『遠い唇』 北村薫 | 少~し酔ってます。

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縦歩きのカニの日常

年が明けてもブログの更新はまばらで、内容はだいたい本か映画。

 

前回のブログに書いた通り、短編の面白さを再認識した僕は、久しぶりに北村薫さんを読みたくなった。

『遠い唇』という短編集を借り、一日一編ずつ読んだ。

 

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うまいなあ、やっぱり。

名人芸だな。

涙を流すわけでもなく、腹を抱えるでもなく。

ちょっと切なくさせて、クスリとだけ笑わせる。

 

巻末の付記も、和田誠さんについての小文も良かった。

 

これが和田誠さんによる、この文庫本唯一の挿絵。

 

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いいねえ。

誰が寝転んでるかも、この「解釈」という短編がどんな内容だったかも一目でわかる。

 

ラストの「ビスケット」は吉川高等特別支援学校のカフェで読んだ。

ウェイトレスの生徒さんがコーヒーとケーキを運んできてくれた。

読みかけの本をテーブルに伏せたら、表紙と同じようなテーブルになった。

 

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「ビスケット」は「冬のオペラ」という作品の続編らしい。

姫宮あゆちゃんの18年前の物語も読みたくなった。