ショパコン(本選3次予選)後編 |  田舎女 *ぽこ* のなんてことはない日々

 田舎女 *ぽこ* のなんてことはない日々

   独立した娘2人を持つパートタイマー主婦です。
   ワインのこと、愛猫のこと、
   寒冷地のド田舎暮らしのこと・・
   思いつくままに。

前編、中編はこちら下矢印

 

 

 

さて今回は

残りの7名の演奏から印象深かったことを書きます。

 

ニコライ・ホジャイノフは待機中に笑顔を見せる余裕。

まるで練習室かのようにいい意味で力の抜けた演奏。

彼の紡ぐ優しい音色は時に哀愁を帯び、

時にロマンティックな甘さをたたえ・・

聴いているだけで恋に落ちそうです(笑

 

小林愛実さんは最初の1音から音質が違うというか

凛とした貫禄の響きを放っていました。

ただ、弾き始めてすぐに

なんだかしっくりきていないような表情になり

探り探りピアノを触っているように見えました。

10分ほど弾いたところでようやく納得したような

曲に入り込んだ様子になったのでホッとしました。

(↑私の思い過ごしだといいのですが。)

彼女の演奏する姿を見ていると、

思い通りの音を出すために
様々な鍵盤の押さえ方をしていることがわかります。
指の形だけでなく、手首から先全体、腕、全身・・
体全部をいろんなふうに動かして演奏していて、
しかもその動きに無駄がなくとても美しくて
動きと音の印象がピッタリ合っているので、
これがプロの技なのかと感嘆のため息が出ます。
複雑で多彩な音に包まれながら
深い思想の沼に引きずり込まれそうでした。
彼女のような演奏は聴くにも体力が要りますね。
演奏順が彼女の次になった人は損だと思います(笑)、
聴衆は彼女に魂を持っていかれてしまうから。
現にワルシャワの聴衆たちは
彼女が舞台を降りた後も
拍手をなかなか止めようとしませんでした。
今回貧乏くじを引いてしまった(笑)ポーランド人の
マテウシュ・クシゾフスキはよりによって
自身のプログラムに彼女と同じ曲を組み込んでいました。
普通に上手い演奏くらいでは見劣りしてしまいます。
お気の毒なことです。
ただ、彼の演奏の方がオーソドックスで
美しく聴きやすいから好きだ
という人もたくさんいるでしょうけれど。

 

珍しい変奏曲を披露してくれた(本大会では2名のみ)

イ・ヒョクブルース(シャオユー)・リウ

同じ曲とは思えないほど雰囲気が違います。

いつも笑顔で幸せそうなイ・ヒョクの演奏は

やっぱり明るくてホッとする空気に包まれています。

それに対しブルース・リウの演奏は

テクニックでゴリゴリ突き進む硬質な感じです。

コンクール的にどちらが「正しい」かは

素人の私にはわかりませんが、

温かみのある前者の方が私は断然好きです。

 

 

3次予選=セミファイナルまでくると

本当にどの演奏も美しく熱演で

聞きごたえがありました。

どなたがファイナルに勝ち進むか

結果を見るのが楽しみです。

 

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今回はお茶のお供はありませんでした

代わりに娘の大学の学祭マスコットめいちゃんが

徹夜でショパッコン視聴する私を

見守ってくれていました(笑