アルチュール・ランボーに寄せて 5月、休みのたびに僕は公園へ行った。 コーヒーを買い、木陰のベンチに腰掛けて本を読んだ。 「季節(とき)が流れる、城塞(おしろ)が見える」 (中原中也訳『幸福』より) 当然、これも読んだ。 「ああ、なんと素敵な愛情を僕は夢見たことだった!」 (堀口大學訳『我が放浪(ファンテジー)』より)