劇団☆新感線 ゲキ×シネ 『髑髏城の七人(2011)』 | 今日もこむらがえり - 本と映画とお楽しみの記録 -

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劇団☆新感線 ゲキ×シネ
『髑髏城の七人』アカドクロ版
(2011年公演、WOWOWでの放送を録画)
 
作: 中島かずき
演出: いのうえひでのり
 
〈出演〉
捨之介: 小栗旬
天魔王: 森山未來
無界屋蘭兵衛: 早早女太一
極楽太夫: 小池栄子
兵庫: 勝地涼
沙霧: 仲里依紗
贋鉄斎: 高田聖子
三五: 河野まさと
狸穴二郎衛門: 千葉哲也

 
 
WOWOWで4作一挙放送されていた劇団☆新感線の『髑髏城の七人』過去作品、最後の1作です。通称「ワカドクロ」版と呼ばれているそうです。これの前作の、市川染五郎(現:松元幸四郎)主演による「アオドクロ」から7年。ゲキXシネ用のカメラワークの技術も数段にアップし(恐らく動員カメラ数も増えているのでは)、人気スターによる客演も敬称略で小栗旬、森山未來、早乙女太一、小池栄子、仲里依紗、勝地涼、千葉哲也とその人数も一気に増えてメインキャストほぼ客演状態という、去年IHIステージアラウンドでの【花鳥風月】シリーズにほぼ近い状況に。過去作品を見比べていくと、劇団☆新感線が超メジャー化していった軌跡が本当によくわかりますねぇ。

 

 

 
去年〈Season花〉で初めて生オグシュンを観て、テレビやスクリーンでは感じたことのない圧倒的な存在感と色香と美しさに恐れ入った記憶がまだ新しいです。その7年前、同じく捨之介を演じる小栗旬さん。他のドクロ・シリーズではたいてい、沙霧が追手に追いつめられているところを通りすがりの捨て之介と、場合によって狸穴二郎衛門や兵庫一派が助けるというシーンでスタートですが、ワカドクロ版はそこが違っていました。オープニングが少し違うだけでもちょっと新鮮ですね。
 
 
お調子者の餓鬼大将キャラ、兵庫は勝地涼さん。中々似合っていました^^。極楽太夫ラブー♡な一途なおバカさと、男気あふれる熱さ。よい感じで熱演でした^^。
 
 
遊郭「無界屋」イチの遊女、極楽太夫は小池栄子さん。妖艶さとセクシーとコメディエンヌ的メリハリのバランスが抜群。やっぱり本当に上手い女優さん。旦那さんや所属事務所のトラブルが続いても彼女は消えず、仕事が途切れず引っ張りだこなのも納得です(*‘ω‘ *)。〈Season花〉でのりょうさんと同じく、後ろ向きで着物をはだけて肩と背中を露出するシーンがありますが、背中のなんと美しくセクシーなこと!女性でもドキドキしちゃいました( *´艸`)。
 
 
向井屋蘭兵衛には、早乙女太一さん。オグシュン&太一。見た目も動きも美しいコンビネーション♪【花鳥風月】を一緒にコンプリートした友人と、勝手に妄想ベストキャスティング遊びをして盛り上がった(笑)のですが、まさにその夢のキャスティングです!【花鳥風月】を観おわって夢見た理想のキャスティングは、実は過去に実現済みだったのかー!というより、2011年のワカドクロの成功要素を、【花鳥風月】で上手に散りばめてさらに拡張されたと解釈すべきでしょうか。
 
 
でたっ、もはや不動の定番、河野まさとさんの裏切りクセの強い三五~( *´艸`)。仲里依紗さんの沙霧も、よかったです。元気いっぱい若さはじける、な沙霧が多いですが、仲里依紗さんはそれにいい意味でのふてぶてしさもあって、地に足着いた落ち着きが良かったです。三五とのコンビも抜群^^。因みにオープニングで追われているパターンではなかった沙霧、どこで登場するのかというと捨之介たちが無界屋へ到着すると既に下働きとして馴染んでいます。
 
 
他のバージョンでは大きなパール状(数珠状)に磨きこまれたネックレスを身に着けている蘭兵衛ですが、今回はモロに脊椎そのまんま(にしては数が多い?)な形が連なった状態。青い月夜を背景に、怪しさ満点。早乙女太一さん、やはり妖艶さと殺陣が美しくて優雅。ゲキXシネカメラでアップになるその表情、目線くばりひとつからして絵になります。
 
 
ワカドクロは捨之介と天摩王が二人一役ではないパターン。よって天摩王は、森山未來さん。これまた怪しい存在感たっぷり。
 
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天摩王と蘭兵衛のツーショットもまた、大変絵になります( *´艸`)。雰囲気オーラが強く、気配すら美しい抜群の俳優揃いなので、いちいち画面映えするし、それぞれのキャラクターを活かした殺陣の演出も凝っていて見応えがあります。ライブで舞台を観たら、それもまた最高にゾクゾクしたんじゃないでしょうか。羨ましいです(´ー`)。
 
 
驚いたことに、今回、贋鉄斎が女性、しかも高田聖子さん!Σ(゚Д゚)
高田さんが全力でギャグをやる姿が、かなり新鮮!新しい魅力発見気分(´艸`*)。
 
 
遊女姿の極楽太夫も素敵でしたが、戦闘モードも超が付く格好良さ!小池栄子さん、手足長くて腰の位置が高くてプロポーションすごいなぁ・・・(*'ω'*)。アクションもキレがあって惚れ惚れ。
 
 
後半の見せ場のひとつ、斬るたびにその刀を研いで、研いだ刀でまた切って・・・のコンビネーション&殺陣。いつもは癌鉄斎と捨之介ですが、ここでは兵庫と捨之介。スピード感と躍動感があって他のバージョンと一味違った見応えアリ。
 
 
無宿のヤセ浪人、狸穴二郎衛門こと徳川家康は千葉哲也さん。これまた贅沢な。劇団出身で基礎がしっかりしている世代の俳優さんらしく、声の通りと座りがその辺のタレントあがりの役者さんとはやはり違いますね。殺陣も安定。もっとアクションシーン観たかったー。それにしても、殺陣上手な俳優揃いだし、各自のキャラクターやスキルにしっかり合った殺陣の演出がされていて、危なげなく、かつ見応えありました!
 
 
殺陣も演技も緩急バランスに優れていて展開のテンポもいいので途中で中だるみすることなく最後まで飽きることなくサクサク楽しめました。私の中ではベスト・オブ・ドクロかもしれません(*‘ω‘ *)。なので記念にこれは録画保存することにしました♪
 
劇団☆新感線の「髑髏城の七人」シリーズ、これにてオール鑑賞完了!大満喫して満腹、ちょっとした達成感^^。
 
 
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