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前回の記事
前回までのまとめ
女性A(41歳)
32歳で長男出産(現在9歳)
【平成25年9月】
右胸にしこり
Bクリニック受診
【平成25年12月6日 Y病院受診】
・検査実施、手術予定を立てる。
・『乳がんの治療をこれから受ける方のために』
という冊子を貰う。
▶︎ 妊孕性温存や不妊治療については、
質問するようにと記載あり。
【平成25年12月20日〜平成26年1月22日】
・各種検査
・リンパ節の転移の疑いが持たれる
【1月30日 Y病院受診】
・手術前の説明
2月6日:入院
2月7日:手術と説明
2月11日:術後の詳しい説明
2月17日:退院
【3月3日 Y病院受診】
・C医師に質問する
「温存した左胸で母乳は出るか」
▶︎ 子どもを希望する、
直接の質問ではなかった。
【3月24日 Y病院受診】
・病理検査の結果説明
「左胸は浸潤なし、
右胸はリンパに2個転移、浸潤がん」
・冊子を渡される
『乳がんに対するAC療法(抗がん剤治療)について』
▶︎ この冊子を読んで、
抗がん剤の副作用で、
閉経の副作用があることを知った。
【3月26日 Y病院に電話】
・子供が欲しい場合どうすれば良いか。
・C医師(担当医)が男性医師だから、
そのような話がなかったのか。
・女性の医師に相談したい。
【3月28日 Y病院に電話】
・癌の遠隔転移を調べるという、
PET検査の必要性をC医師に聞きたい。
【3月31日 Y病院から本人に電話】
・PETの必要性の説明。
・41歳だし、
今後、5年は投薬予定の為、
受精卵凍結をしても妊娠は難しい。
・息子の為に治療を優先した方が良い。
▶︎ それでも、
妊娠・出産の可能性を残すには、
どうしたら良いか質問はしなかった。
【4月2日 Y病院受診】
・女性のE医師の診察
・癌の再発や閉経の説明を受け、
抗がん剤を受け入れられると回答。
・抗がん剤の開始日を4月10日で予約。
【4月10日 Y病院受診】
・担当のC医師の診察の終了間際、
「F大学G医師に、
セカンドオピニオンを受けたい」と希望。
▶︎ G医師に聞くことがまとまったら、
改めて相談するように、本人に伝える。
・内科に引き継いで、
診察を受ける(H医師,I医師)。
本人「閉経と出産できないことが心配」
H医師「癌の治療で出産は難しくなるが、
再発予防の為には受けた方が良い」
・抗がん剤の投与に同意し、
この日から治療開始した。
【4月11日 Y病院に電話】
・「やっぱりF大学のG医師に、
セカンドオピニオンに行きたい」
▶︎ G医師への紹介状作成
【5月7日 F大学受診】
・G医師に診察を受ける
▶︎ C医師に対して返事を作成
女性Aが裁判を起こす。
令和2年判決
(上記治療は、平成25~26年の41歳時)
42.女性の主張②
【 女性Aの2つ目の主張 】
⬜︎ 妊孕性の問題は、
個人、家族の多様な価値観や個人的事情に影響する為、
手術後早期、2月11日に、
閉経の可能性が高いこと、
卵子凍結の可能性が存在すること、
などを説明すべきだった。
⬜︎ また、抗がん剤治療を開始した4月10日には、
卵子凍結についての情報提供や、
それに伴って、
抗がん剤治療の開始時期をずらせることも、
説明すべきだった。
43.裁判所指摘:ガイドライン
【 裁判所指摘:妊孕性温存の説明 】
⬜︎ 妊娠、出産という妊孕性の問題は、
患者のライフプランに深く関わる事
という点では、
女性Aの指摘通り。
⬜︎ がんと妊孕性温存、生殖機能に関して、
以下がそれぞれ作成・公表された。
・平成26年9月
「乳がん患者の妊娠出産と生殖医療に関する診療の手引き」
・平成29年7月
「小児、思春期、若年がん患者の妊孕性温存に関する診療ガイドライン」
44.裁判所指摘:従うべきルール
⬜︎ Y病院の乳腺センターでも、
平成30年から、
初診時の問診票で、
挙児希望(妊娠出産の希望)を
確認する事にした。
⬜︎ 女性Aの術後、
抗がん剤治療が開始された、
平成26年2月〜4月当時は、
上記の手引きや、
ガイドラインが作られる前の時期。
⬜︎ そうすると、当時のY病院の医師が、
それらの手引きやガイドラインに沿った説明を、
すべき義務はない。
45.裁判所指摘:何を基準にするか
⬜︎ そのため、その当時は、
患者が置かれていた状況や、
患者の挙児希望を言ったか、
などの事情を踏まえて、
どの程度、説明すべきだったかを、
個別に判断する必要がある。
46.裁判所指摘:当時の状況
【当時の女性Aの状況】
⬜︎ 女性Aは41歳の既婚者、
9歳の長男がいる。
⬜︎ 女性Aが、
ハッキリと挙児に関する希望を、
Y病院の医療従事者に伝えたのは、
3月26日が初めてだった。
⬜︎ 3月3日に、
女性AがC医師に、
母乳を出すことができるか質問したが、
これは、
挙児希望を伝えたことにはならない。
47.裁判所指摘:説明と同意
⬜︎ 女性Aの主張の、
2月11日の時点で、
医師が挙児希望を認識できたとは言えず、
2月11日時点で、
医師に、
「妊孕性に関する説明をすべき義務」は、
認められない。
⬜︎ ハッキリと挙児希望があった、
3月26日以降は、
C医師が電話で、
「受精卵凍結や、
41歳で今後5年間の薬剤投与が望ましい為、
将来の妊娠出産は難しく、
治療を遅らせるより、
抗がん剤治療を優先させる方がよい」
と説明をしている。
⬜︎ 4月2日のE医師の診察中、
C医師と同様の説明をしている。
⬜︎ さらに、
「どうしても受精卵凍結の希望があれば、
不妊治療専門施設を紹介する」
と説明した。
⬜︎ これに対して、女性Aは、
受精卵凍結を希望するとまでは言わず、
治療を受け入れると言った。
48.裁判所指摘:3回目の説明と同意
⬜︎ 4月10日、女性Aは、
H医師に対して、
閉経や子どもが産めないことが心配と言いつつ、
抗がん剤治療に同意して、
同日、治療が開始された。
⬜︎ 以上によれば、
Y病院の医師らは、
将来の妊娠出産に対する、
女性Aの気持ちを踏まえて、
十分な説明を行ったし、
説明を聞いた女性Aは、
妊孕性温存の手段を選択せず、
抗がん剤治療に同意した。
49.
【 裁判所判断 】
『医師は、当時の医療水準に沿って、
抗がん剤治療を開始までに、
妊孕性に関する必要な説明を行っているので、
女性Aの自己決定権を奪う事はしていない』
と認定。
医師には過失がないと判断。
女性Aの訴えは全て認められず。
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