娘に教えられたこと |  田舎女 *ぽこ* のなんてことはない日々

 田舎女 *ぽこ* のなんてことはない日々

   独立した娘2人を持つパートタイマー主婦です。
   ワインのこと、愛猫のこと、
   寒冷地のド田舎暮らしのこと・・
   思いつくままに。

我が娘が第一志望の大学に合格を決めた。
これから学びたい場所で好きなことを学べる、
新たなスタート地点。
望む道に進める娘は嬉しいに違いない。

だけどそんな娘もこれまで
すべてが順風満帆だったわけじゃない。

中学受験。
学力試験で合格した子で更に抽選を行い
入学者を決定する。
娘は学力試験は合格したものの
抽選(単純にクジ引きだった)で外れてしまい、
近所の中学に通うことになってしまった。
(クジ運の悪さは私譲り・・泣)

我が家は過疎の田舎にあり
近所の中学校は極々小規模校。
クラスには片手で足りてしまうほどの生徒しかおらず
部活動もたったひとつの運動部に全員強制入部。

通学に何時間かかろうとも町の中高一貫校に通い
自分と同じような学力の生徒がたくさん集まる中で
互いに切磋琢磨し
部活動も興味のある音楽をやりたいと
希望で胸を膨らませていた娘は、
田舎の小さな学校で3年間を過ごさねばならないことに
どれだけの落胆を感じたことか。

しかしそこで娘はクサらなかった。
地元の小さな中学でののんびりした空気に流されず
自分なりに勉強を積み重ねたし
苦手な運動部でも努力して努力して
部長を務め県大会に出場もした。
部活で音楽ができない分は
週末のレッスンに通うことで腕を上げた。

そんな中学校3年間を過ごし
高校は望み通りの学校に進学した。

高校で懇談の折などに先生からよく言われたのは、
娘の性格の良さだった。
クラス全員のことをよく見ている。
あぶれそうな子、なかなか仲間に入れない子、
そういう子に必ず声をかけている、と。

それを聞いて思ったのは、
小さな中学校での3年間が生きているということ。
小さなコミュニティの中では
「誰かと仲が悪くなったら別の友だちといればいい」
ということができない。
友だちの替えがきかないのだ。
だからお互いに気を使い合う。
いつも「みんなで」気持ち良く過ごせるように。
どこかで気が合わない部分があっても
互いに認め合い許し合って小集団を継続させていく。
そうやって過ごした3年間が
高校の先生の言う娘の「優しさ」に繋がっているのだろう。

実力では合格しながらも抽選で落選するという
自分だけの力ではどうしようもない理不尽さ・落胆は
小学校6年生の子どもにとって
どんなに大きなことだったろうと思うけれど、
そこでクサらずに、与えられた環境で頑張り、
力を蓄えながら次のチャンスを待つという経験は、
娘をより強く大きくしてくれたんじゃないかと思う。
だから、望みの高校に進学もできたし、
片道2時間以上かかる通学にもへこたれず皆勤し、
たくさんの良い友人にも恵まれ、
中学でできなかった分も取り戻すかのように
音楽の部活に打ち込み、
そうやって充実した高校生活を楽しみながら、
ギリギリの睡眠時間でも健康を損なうことなく
隙間時間と合わせて受験勉強をコツコツと重ね
大学受験も第一志望校の合格を手に入れた。

どこで何をすることになっても、
「ここで頑張るんだ」という気持ちが大事。
ブレずに目標や夢を持ち続けて頑張っていれば、
そこで得るものも大きいし、
チャンスだって必ずいつか巡ってくる。

娘に教えられたこと。

この春望む道に進めなかった人たちへ、エールを。