この記事を見たかぎりでは、バッシングの相手が違う気がする。
この元女子アナは、原稿内容に疑問を持ちつつも、原稿通り、「安全宣言」をニュースで読み上げたという。
原稿内容に疑問を持たないノー天気な女子アナだったら、非はないのか。
どの程度の疑問だったらセーフなのか。
通常、ニュース原稿を局の指示通り読むのは局アナの仕事。
だとしたら、何の非もない。
ましてや、局アナは、放射能汚染については素人。
不安があるのは当然だろう。
もし、明らかな汚染が分かっていたとすれば、非難されるべきは、この原稿を読むように指示したTV局のお偉いさんではないだろうか。
では、福島から金沢に戻ったことに非があるというのだろうか。
それとも、新聞記事に載ったことに非があるというのだろうか。
下の記事には、「ザンゲするわけでもなく平然と新聞に出てこられると、県民ならずとも違和感を覚える」とある。
この文章は、マスコミの傲慢さを象徴している気がする。
全県民の代表者のつもりなのだろうか。
ザンゲの言葉が欲しいのか。
「平然と新聞に出る」とは、どんな態度を見てそう言っているのか。
よく分からない。
この元女子アナが、地元紙に、当時の心境を述べたのは、正直な気持ちを伝えられなかった悔しさと後ろめたさ。
同じ子を持つ母親たちに、母親としての気持ちを伝えたかったからではなかったか。
そう読み取れる。
だとしたら、この記事を見る限り、記事の筆者は、そもそもバッシングの相手を間違えている気がする。
放射能汚染を広げた東電。
安全安全と繰り返した枝野元長官。
御用学者、原子力推進派の面々。
福島県知事。
原発設置を認容した市町村長。
などなど。
もし、この記事の筆者が彼らの仲間ではないなら、ペンの矛先は、彼らに向けるべきだろう。
福島県民だけでなく、関東中の人々が汚染に晒されたいわば、被害者。
原発を阻止できなかったいかなるマスコミも、放射能汚染の被害者をバッシングできないはず。
それをやると説教強盗と同じレベルになるんだろうね。
『県民を怒らせた「福島テレビ」の女子アナの“逃亡"- ゲンダイネット(2011年11月24日10時00分)
「福島テレビ」の女子アナウンサーが退職して故郷の金沢に戻った。6歳の子どもがいるうえに新たな妊娠が分かったからだが、この“避難”がネットで話題になっている。11月17日付の北陸中日新聞に実名で登場、福島県民が聞いたら「エーッ」という話を吐露したからだ。
例えば――。
〈(震災後)初めて金沢に戻った時、友人が食事に連れ出してくれた。豊富な食べ物、汚染を気にすることもない。「これが普通の生活だったんだ」。涙が出た〉
〈伝えるニュースに「これでいいのか」という疑問がふくらんでいく。福島駅近くでサクランボをほおばる幼稚園児の話題。洗わないまま『おいしい』と言って食べる“安全性”のアピール。「これって放送していいの?」と思わずにいられない〉
記事を読んだ福島県民の胸中は複雑だ。
「彼女は夕方のニュース番組を担当し、原発事故後も視聴者に『汚染は心配ない』というニュースを伝えてきました。彼女がいみじくも言うように『テレビが言ってんだから安全だべ』と考えた人も多かったはずです。笑顔で『安全、安心』の原稿を読みつつ、本心は疑問を感じていたのだとしたら、何なのか、と言いたい」
この元女子アナは、福島テレビに15年勤務し、今年7月に退職した原田幸子さん(37)。いろいろ苦悩したのだろうが、ザンゲするわけでもなく、平然と新聞に出てこられると、県民ならずとも違和感を覚える。
(日刊ゲンダイ2011年11月21日掲載) 』(infoseek news)
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