髑髏城の七人 Season鳥 (IHIステージアラウンド東京) | 今日もこむらがえり - 本と映画とお楽しみの記録 -

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備忘録としての読書日記。主に小説がメインです。その他、見た映画や美術展に関するメモなど。


360度客席が回転する円形ステージ(客席が内側)、IHIステージアラウンド東京のこけら落とし公演だった「髑髏城の七人 Season花」を観に行って初・新感線が楽しかったのと、花鳥風月の4シーズン毎にキャスティングだけじゃなく演出も色々と変わると聞いたので、各シーズンをコンプリートしてみることにしました( *´艸`)。というわけで、《Season鳥》で豊洲再訪。前回と同様、というかむしろ更なる豪雨に心が折れてタクシー乗っちゃいました^^;。
 
劇場に行く前に、有楽町のザ・喫茶店にて昭和気分を満喫しながら、まずは腹ごしらえ(*‘ω‘ *)。2種類組み合わせを選べるサンドイッチを2通りオーダーして、友人とシェアで4種類の味を堪能♪ドリンクは白いクリームソーダ!( *´艸`) 美味しかった~。

基本的なあらすじは、《Season花》と同様なのでここでは割愛します。IHIステージアラウンド東京についての豆情報も載っているので興味があればコチラをご参照ください。


〈主要キャスト一覧〉 左上から時計回りに
贋鉄斎: 池田成志
無界屋蘭兵衛: 早乙女太一
捨之介: 阿部サダヲ
天摩王: 森山未來
極楽太夫: 松雪泰子
沙霧: 清水葉月
渡京: 粟根まこと
狸穴二郎衛門: 梶原善
兵庫: 福田転球
少吉: 少路勇介

キャスティングだけじゃなくて、衣装と舞台美術のデザイン(幕代わりのスクリーンに投影する映像に至るまで)まで違っているのにビックリ!全然違うお芝居みたいです。花鳥風月それぞれ違うって、新感線好きはコンプリート当たり前って、こゆことかあΣ(゚Д゚)。そして、比較的シリアスな正統派演出だった《花》に比べて、《鳥》はコメディ色強し!しかも歌って、踊ってました。松雪泰子さんまで、大物演歌歌手みたいな仕込みマイクを手に歌っていてビックリ。途中でちょいちょい、「必殺仕事人」風の演出や効果音まで(笑)。

主要登場人物は同じでも、演者に合わせてキャラ変もだいぶあり。もしくはキャラ設定に合わせてキャスティングを変えてるというべきか。自信過剰ナルシストの天摩王、蘭兵衛&極楽太夫のワケアリ妖艶美男美女コンビ、バンカラな一途者兵庫、明るく活発な沙霧というあたりは恐らく基本的な絶対路線キャラではないかと思われるのですが、その他はキャラや設定に様々なアレンジがあって面白かったです。

《花》で小栗旬さんが演じた捨之介を阿部サダヲさんって意外な気がしましたが、オグシュン版捨之介が織田信長家臣の武士だったのを、阿部サダヲ版捨之介では織田信長配下の忍者という設定にし、かつ、明智光秀の謀反の動きを察知したものの、捨之介の情報が間に合わなかったために本能寺の変が防げなかったという負い目エピソードを背負わせることでオグシュン捨之介と全く異なる魅力の捨之介になっていました(*^-^*)。さらに、そこに天摩王の「陰」の部分も拡張し絡めることで、コメディ演出ながらも《花》とは違った物語の膨らみと悲劇的な盛り上がりがありました。脚本と演出で随分違う作品になるんですねぇ。

池田成志さんの贋鉄斎と阿部サダヲさんの捨之介の、アドリブ溢れまくる小芝居合戦もすごく楽しかったです( *´艸`)。その他、兵庫がおやっさんキャラになったのに合わせて、故郷から追いかけてくるのも年老いた父親ではなく、純朴田舎真面目青年の息子(少吉)という入れ子設定になっていたり、裏切りキャラが《花》では三五というキャラだったのが、《鳥》では役名も渡京に変わって、ソロバン大好きなメガネキャラに、等々。

早乙女太一さん、最近の記憶ではWOWOWオリジナル時代劇の「ふたがしら」がすごく面白かったと同時に、早乙女太一さんの存在感とゾクっとする妖気を含んだ色気が印象的でしたが、友人が聞き集めた情報によると「とにかく殺陣が美しい!」そして「瞬きすら最低限の回数しかしない」超人技とのことで、生で観られるのが楽しみでした。いざ殺陣が始まると、オペラグラスは持っていても全体的な動きを俯瞰で観たかったので流石に瞬きの回数はわかりませんでしたが、確かに、明らかに別物の美しい動きに見惚れてしまいました。松雪泰子さんも、本当に生きた人間?!と疑わしくなるほどの美女パワーでただただ圧倒。松雪泰子さんと早乙女太一さんのツーショットのシーンなんて、ただならぬ色気にトリハダ経ちました( ゚Д゚)。

そんな早乙女太一さんに劣らぬ存在感と殺陣の鮮やかさは山本未来さん。超コスプレなのにあふれ出る威厳がすごい(笑)。2人とも殺陣だけじゃなく、姿勢が、立ち姿が、ピーンっと美しい。そしてそんな森山未來さん(天摩王)のコスプレ姿で殺陣をやる阿部サダヲさんも違和感なし。身体能力高いな~。バネのよう。体格的には他の男性陣より小さくて不利なのに、舞台映えします。芸達者だし、役のキャラも合わさって、というか捨之介そのものの演じっぷりで、観ているうちにすっかり阿部サダヲ=捨之介が大好きになってしまいました^^。

キャスティング的には一番ツボ揃いのような気がする次の《風》も楽しみです。
 
どんな劇場でも、幕間の女性用トイレは大行列。トイレだけで休憩時間が終わっちゃうんですよねぇ・・・。