桜散り、舞い上がる蝶の蒼い影よ・・・。 | ショピンの魚に恋して ☆羽生結弦選手に感謝を込めて☆

ショピンの魚に恋して ☆羽生結弦選手に感謝を込めて☆

清冽な雪解けの水のようにほとばしる命の煌めき・・・
至高のアスリートにしてアーティスト、
羽生結弦選手を応援しています。

17歳でカナダのトロントに渡って以来、結弦くんは観光のひとつもしたことがないのだという。トロントといえば有名なナイアガラの滝も近くにあるというのに。

カナダには遊びに来たのではなくてスケートを学びに来たのだから、練習に打ち込む以外に何かをやるなんて考えられない、というのは彼にしてみればごく自然な気持ちなのだろう。

 



そうしてストイックに練習に打ち込む姿はチームメイトをして「鬼軍曹」と言わしめ、ファンの目には「現代に生きる修行僧」の姿と映ることもしばしばである。

結弦くんがソチ五輪シーズンに三冠を達成した2014年以来、5年ぶりとなる日本開催の世界選手権が幕を閉じた。大会が始まるなり桜が一輪、二輪と開花、春の嵐が吹き荒れ、会場となったさいたまスーパーアリーナ上空に風の神の降臨を告げた。

 



5年前の世界選手権と同じ会場はアイスリンクもキスアンドクライも今大会のモチーフである桜で艶やかに彩られ、会場をぐるっと囲む客席下に貼られたボードのデザインには赤や青の光が散りばめられて、結弦くんが会見で語った「光って暴れまわる炎」をどこか連想させるものであった。

今、1枚の写真を眺めながら、万感の思いが込み上げている。わずか1週間ほど前の出来事に、今も私の一日は支配されている。

 


<世界フィギュア男子フリー>ガッツポーズの羽生は氷に感謝(撮影・長久保 豊写真部長/スポニチ)

氷に散る桜の花びらの傍らに、今しがた燃え尽きた炎がちらちらとその残光を煌めかせ、彼はうつむいている。

激しく喘ぐその背中から抜け出し、舞い上がる蝶の美しい蒼い影を私は目で追っていた。死に物狂いで重ねてきた努力と苦しみが、今、昇華されたのだ。

「擬死再生(ぎしさいせい)」とは、象徴的な死とそれに続く再生のことを言う。

 

山伏は白装束で山に入る。山によっては入山前に死ぬ儀式を行い、下山するときは生まれる儀式を行うという。苦しい行で一度死んだようになって、新しい力を得て生まれ変わるのだ。

日本の花嫁の白無垢は死に装束である。自分が生まれ育った家を出ることで一度死んだ花嫁は、式の途中、お色直しに赤い着物を着ることで、嫁ぎ先の家に生まれ変わる。白と赤は死と生を表している。

結弦くんにとってカナダとは、山伏が山に入るような、そんな神聖な修行の場なのかもしれない。戦い終わった今、そこで何を思っていることだろう。傷ついた身体の一日も早い回復を祈りたい。

 



さいたまスーパーアリーナに、桜の花は見事に散った。

 

その鮮やかな散り際に舞い上がった蝶の蒼い影よ。天空でしばしそのはねを休めた後は、また新しい命をふたたび宿して彼の背へ止まっておくれ。

 

そしてあの美しい桜がまた満開の季節を迎えるまで、そっとその背を守ってほしい。再び軽やかに跳び立つはねとなって、そっと彼を支えてほしい・・・。

 

 

 

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