたい と言ってくれたこと。


他の習い事もあるだろうから、毎週ではくても隔週でもいいしと言ったら毎週がいいと即答 笑

嬉しい!!なんていいやつだー!エリオー!


私は日本語教師としてはオンラインの講座を受けただけで知識量も経験もプロのようにはいかないが、今後も前職での長年のインストラクターの経験を活かして、個人個人に合わせた楽しい時間にしていこう。


あとは両親と相談して、続けるなら連絡をくださいと言ったら、さっそく今日連絡をくれた。


まさかの同じ通りに住んでて、水曜日の仕事前がいいなぁと想像してたら向こうも水曜日が完璧。ご本人はもちろんご家族の雰囲気まで なんだか仲良くなれそうでご縁を感じるわ。


口コミ紹介だから、ご両親用に、履歴書ならぬプロフィール表渡しておいた

写真じゃ堅苦しいから、似顔絵付きで 笑



やりたいな と思ってたことが叶っている。

いい風きてます。がんばろう。