ショパコン(ファイナル)感想2 |  田舎女 *ぽこ* のなんてことはない日々

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   独立した娘2人を持つパートタイマー主婦です。
   ワインのこと、愛猫のこと、
   寒冷地のド田舎暮らしのこと・・
   思いつくままに。

ファイナリストの演奏を聴いての感想。

前半はこちら下矢印

 

 

残り6名の感想を書きます。

 

マルティン・ガルシア・ガルシア(スペイン)2.F

キラキラと軽やかかつ柔らかな優しい音色。

表現力豊かでオケとの馴染みもよし。

今回の大会における彼の演奏中でいちばん

ミスタッチが少なかったです、やるな〜スペイン男!

これを予期して彼を残していたのだとしたら

審査員の眼力ってやっぱり並みじゃないですね。

 

エヴァ・ゲヴォルギヤン(ロシア/アルメニア)1.S479

深みのある音からキラキラ音まで音質の彩り豊かで

強いタッチでも乱暴にならず優しさをたたえ

弱い音でも余韻の残る美しい響き。

1台のピアノで様々な音色が出せる神業級のテク。

一人だけ違うピアノ使ってる?と疑いたくなるほど。

荘厳、愛らしさ、謎めいた雰囲気、活気・・

表現の幅広さと深さもずば抜けていて

(悲哀表現だけは日本人ファイナリストに負けるかも)

解釈にも押し付けがましさがなくすんなり心に入る。

特に2楽章の美しさは天国級。

引いては寄せる波のような3楽章ラストもゾクゾクしました。

 

小林愛実(日本)1.S479

情念を感じさせるような深い音でスタート。

嵐の前の静けさ、さめざめと謳われる悲哀、

ふと訪れる安穏の瞬間、畳み掛けるラスト。

愛らしさ、2楽章の美しさはエヴァに及ばずも良演。

3楽章は優しめの解釈なのでしょうか、

溌剌さやパワー、表情がほんの少し足りない気がしました。

 

ヤコブ・クシュリク(ポーランド)1.S479

温かみを感じさせるふくよかな音質で

迫力ある表現から繊細な表現まで力まずこなす印象。

安心して聴いていられる感じです。

特にドリーミーな響きが素敵な演奏家だと思います。

そして予選でも感じたのですが

ときどき跳ねるようなリズムが印象的でした。

これが本場ポーランドのリズム感なのでしょうか。

 

イ・ヒョク(韓国)2.K

みずみずしい音色とコロコロとした高音は

やはりカワイの特徴でしょうか?

絶望や悲哀、ロマンティックな表現は

少し足りない感じがしますが、

安穏とした表現は得意そうですし

チャーミングな響きも聴いていて楽しいです。

 

ブルース(シャオユー)・リウ(カナダ)1.F

ペダルはあまり使わないのかな?音ギレのいい演奏。

指もよく回っていて1音1音クリアに聴こえます。

演奏記号的にはコントラストがはっきりしていて

わかりやすい演奏ですが、なんとなく機械的で、

人間味やその人らしさが見えてこない感じがして

私はあまり好きではないタイプの演奏です。

 

 

7月の予備予選から始まった

ショパコンの Youtube 配信、

これで全ての演奏を聴き終えました。

 

ショパンばかりを延べ1300曲分!

判断の拠り所がない素人の私が

それでも自分なりに一生懸命聴きましたよ。

自分じゃ弾けもしないくせに

いろいろ言いたいこと言ってきましたが

根底にはどのピアニストにも尊敬の念があります。

それぞれが真剣にピアノと楽曲に向き合って

素晴らしい演奏を披露してくれたことに感謝です。