9歳の自閉症の息子と、41歳での乳がんの闘病。 | 岩城産婦人科妊活ブログ

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【北海道の不妊治療専門クリニック】
早発閉経、難治性不妊、男性不妊、着床不全、不育症など得意。
患者様のご意見第一、納得できる治療を心がけてます。
[オンライン処方,PFC-FD,ネオセルフ検査,タイムラプス,TESE/PIEZOICSI可能]

 

ぽってり苺 皆様へのお願い ぽってり苺

 


 

【オンライン処方】

 

DHEAメラトニンは再開しました。

  

*メラトニンは、

おひとり様3個までとなります。

 


 

   

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匿名」様

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以外で、

お名前をつけてくださると幸いです。 

 

 

匿名・匿名希望が多く、

過去にご質問頂いた内容が、

わからなくなってしまいます。

 

 

お手数おかけ致しますが、

なんでも良いので、

お名前をつけてくださるよう、

ご協力して頂けると助かります。

 

 

      
 

 

<不妊治療関係の裁判>

 

乳がん治療で、

妊娠・出産ができなくなり、

裁判を起こす。

 

 

東京地裁令和2年1月23日判決

LLI/DB 判例秘書登載

 

     
 

 

 

サムネイル

スーツ 解説を担当致します。

弁護士の、
甲野 裕大(こうの ゆうだい)
です。


【取り扱い分野】

不妊治療分野/離婚分野

・不妊治療クリニック顧問
・凍結胚トラブル
・精子提供、卵子提供
・不妊治療中の離婚
・不倫
など

 
 

 前回までのまとめ

 

 

女性A(41歳)

32歳で長男出産(現在9歳)

 

【平成25年9月】

右胸にしこり

Bクリニック受診

 

 

【平成25年12月6日 Y病院受診】

検査実施、手術予定を立てる

 

・『乳がんの治療をこれから受ける方のために』

という冊子を貰う

▶︎ 妊孕性温存や不妊治療については、

質問するようにと記載あり

 

 

【平成25年12月20日〜平成26年1月22日】

・各種検査

リンパ節の転移の疑いが持たれる

 

【1月30日 Y病院受診】

手術前の説明

 

 

2月6日:入院

2月7日:手術と説明

2月11日:術後の詳しい説明

2月17日:退院

 

 

【3月3日 Y病院受診】

・C医師に質問する

温存した左胸で母乳は出るか

▶︎ 子どもを希望する、

直接の質問ではなかった

 

 

【3月24日 Y病院受診】

 

・病理検査の結果説明

左胸は浸潤なし、

右胸はリンパに2個転移、浸潤がん

 

・冊子を渡される

『乳がんに対するAC療法(抗がん剤治療)について』

 

▶︎ この冊子を読んで、

抗がん剤の副作用で、

閉経の副作用があることを知った。

 

 

【3月26日 Y病院に電話】

 ・子供が欲しい場合どうすれば良いか

・C医師(担当医)が男性医師だから、

そのような話がなかったのか。

女性の医師に相談したい。

 

 

【3月28日 Y病院に電話】

・癌の遠隔転移を調べるという、

PET検査の必要性をC医師に聞きたい。

 

 

【3月31日 Y病院から本人に電話】

PETの必要性の説明。

41歳だし、

今後、5年は投薬予定の為、

受精卵凍結をしても妊娠は難しい。

息子の為に治療を優先した方が良い

 

▶︎ それでも、

妊娠・出産の可能性を残すには、

どうしたら良いか質問はしなかった

 

 

【4月2日 Y病院受診】

・女性のE医師の診察

 

癌の再発や閉経の説明を受け、

抗がん剤を受け入れられると回答。

 

・抗がん剤の開始日を4月10日で予約。

 

 

【4月10日 Y病院受診】

・担当のC医師の診察の終了間際、

F大学G医師に、

セカンドオピニオンを受けたい」と希望。

 

