学生時代に見てとても気に入った作品があります。
竹内栖鳳「班猫」日本画です。
やわらかな毛、ガラスのような目の質感。
飼い主とさえ一定の距離を保つような目つき。
尾の硬さや首の動かし方、サリサリという舌の音まで。
シンプルな構図の中で猫を如実に表現していて
一目惚れしたのでした。
猫を知っていないとこんな絵は描けません。
竹内栖鳳の観察眼の鋭さが伺えます。
猫の他にもライオン、虎、熊、鹿、犬、烏、鴨などなど
たくさんの動物をモデルに描いているので
栖鳳は動物好きだったのかもしれません。
どの作品も栖鳳の優しい眼差しを感じますし、
動物が生き生きとしていて
体温や鳴き声や感情まで伝わってくる気がします。
そしてこの度、我が家の猫息子で
「班猫」と似たポーズの写真が撮れました。
ジャーーーン!
この目つき!
中途半端な長さの尻尾も同じですね。
栖鳳のような絵は描けないけれど、
写真も上手に撮れないけれど、
溢れる猫愛をこのブログにて
全世界に発信し続けます!(突然の決意表明)
絵のモデルといえば人間のモデルさんですが、
竹内栖鳳の作品にこんなものもあります。
「絵になる最初」
クリムトを思わせる装飾的な衣服の表現と大胆な構図。
恥じらいとためらいを隠しきれない女性の表情と仕草。
障子や着物や豊かな黒髪や白い肌の質感、
生身の感情がこれでもかと伝わってくる、
こちらも大好きな作品です。