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なんでも良いので、
お名前をつけてくださるよう、
ご協力して頂けると助かります。
破水したが、
羊水が緑に濁っている。
出血と羊水流出が多量、
激しい痛み。
胎児心音の確認を何度も求め、
心音をやっと確認すると、
死亡していた。
広島地方裁判所昭和62年11月27日判決
判例時報1287号124頁
前回の記事
前回までのまとめ
【 昭和58年6月6日 】
第一子の里帰り出産の為、
Y病院に初診で受診。
週1回で受診して、異常はなかった。
【 昭和58年7月11日 】
胎児心音に異常なし。
【 昭和58年7月12日 】
21:00 破水
羊水が緑色に濁っていた。
病院に連絡して、
Y医師に入院するように指示される。
21:30 入院
Y医師がK看護師に抗生剤投与を指示。
妻Aが診察を希望するが、
K看護師が断る。
・「陣痛が起こってから」
・「夜間の診察は無理」
その後トイレに2回行き、
多量の出血と羊水が出てきた。
K看護師に診察を要請するも、
「夜間の診察は無理」と断る。
23:00 ナースコール
・陣痛が3〜10分に短くなったので、
診察を希望した
▶︎ K看護師が「まだ無理」と断る
・一方、Y医師が妻Aの状態を聞く
▶︎ K看護師は、
「まだ陣痛が不規則」のみ答える
【 昭和58年7月13日 】
0:00 K看護師のY医師への報告
「規則的陣痛があり、羊水・出血が少量」
▶︎ Y医師は経過観察を指示
1:00 ナースコール
・ 診察を希望する
▶︎ K看護師が「まだ無理」と断る
3:00 診察と心音確認を強く要求
▶︎ K看護師が断る
5:00 診察と心音確認を強く要求
▶︎ K看護師が断る
6:00 K看護師からY医師への報告
「4分おきの陣痛、出血少量、
付き添いの母が診察を希望している」
▶︎ ブスコパン注射と、心音確認を指示。
尋常ではない痛みが続く
6:30 ナースコール
「どう見ても異常だから、
お願いだから心音の確認をしてほしい」
と懇願する
▶︎ K看護師が心音を確認すると、
すでに心音は消えていた。
6:38 Y医師も心音の消失を確認、
子宮内胎児死亡を確認した。
11:40 陣痛促進剤を投与
13:45 死産児(女)4450gを出産
臍帯真結節があった
▶︎ 臍の緒に結び目がある状態。
29.定期的な心拍数の確認
⬜︎ 裁判所は、
「医師が適切な処置をしていれば、
胎児を救命できたか」
検討した。
⬜︎ NSTの普及は進んできてはいたが、
通常の診療所では、
陣痛発作のある産婦には、
10分〜15分毎に、
ドップラーでの胎児心拍数の確認でも、
適切な診療の範囲内。
30.可能性は4つ
⬜︎ Y医師が10〜15分ごとに、
ドップラーをしていれば、
胎児がたどる経過について、
以下の4つの可能性があった。
可能性①
早期に徐脈を発見して、
Y医師が早急に帝王切開手術を行う。
あるいは、
他の施設に搬送して、
帝王切開手術。
そして、
正常で健康な新生児を分娩した可能性。
可能性 ②
早期に徐脈を発見して、
帝王切開手術をしたが、
分娩前後に死亡するか、
低酸素性脳障害(脳性麻痺)などの、
後遺症を残した可能性。
可能性③
徐脈が不規則におこり、
徐脈の発見や、胎児の危険が、
診断されないでいるうちに、
突然、臍帯真結節の結び目が固く絞られ、
死亡した可能性。
可能性④
入院時、既に死亡していた可能性。
ただし、娩出された死産児に、
浸軟徴候がなかったなめ、
入院前に死亡していた可能性は低い。
31.可能性が最も高かった未来
⬜︎ 鑑定の結果では、
上記の4つの可能性について、
それぞれ何%かは、
推測不可能とされた。
⬜︎ しかし、
すでに前期破水で羊水は混濁していた。
⬜︎ そのため、
入院時点からY医師が、
胎児の心拍数に注意していれば、
可能性①の、
「正常で健康な新生児を産んだ可能性」
がかなりの程度あった
と考えられる。
医学的解説:羊水が緑
羊水が緑色になっているのは、
胎児が苦しくて、大便をして、
胎便の色になっている状態です。
つまり、
羊水が緑色に混濁していることは、
胎児が苦しんでいることを指し、
SOSであり、
かなり危険なサインです。
その後の看護師の対応も、
もちろん大きな問題ではありますが、
そもそも、
羊水が緑色に混濁してる時点で、
医師は、一度診察するべきでした。
医学的解説:臍帯に結び目
臍帯真結節(さいたい しんけっせつ)
臍帯真結節は、
結び目ができることですが、
陣痛が強すぎる時などに、
臍の緒に結び目ができてしまう事があります。
そして、
酸素不足に陥り、
あまりに苦しすぎると、便が出ます。
破水した時から、
危険なサインがあったのに、
破水後、医師が一度も診察しないまま、
子宮内死亡となってしまい、
とても悲しい話です。
本人はずっと診察を希望してたので、
とてつもなく不安だった事でしょうし、
大変無念だったでしょうね。
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