▶︎ G医師に聞くことがまとまったら、

改めて相談するように、本人に伝える。

 

 

・内科に引き継いで、

診察を受ける(H医師,I医師)。

 

本人「閉経と出産できないことが心配

H医師「癌の治療で出産は難しくなるが、

再発予防の為には受けた方が良い

 

抗がん剤の投与に同意し、

この日から治療開始した。

 

 

【4月11日 Y病院に電話】

・「やっぱりF大学のG医師に、

セカンドオピニオンに行きたい」

▶︎ G医師への紹介状作成

 

 

【5月7日 F大学受診】

・G医師に診察を受ける

▶︎ C医師に対して返事を作成

 

 

 女性Aが裁判を起こす

令和2年判決

(上記治療は、平成25年の41歳時)

 

     

 

 36.女性Aの主張①

 

 

【 女性Aの主張1つ目 】

 

⬜︎ Y病院の医師は、

初診日(平成25年12月6日)の時点で、

前医からの情報や、女性Aの訴え

乳がん短期間で倍近くまで大きくなったこと

HER2が高値なので、

進行が速いことを認識できたはず。

 

 

⬜︎ 初診日から数週間以内には、

手術を実施すべきだった

 

 
 

 37.裁判所指摘:根拠にならない

 

 

⬜︎ どの程度の期間で、

どの程度がんが大きくなったら

「他の患者に比べて、

早期に手術を実施すべき」

と言えるか、

基準は明らかになっていない

 

 

⬜︎ HER2の高値を理由に、

「他の患者に比べて、

早期に手術を実施すべき」

という、

医学的知見は認められない

 

   
 

 38.裁判所指摘:証言内容も一般的


 

<C医師の証言内容>

 

・女性Aは、

前医で大きさ6㎜程度の非浸潤がん

との診断されており、

他の患者と比べて、

特に急を要するような状況にはなかった

 

 

・病院初診日のエコー検査の結果、

大きさ15㎜になっているが、

大きさ15㎜だけで、

急ぐべき状態にはならない

 

 

・大きさの変化についても、

計測者が異なることでの誤差

女性Aの乳がんの境界が不明瞭な事での誤差

もあるので、

これらを考慮すれば、

「他の患者よりも、

早期に手術を実施した方が良い」

という判断に至ることはない

 

 

⬜︎ 上記のC医師の証言内容が、

臨床医学の医療水準に反するとは言えない

 

 
 

 39.裁判所指摘:冊子内容

 

 

⬜︎ Y病院は、

患者に冊子を配布している

 

 

⬜︎ その冊子には、

手術を受ける前に検査をする事について、

以下のように書いている

 

 

治療開始前に、

全身麻酔手術が安全にできるか、

調べる各種検査

 

がんの広がりを確認する為の各種検査

 

リンパ節への転移を確認する為の各種検査

 

遠隔転移の有無を確認する為の各種検査

 

などが必要になる、

と書いている。

 

 
  

 40.裁判所指摘:手術までの流れ

 

 

・初診日(12月6日)に、

手術までの待機時間ができる事を。

説明されている

 

 

・各種検査を実施していく中で、

リンパ節への転移や、

左乳房にも乳がんの疑いが、

指摘されている。

 

 

・1月16日のC医師の診察のとき、

左乳房は確定診断前の段階ではあるが、

医師の予定手術室の空きから、

最も早い日程で手術をする事になった

 

 

 

⬜︎ この経過なので、

手術の実施が遅れたとは言えない

 

 
 

 41.女性Aの主張①の判断

 

 

①「手術の実施時期が遅かったから、

がんがリンパ節へ転移した。」

 

下三角

 

裁判所は、

医師の過失を認めず

 

 
 
続きます。
 
解説:弁護士 甲野裕大
 甲(きのえ)リーガル法律事務所
  

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文・イラスト:理事 岩城桃子  
 

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