渋谷今昔 | かんながら

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旅の記録です



昨日は渋谷で会議があったので、東郷神社のすぐそばの図書館に寄って、渋谷駅まで歩いた。

やはり表参道原宿エリアは落ち着く。
世界で一番好きな街。
すべてが美しくて愛おしい。


街との関係をずっと作ってきたからでもあるのだが。
この街に住んでいる人たちが好きなのだ。
街は人がつくるものである。




そして歩きながらこの10年を振り返った。
徳川山からすべて捨ててひとりでここにきて、仕事をはじめて、引退して。結婚して、明治神宮にお詣りするようになった。

わたしは鳥居のある神社は嫌いだった。
そこに神さまはいないと思っていた。

でも毎朝通うようになり、その場所に心を寄せる人たちの真心と奉仕によって、この場所があるとわかり、わたしが今まで感じたことのない神を感じるようになった。
人のなかに現れる神さまや、人と神がつくりあげる何かがあると感じるようになり、この場所が大好きになったのだ。

そしてここにながく住まう人たちの昔話をたくさん聞かせてもらい、渋谷が、表参道が過去にどんな街だったのか、どう変化していったのかを学ばせてもらった。

代々木公園は、昔代々木練兵場であり、その後GHQの将校さんたちの住まいになり、そしてキディランドも、白洋舎も、紀伊國屋も、その人たちの需要に応じてできたもので、前の東京オリンピックをきっかけに、代々木公園は変換されたのだとか、

将校さんの相手をするため地方の仕事を求める若い女性が求人されてきて、今まさに新しくビルが建設されている大和田あたりにその人たちがいたエリアがあったとかも。




2027年には何もなかったように渋谷の再開発はすべて終わるそうだ。
まるで雪が街の痕跡を消し去るように、都会の発展の途中にあった人の想いもまたかき消されてゆく。
雪は季節が変わればまた元の景色が現れ、元の姿を思い出すことができるけれども、街はそうではない。

今の街の下には、過去のたくさん時代に生きたの人の想いが静かに眠っている。