あと数時間で2019年が終わります。
今年も日本は自然災害の猛威にさらされました。中でも10月の台風19号による被害は甚大なものでした。被災した地域は首都圏から広範囲に及び、東日本大震災から未だ復興途上にある地域までもが巻き込まれました。
おそらく被災地には結弦くんのファンの方もたくさんいらっしゃることと思います。そんな中、今季はあれほどの過密スケジュールにもかかわらず、結弦くんが元気で全試合に出場してくれたことは、どれほど多くのファンの方々を勇気づけたことだろうと思います。
どこにいようとも、テレビさえつけば、インターネットさえつながれば、結弦くんが試合で頑張る姿を見ることができますものね。
そしてそれこそが、結弦くんが願っていることなのだろうと思います。頑張っている姿をお茶の間に届けること。そのために日々、大変な努力を重ねてきたのですから・・・。
今年はさいたまの世界選手権から始まって、グランプリ・ファイナル、久々の全日本と、大きな試合で結弦くんの銀メダルが続きました。(一方で、グランプリシリーズは連勝、スケートカナダでも勝利、二度の300点突破、非公認ながらSPの世界記録更新等々、ものすごいことを達成してもいるのですよね!)
スポーツの試合というと、たいていはその勝敗という結果のみに注目が集まることが多いと思います。ところが今年は違います。
「金メダルを獲って当たり前だと思われていた選手の銀メダル」に、世間の注目が集まっています。本当はこうした大会で銀メダルを獲得するって、実際、すごいことなんですけどね・・・。すごいことなのに、結弦くんの銀メダルはちょっと意味合いが変わってしまう。
これまで勝ってスポーツ紙の一面、勝って雑誌の表紙を飾ってきた選手が、今度は負けて1面、負けて雑誌の表紙を飾っている。これは本当に注目すべきことだと思います。
結弦くんがこれほど大きな注目を集める理由は、「金メダルを期待されていたから」だけではないでしょう。
『負けた』ということが、いつかは大きな財産となるということを、羽生結弦というアスリートは期待させてくれる。負けた後のドラマの展開というものを、結弦くんはメディアにも、一般社会の人々にも、広く期待させてくれているんですね。
結弦くんが出場するとなれば遠い異国のどんな場所にも大勢のファンが詰めかけ、経済が動く。試合に行けないファンは夜通し起きてネットで試合を追っている。結果だけを求めてファンはこのような大移動や苦労をしている訳では決してないと思います。
勝っても負けても、結弦くんにはこれだけ多くの人々を惹きつけるものがあるのです。
「勝った時、いい時に新聞の1面になるのは、誰でもできる。負けた時やダメな時の1面は、本当に認められないと。サッカーも認められたということ。イチローさんもそうでしょ」
三浦知良氏
”夢物語を実現したカズ 負けて1面「認められた」”より
2019年4月10日 日刊スポーツ
https://www.nikkansports.com/soccer/news/201904100000187.html?Page=3
勝っても負けても騒がれる結弦くんご本人は気の休まるところもなくて、本当のところどう思っているのだろうという複雑な思いもあります。
いろいろなことを言う人もいるかもしれませんが、ただ、一つ言えることは、誰が何を言おうと臆することなく前に進んでいってほしい。
先ほどご紹介した三浦知良さんの言葉も、「勝って騒がれるのは当たり前。負けたことがニュースになるようになれば一流の証だ」という野村克也さんの言葉も然り。
結弦くんはもう、フィギュアスケートというスポーツの枠組みを超えて、カズさんや、野村さんや、イチローさんといった偉大な方々のお仲間の一人なのですから。こうした偉大な諸先輩方もいろいろなことを乗り越えてこられたことと思います。
時代を築いてこられた偉大な諸先輩方は皆、負けても一面を飾ってこられたのです。彼らの負けは単なる負けではない。勝敗以上に煌めく何かがそこにあった。だから、これほどまでに多くの記者や読者を惹きつけてやまなかったのです。
一般に勝敗という結果が報道されるスポーツにあって、『負け』がクローズアップされる時、その負けには勝敗という結果以上に煌めく何かがあるのです。
1月4日にフィギュアスケート・マガジンさんから待望の全日本特集号が発売されます。
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私はマガジンさんの一貫した取材を通して、『負けはいつかは財産になる』ということを知りました。
良記事とは勝敗ではなく、何を伝えるかだと思います。
ソチ以降、金を獲って当たり前と思われてきた結弦くんが行き詰っている。でもね、世間の多くの人々はこの行き詰まりに突っ込んでいく結弦くんに、喜びさえ感じながらそこに戦いを挑んでいく結弦くんに、どうしようもなく惹かれているんだと思いますよ。
そう、結弦くんの銀メダルは『限界突破の象徴』です。
まだ、『その先』があるのです。
金メダルを獲り続けてたんたんと道を歩き続けていたとしたら、やがて虚しさに駆られ、結弦くんは4Aへのモチベーションを保つことが難しくなっていたかもしれません。
銀メダル、結構、結構!行き詰ってよいのです。行き詰まるからこそ、開かれる時が来る。このような凄まじい行き詰まりに、諦めずに突っ込んでいくからこそ、結弦くんは限界を超えていけるのです。
矛盾だらけの社会にあっても、純粋に生きることを忘れない。ありったけの命を燃やして前へ前へと突き進む。そんな結弦くんをスケートの神様が愛さずにいられるわけがないのです。
成功は挑戦者のみに与えられる御褒美です。
結弦くん、悔しい思いが続いたけれど、4Aのようなかつてない難しいことに挑戦するには、これぐらいの悔しさを燃料として貯蔵する必要があったのかもしれませんね。
諦めない限り、必ずここを突破していける日は訪れます。
被災地はもちろん、日本各地、世界中にいる結弦くんのファンの皆さんは、今日も結弦くんの健康と幸せと夢の実現を祈ってくれていることでしょう。
今年も珠玉の演技の数々を届けてくれた結弦くん。
心からありがとうを言わせてください。
そして、このような拙いブログにお付き合いくださった皆様、本当にありがとうございました。
2020年も、結弦くんとファンの皆さんにとって、素晴らしい年となりますように!
被災地に1日も早く穏やかな日が戻ることを心からお祈り申し上げます。
■ 羽生結弦は「気高き敗者」だった。艱苦の渦中に見せた、宇野優勝への想いと勝気さ
RealSports 文=沢田聡子
2019.12.31
https://real-sports.jp/page/articles/341810953190376673
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五輪2連覇中の冬の英雄が東京オリンピック、パラリンピックの夏の勇者たちへ、激励メッセージを寄せてくれました。あす元日のスポニチに載ります。胸熱です。(ぶちょー)
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■ 前記事はこちらです↓。
年末年始のテレビ番組
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結弦くんが好きなたべもの、そして、今、興味があること。
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祝!地上波放送「アナザーストーリーズ」
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フィギュアスケートマガジンさん「全日本選手権特集号」
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2020 壁のその先へ
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