東京地裁の出した結論の判決要旨は、登録されている記者クラブの記者だけに配られたらしい。
おまけに、地裁の法廷には、記者クラブのために用意された傍聴席がわんさとあって、一般人やフリージャーナリストが傍聴することは極めて困難だったらしい。
これらは、裁判所と御用マスコミとの癒着を示しているという指摘もある。
それは、さておき。
今回の判決要旨を読んでみた。
突っ込みどころ満載の判決要旨なので、1点だけ突っ込みを入れて、あとは総評にとどめたい。
まずは、その1点。
弁護側の公訴棄却の申し立てを排除した理由が、ふるっている。
1.検察審査会に出された検察官の報告書は、虚偽内容だったことは認める。
2.検察審査会の審議内容は秘密なのでわからない。
3.したがって、検察審査会の起訴は妥当。
4.よって、公訴棄却の申し立ては、理由がない。
裏を返せば、「検察審査会が起訴相当と判断するのなら、検察官が審査会にウソの報告をしても構わない。」ということである。
このことは、でっち上げの起訴も有効ということを意味し、裁判所もそれに助成することを意味する。
陸山会裁判が、「暗黒裁判」と批判されるのも、この点にあるらしい。
つぎに、総評。
どんな事件の判決も、まずは、結論ありき。
つぎに、それを正当化するための理論を組み立てる。
そのときに、一件落着といえるために、検察官と弁護人に配慮する主文と理由を書く。
このバランスが、うまくできたものを最良の判決文とする。
つまり、当該事件の裁判官の勤務評定となるらしい。
今回の場合、主文に無罪と書かせざるをえなかった。なので、その理由には、逆に検察役弁護士への配慮をふんだんに盛り込んだものとなっている。
検察役弁護士の主張は、あれも認めて、これも認めて、最後は無罪。
形式的には、裁判所が得意とする「たしかに・・・・しかし~」の公式文。
「たしかに、検察側の主張は、理由がある。しかし、故意の成立が薄い。よって、無罪。」
なので、有罪にいく流れかなあと思っていたら、無罪の結論?
日本の判決文は、ほとんどが、こういう構造になっているという。
これを称して、双方に配慮したバランスの良い判決文というらしい。
最高裁としては、うまく書けた判決文だと評価しただろうね。
今回の裁判は、一部で言われるような今後の裁判に影響が出るというようなものではないという指摘もある。
形式的には、いままでどおりの判決文。
そういわれれば、たしかにそうかもしれない。
『検察を守るために未来に大きな禍根を残した裁判所の判断 ニュース・コメンタリー (2012年04月28日) ビデオニュースドットコム 陸山会事件で小沢氏に無罪判決
資金管理団体「陸山会」の土地購入をめぐり、政治資金規正法違反に問われていた民主党の小沢一郎元代表に対し、東京地裁は26日、無罪を言い渡したが、その内容は検察を庇おうとするあまり矛盾に満ちたものとなった。
また、検察を庇いつつも、「違法捜査による有罪」となる事態を避けるため、事実上犯罪事実を認定しながら、被告がその違法性を認識していなかったという理由のみでこれを無罪とした判決は、判例としても今後の刑事裁判に大きな影響を与える可能性がある。
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なお、石川議員に供述を強要した上に虚偽の供述調書を書き、この日の無罪判決に決定的な影響を与えたと見られる東京地検特捜部の田代政弘元検事に対し、検察は起訴を見送る方針であることが18日までに報道されている。田代氏は虚偽有印公文書作成容疑で告発されていた。
今回の無罪判決の意味とその影響を、ジャーナリストの神保哲生と社会学者宮台真司が議論した。 』(videonews.com)
http://www.videonews.com/news-commentary/0001_3/002389.php