この告発は、「天唾物語」で逆に利権を追い込む形になる可能性がある。
1.理研の上席研究員研究室制度
理研の上席研究員と言えば、STAP論文への疑惑を初めてネット上に流したのも、遠藤高帆という理研の上席研究員である。
この上席研究員というのは何か。
(独)理研の下部組織として、2013年3月までは、理研の退職者がメンバーである「基幹研究所」という組織があったが、怪しい組織改編で「上席研究員研究室」という名称に変わっている。
http://www.asi.riken.jp/jp/laboratories/seniorlabs/
理研退職者が作る組織というと、傍目には美味しい延命組織と映るが、研究追究というのが建前だろう。
つまり、上席研究員とは、理研を退職後、退職後もなお理研の居残り組として理研にいるということである。
理研のHPには、
「上席研究員制度は、研究活動の発展に資するため、理化学研究所を退職した主任研究員・・・・・・・・・・・・・・・・・を5年を上限として採用する制度で、2009年3月に発足」
とある。
通常の会社組織なら、仲間意識から内部者同士の失態はかばい合うのが定石である。
が、今回のSTAP細胞に関しては、若山元研究員も含めて、互いに足の引っ張り合いを行っている。
理研の内部は腐っているのではないかという指摘は、案外鋭いかもしれない。
2.刑事告発は誰でもできるが。。。
刑事告発は、被害者ではない第三者が、犯罪事実を主張して、捜査機関に対して捜査開始を申告する刑事訴訟法上の制度である。
第三者ができるという点で、被害者が行う刑事告訴と区別される
(刑事訴訟法第239条-犯罪の告発)
第1項 何人でも、犯罪があると思料するときは、告発をすることができる。
第2項 官吏又は公吏は、その職務を行うことにより犯罪があると思料するときは、告発をしなければならない。
ここに「犯罪があると思料するときは」とあるが、犯罪があったと思われる合理的な根拠事実がなければならない。もしそれがなければ、嫌がらせで告訴・告発するなどの行為がみだりに行われ、社会の混乱を
招くことになる。
そこで、刑法では、人を陥れるために虚偽の告訴・告発をした者は、虚偽告訴罪という犯罪を規定し、懲役刑を設定している。
これは、告訴・告発が受理されてもされなくてもよく、告訴状・告発状を提出した時点で既遂となる。
(刑法第172条-虚偽告訴罪)
人に刑事又は懲戒の処分を受けさせる目的で、虚偽の告訴、告発その他の申告をした者は、3月以上10年以下の懲役に処する。
このことは、一般人から見て、その相手が犯罪事実に関わっていると思われる根拠的事実がないと、ウカツには告発すべきではないということを意味する。
一般社会の法秩序の保全という観点からは、当然のことだろう。
単に、噂や好かれていないというだけで、捜査の対象にされていては、おちおち生活などできたものではない。
3.結び
この刑事告発した石川上席研究員が、今頃、「窃盗罪」の告発状を提出した意図はどこにあるのか。
おそらくは、理研が独立行政法人として公的資金による補助金を得るために自己の正当性を主張する必要があると考えたのだろう。
理化学研究所は、財団法人から独立行政法人へと変貌し、天下りを受け入れる組織となった。
さらに、多額の補助金が受けられる「特定研究開発法人」指定を期待していた理研にとって、自ら招いたSTAP騒動によって大きく後退したともいわれる。
≪理研の検察的組立てストーリー≫
ES細胞を窃取→小保方博士に窃盗罪→理研の責任回避→特定研究開発法人の指定+国庫補助金の受給
ここで、小保方博士代理人としては、いわれなき告発に対抗するため+小保方博士の名誉回復のためという2つの目的をもって、「虚偽告訴罪」という逆告訴を採るいわゆる「後の先」という剣法でいう必勝の技を出す機会が与えられたといってもいいだろう。
同時に、小保方バッシングを続けた義侠心の欠片もないメディア関係者には、日本のメディアの腐敗が進んでいることをひしひしと感じる。
弱い個人を食い物にしようとする天下り法人とお抱えメディの結末に関して、今後の展開が興味深い。
『2015/1/27 07:04 「ES細胞盗んだ」? 元理研研究員が小保方氏を刑事告発 神戸新聞
理化学研究所の元研究員が26日、STAP細胞論文の主著者だった小保方晴子氏(31)に「共同研究者の若山照彦氏=現山梨大教授=の研究室からES細胞(胚性幹細胞)を盗んだ疑いがある」として、神戸水上署に窃盗容疑での告発状を提出した。兵庫県警は捜査の必要性を慎重に見極め、受理するかどうか検討する。
・・・・・・・・・・・
理研広報室は「要請があれば捜査に協力する。理研として、さらに何ができるのかも慎重に検討中」とし、小保方氏の代理人の三木秀夫弁護士は「告発の詳細を確認しておらず、コメントすることはない」としている。』
http://www.kobe-np.co.jp/news/iryou/201501/0007691430.shtml