藤井聡太七段の今日の対局は
順位戦2回戦、対・堀口一史座七段。
洗濯などしていて観戦スタンバイが遅くなり
AbemaTV を見始めたのは対局開始5分前。
あれ、相手の堀口先生がいない。
あと5分で対局開始ないのに? 遅刻? 大丈夫かな?
と、ここで私はトイレへ。
この間にスゴイ事が起きていたらしい。
後から動画を見てどひゃ〜っとなった。
以下、Abema さんが Twitter にあげた短い動画から
スクリーンショットでお送りします。
(動画が含まれたツイートは削除されたみたいで、今は
見ることができません。スクショ撮っておいてよかった)
対局開始直前にいそいそと入室される堀口先生。
よかった、間に合ったのね!
席に向かう途中で、おっとっと。コケそうになった姿勢で
たっぷり3秒間ストップモーションの堀口先生。
あわてて近寄ろうとする記録係くん。
に対して、「大丈夫だよ」と声をかける堀口先生。
そしてクルリと向き直ったかと思ったら
居合わせた報道陣にニコニコと何やら話しかける堀口先生。
記録係くん(&私)「!?!?」
ニコニコとコケる堀口先生。(一体何が起きているの!?)
コケた姿勢でたっぷり10秒間ストップモーションの堀口先生。
昨年の全米OP決勝での大坂なおみ ばりに
無視して集中を貫こうとする藤井七段。
どうやら、この蒸し暑い中ダウンジャケットを着込み
いそいそとやって来られた堀口先生は、
「ダウンを着てダウン」というシャレを表現なさった模様。
棋界の超新星☆藤井聡太と、報道陣と、
カメラの向こうにいるたくさんの将棋ファンとを前に、
一世一代、渾身のギャグを飛ばされた堀口先生。
少し空気は固まっていたように思いますが、
その勇気ある演技に私は心から敬服いたします!
堀口先生が一仕事を終え、ようやく駒並べ。
リアルタイムでは
トイレから戻った私はこのあたりから観戦再開。
先手番の藤井七段はゆったりとしたリズムで指し始める。
それに対し後手番の堀口先生はノータイムを連発。
自分が時間をどれくらい使ったか
しきりに記録係に確認する藤井七段。
なんだか指しにくそうねぇ。
などと思いながら観戦しつつ、再びトイレに立った私。
しかしこの間にまたもやスゴイ事が起きていた。
対局開始後わずか1時間23分、47手にて
堀口先生投了。
持ち時間6時間という長丁場であるはずの順位戦で
これだけ早い終局はかつてあっただろうか?
トイレから戻ってきた私は
何が起こっているのか一瞬わからず。
狐につままれたような。
幻を見たような。
(それにしてもタイミング悪い私)
堀口先生の対局姿を拝見するのは今日が初めてだけれど、
ノータイムで指し続けた挙句に5時間半の大長考という
前科 記録がある話は聞いていたので、
ほほぅ、今日もまたその戦術を?
しかし藤井七段にはなんとか平静を保って終盤まで持ち込み
キレッキレの派手な手で勝利を掴んで欲しいなぁ、
番外戦術も一蹴する桁違いの実力を見せてもらいたいなぁと、
夜戦の様子を楽しみにしながら見ていたのだけれど、
なんと午前中で終局というあっけない幕切れ。
堀口先生のひとりコント、
ビックリするほどの短時間・短手数の順位戦、
今日は貴重な瞬間を目の当たりにすることができました。
堀口先生ありがとうございました!
いや〜、将棋っておもしろい。
*追記*
ツイートは削除されましたが、
AbemaTV で件のシーン(録画ビデオ)が見られます。→ ★
堀口先生のギャグセンスは解説&聞き手の先生方には
咄嗟には通じなかった模様 (^_^;)
まぁそりゃそうですよね〜
*追々記*
よくよく調べてみると、
堀口先生は2013年に棋戦を休んで病気療養をしていて、
その後なかなか調子が戻らない(棋力的に)みたいね。
病気のことについては詳細は非公開になっているけれど
昔からの将棋ファンに言わせるとどうも精神疾患らしい。
そうして見てみると、今日の堀口先生の突然のコント劇も
事情を知る棋士仲間の先生方ならイジリにくいものがあるし、
淡々と受け流すしかなかったかな、と。
対局者となった藤井七段、
解説&聞き手だった中座先生、飯野女流、
その後解説に当たられた戸部七段、黒沢五段、塚田女流。
あれだけインパクト大だった堀口先生の登場シーンについて
皆さんが全く触れなかったのにも、これで納得がいく。