太陽フレア活発化2024.5.9~2024.5.12 | Polaris(ぽらりす)

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風の赴くままに

 

5段階中の最大であるXクラスの太陽フレアが、3日間で7回も観測されています。

 

(参照:yahoo/太陽フレア 観測史上初の「3日で7回」 GPSにも影響 オーロラも各地で

 

 

  ザックリ説明

2024年は宇宙天気災害の発生率が高いとブログで以前書かせて頂いています。(参照:4月12日:世界宇宙飛行の日

 

太陽の黒点は強い磁気が発生している場所で、

黒点の磁場エネルギーが周囲に影響を与えガスが爆発したものが太陽フレア。

 

そのエネルギーが約10倍高くなるごとに

A→B→C→M→Xという5段階クラスに分かれており、

そこに1.1など数字を表示して、太陽フレアの強さを表示しています。

(例)X1.1クラスフレア

 

5段階のクラスのうち、

Xクラスが地球に影響を与える規模のフレアと言われています。

 

太陽フレアの活動ピークは研究機関で多少違いがあるようですが、11年周期で活発化の周期が来ているので、ここ2024~2025年は活発化のピークを迎えると予測されているようです。

 

国立研究開発法人情報通信研究機構によると

2024.5.12  9:00の段階での発表では

最大のものは、5.11 1:23に発生したX5.8/2Bフレアだったとのことです。

 

そしてXクラスの爆発を起こしているのは、

活動領域「3664」のみ。

今後もXクラスフレア発生が起こる可能性があると予測されています。

これは黒点の横幅(長軸)が地球10個分の幅という…とてつもない大きさになっています。

 

2024.5.10 17:05~2024.5.12  0:00時点まで

急始型地磁気嵐(無線通信障害、オーロラ発生)が継続している状態です。

太陽フレアのリアルタイム通知があれば、磁気嵐が到着する時間を推測することが可能です。

 

 

  影響

 

 

今回、スペースXの衛星やアメリカでGPSに支障が出たという簡易的な報告が上がっているようです。

 

衛星・GPSに支障が出るということは…

例えば、自動運転の車は位置情報が乱れ、もしかしたらコースアウトする可能性がある/事故を起こす可能性がある。という話もネット上で見聞きします。

 

また

  • 110番(警察)
  • 119番(救急・消防)
  • 118番(海上保安庁:海の事件事故)
という緊急通報系は、
場所を明確に言えなくても位置情報からおおよその位置を把握することが可能です。

救急等は誤差500m範囲ということを聞いたことがありますが、

それがズレてしまうことで、

余計に場所が探しづらい/到着が遅れるという可能性もあるかもしれません。

 

アーロン氏のスペースX社といえば、

現在のロシアによるウクライナ侵攻で、

ウクライナ側が通信機関が破壊されたため、

スペースX社の衛星通信利用の協力を得ていると以前ニュースで報道されていました。

2024年に入ってロシアが不正使用を行っている?というニュースが出てきているようです。

 

また2024年2月には、

パレスチナ地区ガザの野戦病院において

スペースX社の衛星通信「スターリンク」の使用を

イスラエル政府が許可。

遠隔診断等に使用できるよう人道的対応が行われています。

一方でハマスによる不正使用が行われないように対策も行われているという。

 

今回は発生していませんが、

過去1989年3月カナダにおいて太陽フレアに伴う磁気嵐が発生し、大規模停電が発生しました。

当時、停電時間は9時間、600万人に影響し、復興までに数か月を要しています。

日本はカナダと違って送電線が短く、高調波対策も行われており、磁気嵐の影響を受けやすいとされる磁気緯度もカナダの半分以下と低い為、同様のことは日本では起きにくいと考えられています。

 

総務省では2022年4月26日の段階で、

最悪シナリオを検討しており、どういう状況が起こるか話し合っています。

 

想定した最悪シナリオは、X10クラスの太陽フレアが2週間発生して…と詳細の条件を決めてからケース想定されています。

今回2024.5.11に確認されたのはX5.8クラスなので、更に規模が大きいものを想定しています。

 

その際には、

  • 海洋上での船舶孤立・救助要請困難
  • 都道府県・市区町村・公共機関での公共サービス困難

    (タクシー等も)

  • 地上デジタルテレビ放送は視聴困難

  • FM放送は大規模な雑音で聴取しにくくなる

  • 衛星電話利用する監視システム・制御システム・防災用途・重要拠点のバックアップ・貨物追跡困難での物流停滞・衛星測位困難で農作業や建設作業の遅れ

  • 警察・消防・海上保安庁の緊急通報(110、119、118)で到着遅れ

  • フードデリバリーのピンポイント配送困難

  • カーナビズレ、自動運転やドローンズレが最大数十メートル

  • 航空無線へ多大な支障、航空管制用レーダーの制度低下、乗務員等の人体被ばく回避にて飛行迂回ルートによる遅延、運航スケジュールの大幅変更や運休、空港閉鎖

  • 電力途絶による社会経済への多大な影響

などなど…
しばらくすると今回の活動領域3664は太陽の裏側に回り込むので、一旦落ち着くと思います。
 
興味がある人は

を見て頂くと現在の太陽の状態(準リアルタイム)や太陽フレア等の予報が出ています。

 

この記事を書いている辞典では2024.05.13まではまだまだ太陽フレアも非常に活発で、地磁気擾乱は猛烈に活発となっています。(徐々に弱くなっている状況です。)

 

関係ないとは思いますが、ここ1週間ほどパソコンの調子が悪く困っていた次第ですが、今日はパソコンのご機嫌がいいようです。

 

電波頼りの日本だな…と改めて思います。

 

 

参考/引用

  • 国立科学博物館
  • 国立研究開発法人情報通信研究機構
  • 日本経済新聞社
  • 経済産業省