皆様へのお願い
【オンライン処方】
*DHEAは再開しました。
*現在、メラトニンのみ欠品してます。
お申し込みいただけません。
ご質問など頂く際に、
「匿名」様
「匿名希望」様
以外で、
お名前をつけてくださると幸いです。
匿名・匿名希望が多く、
過去にご質問頂いた内容が、
わからなくなってしまいます。
お手数おかけ致しますが、
なんでも良いので、
お名前をつけてくださるよう、
ご協力して頂けると助かります。
産婦人科の医師1人の、
総合病院。
全前置胎盤と、
癒着胎盤の穿通胎盤で、
帝王切開。
胎盤を剥がしたら、
10分間で2000ml出血。
前回の記事
前回までのまとめ
⬜︎ 女性Bは、
昭和50年生まれ・平成9年結婚、
平成13年にI病院で、
帝王切開で第一子出産。
⬜︎ 平成16年5月6日、
A病院に初診、
Y医師が妊娠を診断。
出産まで全てA病院で予定。
* A病院:総合病院。
第2次救急に指定。
産婦人科はY医師のみ。
(医師歴8年)
⬜︎ 6月1日
胎盤が子宮の低い位置にある事
がわかった。
⬜︎ 10月22日
「全前置胎盤」の診断
*胎盤が子宮口を完全に塞ぐ状態
⬜︎ 11月22日 入院
切迫早産、前置胎盤のため
⬜︎ 12月3日 血混ざりの尿
癒着胎盤の「穿通胎盤」診断
⬜︎ 12月6日
・濃厚赤血球5単位を準備予定
・場合によって子宮全摘
・本人にも上記を説明
⬜︎ 12月7日
尿に潜血があるが、毛嚢炎と診断
⬜︎ 12月9日
E医師(麻酔科)とD医師(外科)に説明
・帝王切開創に
胎盤がかかっている
・出血が多くなる可能性
・子宮全摘の可能性
・もしもの時は、
他院のC医師を呼ぶ
⬜︎ 医局の先輩のJ医師、
K助産師、
I病院のC医師が、
A病院での帝王切開を心配する。
↓
Y医師は「大丈夫」と返答。
手術日の事実(12月17日)
⬜︎ 執刀:Y医師【産婦人科】
⬜︎ 助手:D医師【外科】
⬜︎ 麻酔:E医師【麻酔科】
⬜︎ 助産師:F助産師・L助産師
< 2:26 >
帝王切開 開始
血圧 80強-40
脈拍 120
⬜︎ 腹壁切開で子宮表面を見ると、
本人の足側に、
静脈が網目状に走行。
(静脈の太さは、
男性の手の甲の静脈くらい)
⬜︎ 胎盤付着部を避けて、
右寄りにU時切開。
< 2:37 >
女児3000g 娩出
ここまで
血圧 90~100/50~55
脈拍 100〜120
出血量 正常範囲内
意識明瞭・会話可能
⬜︎ 外科D医師が、
子宮切開部を筋肉ごと、
ぺアンで挟んで止血
< 2:40 >
血圧 100/50
脈拍 110
⬜︎ Y医師が、
子宮収縮剤を筋肉注射。
⬜︎ 胎盤剥離の為、
臍帯を引っ張るが、
子宮内壁と胎盤がいっぺんに、
持ち上がる。
⬜︎ 麻酔科E医師、パンピング開始。
< 2:45 >
血圧 80/40
脈拍 115
⬜︎ マッサージ、用手剥離、
最後にはクーパーで削ぐ・切開する。
< 2:50 >
血圧 80弱/40弱
脈拍 110
10分かけて胎盤が剥がれる
⬜︎ 2:40〜2:50 出血量2000ml
⬜︎ 胎盤は、
子宮後壁・前壁に付着していた。
66.出血量の増加
⬜︎ 胎盤を娩出後、
Y医師は、
出血を止めるため、
アトニン(子宮収縮剤)を使用した。
⬜︎ しかし、
子宮内の所々から、
にじみ出るような出血が続いた。
⬜︎ 胎盤を娩出した午後2時50分から、
5分間も出血は続いた。
⬜︎ 午後2時55分には、
総出血量は、
少なくとも2555ml。
67.総出血量が7ℓを超える
⬜︎ さらに、
午後3時5分〜午後3時10分ころ、
総出血量は、
少なくとも7675mlに達した。
68.血圧の変動
⬜︎ その間、
女性Bの血圧はさらに低下。
⬜︎ 胎盤娩出時(午後2時50分)は、
80弱/40弱。
⬜︎ 5分後の、
午後2時55分には、
50弱/30弱になった。
69.血圧を上げる薬
⬜︎ 麻酔科のE医師が、
ノルアドレナリン(昇圧剤)を使用。
⬜︎ 午後3時には、
血圧の改善がみられ、
70弱/約30になった。
70.すぐに再度低下
⬜︎ しかし、
さらに5分後、
午後3時5分には再度低下。
⬜︎ 血圧は、
40強/20弱となった。
71.圧迫止血など開始
⬜︎ 出血と血圧低下があったため、
Y医師は、
胎盤娩出後、
外科のD医師と共に止血をした。
⬜︎ Y医師が、
出血点付近を中心に、
子宮後壁側子宮頸部に、
ガーゼを詰めた。
⬜︎ 外科D医師と交互に、
子宮を手で覆うように圧迫したり、
出血点と思われる場所に、
Z型に糸をかけて絞ったり、
子宮動脈付近をペアンで挟んだり、
再び子宮収縮剤を子宮に注射する
などをした。
72.出血は結局止まらず
⬜︎ Y医師らが、
子宮を圧迫している間は、
多少止血の効果があったが、
少し手を離すと出血が続く状態で、
なお出血は止まらなかった。
⬜︎ 午後3時5分ころ、
Y医師は、
麻酔科のE医師と相談して、
MAP(濃厚赤血球)が到着し、
循環動態が落ち着くのを待って、
子宮摘出を行うこととした。
医学的解説:状況
事実経過を見ると、
おそらく、
クーパーで胎盤を子宮から削いで、
切開した時に、
子宮も切ったのではないか
と思います。
その為、
出血が大量になってしまったのだろう
と思います。
医学的解説:子宮を残そうとした事
こうなったら、
一刻も早く、
というか、
もっと早く子宮を全摘すべきです。
経過を見ても、
「元々、子宮ごと取るしか、
方法がなかった」
という事です。
子宮を残す事で、
一見すると、
本人・夫婦のためになるように、
見えるかもしれません。
しかし、
子宮を残しても、
死亡したり、
重篤な後遺症を残しては、
意味がありません。
膀胱と子宮が癒着するほどの、
ひどい癒着胎盤(穿通胎盤)だったので、
【死亡か・子宮をとって生きるか】
の選択だった
と言えます。
医学的解説:止血は子宮全摘
こうなれば、
圧迫やアトニン投与などは、
無駄です。
子宮の全摘出が、
最も早い止血であり、
助かる唯一の選択です。
その前に、
もちろん輸血は必要です。
子宮動脈をペアンで挟んでも、
癒着胎盤で、
血管が他にもできているので、
他の血管から出血は続き、
意味がないです。
全てが遅いです。
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医療法人社団 岩城産婦人科
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