『惜春鳥』という映画をジャスミンのブログで知った。
会津若松を舞台にした1959年公開の松竹映画で、眩いばかりのオールスターキャストである。
でも僕は全く知らなかった。
観てみたい映画だ。
ジャスミンの紹介によるとこの映画は木下惠介監督の「嗜好」がとても強く出た映画だそうで、全く知らなかったといえばそもそも木下監督のその有名な「嗜好」についても僕は初耳だった。
青海の食堂で食べたカツ丼
『惜春鳥』には若山彰が歌う主題歌があり、それがジャスミンの愛唱する歌でもあるらしい。
興味があったので動画を探して聴いてみた。
因みに歌は勿論、若山彰という歌手も全く知らなかった。
一聴した印象は「むずかしそうな曲だなあ」。
メロディが複雑なわけではないし、凝ったコードでもない。
でもなぜだろう、歌うとすればなんだか「むずかしそうな曲だなあ」。
もう一度聴いてみて理由が分かった。
♪流れる雲よ 朝空に朝空に
歌い出しから暫くは4分の4拍子(多分ね)のメロディが軽やかに障りなく耳に入ってくる。
それが8小節の短いAメロからBメロに入った11小節目である(多分、多分)。
♪知るや大空 晴れわたる
ここの拍子がなんだかスッと入ってこない。
全曲通して、この「知るや大空」だけが変拍子なのだ、多分。
そしてこの「知るや大空」の引っ掛かりだけが、吾をして「むずかしそうな曲」と思わしむるなり。
いとおかし。
なんだそれ。
全員集合!
なかなか伝わりづらい内容のところに、無関係な写真など挟み込むもんだから、読んでるほうはたまらない。
とにかくこの違和感の原因を分析するべく繰り返し繰り返し聞いたおかげで、いまや『惜春鳥』は僕の愛唱歌にもなっているのであった。
父に聴かせたところ、若山彰は懐かしがったが、彼もこの曲は知らなかった。
良い曲である。
若山彰もうまい歌手だ。
散歩をすれば、今日も「どこかで鳥が啼いている」。