今度はクラシック・オペラの世界からの素敵な考察。
テノールのフアン・ディエゴ・フローレスさん。彼が得意とするのはロッシーニのオペラ。その作品の多くが忘れ去られていった理由のひとつは、ロッシーニを歌うためには、『並大抵でないレベルの技巧が必要で、そうしたテクニックが次第に失われていったという事情』があったと。
フローレスさんはまだ二十代の頃から『忘れられていた技巧を、超がつくハイレベルで蘇らせ』ロッシーニの価値と魅力を現代に知らしめた・・・。
”その技巧がどんなものか。Youtubeでもよいので、フローレスがロッシーニを歌う動画をぜひ観ていただきたい。叙情的なメロディに情感をこめながら、しかし知的に歌うのに長けているのはもちろん、アジリタといって小さな音符がぎっしりと並んだフレーズを、1音1音を明確に刻みながら敏捷に駆けぬけるように歌うテクニックが図抜けている。フィギュアスケートにたとえるとわかりやすいかもしれない。演技は品よくエレガントで、あちこちに離れ業のジャンプが加えられ、コンビネーション・ジャンプも続々と決める、といえば当たらずとも遠くないだろう”
”・・・・・・正直にいえば、アジリタのあるロッシーニを、たとえれば4回転やトリプルアクセルを織り込んだ技巧的な滑りを鑑賞したかったという思いはある。だが、フローレスの歌は、聴き慣れた曲であっても異次元で、オーラそのものであった。どんな曲もエレガントで、気品があり、高貴なのである。大きな声を出したり、大げさな表現をしたりすることは一切ない。すべてがていねいに、確実に、しかし、自然に歌われる。
羽生結弦が完璧な演技をしたときのエレガントで自然な美しさを思い起こしてもらえればいいかもしれない。あの自然な演技が圧倒的な資質と、それを最大限に引き出すための人並みでない努力と、その結果として得られた比類なきテクニックに支えられているのと同じである。そこにアジリタはないが、いわゆるハイCなど伸びのある超高音の輝きは加えられる。それもまた、フィギュアスケートのジャンプに近いといえば近い”
TEXT : 香原斗志(かはら・とし)さん(オペラ評論家)
ちょっと前に、結弦くんの芸術性はフィギュアスケートのジャッジというよりむしろ、他の芸術分野で活躍されている専門家の方が理解できるんじゃないかって書いたばかりですが、今度はクラシック・オペラですね。やはり、わかる人にはわかるんですよ。書かれていることにいちいち納得してしまいます。フローレスさんの歌声、素敵ですね!
■ フィギュアの世界最高得点にたとえられる、完璧な歌を聴かせたフローレスのコンサート
12/26(木) 12:08配信GQ JAPAN
https://www.gqjapan.jp/culture/article/20191226-juan
ちょっと思い出したのは、2017年に南雲堂から出版された大学生の英語の教科書『Cool Japan』に掲載された結弦くんのお話です↓。
http://nanun-do.hondana.jp/book/b252524.html
http://nanun-do.hondana.jp/files/CoolJapan.pdf
ここで結弦くんはこんな文章で紹介されているんですよね。
Some have called Hanyuʼs performance a “living work of art.”
「羽生の演技を〈生きた芸術品〉と呼ぶ人もいた。」
■ そして、驚きのニュースが・・・。
LAST【アフロスポーツ プロの瞬撮】
2019.12.25 Vol.web Original AFLO SPORTの写真コラム【PHOTOIMPACTープロの瞬撮ー】
”私はこの「SEIMEI」で初めてスポーツ写真を撮っていて感動したことを覚えている。
フィギュアスケートの撮影するようになり数年が経つが、
経験値は全て羽生選手に積ませて頂いたと思っている。
その中でこの「SEIMEI」は私の中で凄く特別な物であった・・・”
アフロ スポーツ写真家田村翔さん
全文はこちらです↓。
https://www.tokyoheadline.com/479703/
田村翔さん、違う分野に行かれるということなのでしょうか。今まで素敵なお写真の数々、本当にありがとうございました。これからのご活躍をお祈り申し上げます。
田村さんはフィギュアの世界を離れても、今後も結弦くんを見守ってくださるそうです・・・。現場を去られる写真家の方にそんなことを言ってもらえるなんて、結弦くん・・・(涙)。
■ BEHIND全日本写真
http://behindphotos.com/showcases.html?id=662
■ 【秘蔵写真】羽生結弦、コストルナヤ、宇野昌磨……2019/'20シーズン前半戦の名演技。
Number Web
https://number.bunshun.jp/articles/-/841995
■ 王者・羽生結弦4年ぶりの帰還 全日本フィギュア写真特集
日刊ゲンダイ
59 Photos
2019年12月19日、第88回全日本フィギュア選手権大会が開幕。なんといっても今大会の目玉は、4年ぶりの出場となったオリンピック2連覇の羽生結弦。王者の6日間の軌跡を写真でアーカイヴ。
https://moment.nikkan-gendai.com/sports/21535
■ 2019/12/25
佐野稔の4回転トーク 19~20シーズン Vol.⑦ 復活の宇野。大逆転で羽生との直接対決初勝利 ~ 「全日本選手権 男子シングル」を振り返って
今年も残すところあとわずかとなりました。
あっという間の2019年でした。
結弦くん、一息つけているかな。
ぐっすり眠って美味しものを食べているかな。
明日も結弦くんと皆さんにとって、素敵な一日となりますように!
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■ 前記事はこちらです↓。
「羽生結弦は小学生の頃から、人の話を理解する才能があった」
https://ameblo.jp/poissonbleu/entry-12562420209.html
羽生結弦プログラムコンサートガイドブックがすごい!
https://ameblo.jp/poissonbleu/entry-12562351883.html
選手は選手、ジャッジはジャッジ。
https://ameblo.jp/poissonbleu/entry-12562329880.html
『結弦が4回転半をできる』と私が思う理由。by 都築先生
https://ameblo.jp/poissonbleu/entry-12562224444.html
佐野先生のコメント 書き起こし
https://ameblo.jp/poissonbleu/entry-12562077402.html
Fantasy on Ice 2020
https://ameblo.jp/poissonbleu/entry-12562005733.html
全日本の会見。
https://ameblo.jp/poissonbleu/entry-12561993697.html
負けて一面、という名誉。
https://ameblo.jp/poissonbleu/entry-12561905793.html
今朝のスポーツ紙、そしてスポーツ紙の見出しについて。
https://ameblo.jp/poissonbleu/entry-12561872411.html