レ・ヴァン・フランセ ~協奏交響曲の夕べ~(2018.4.24 東京オペラシティ) | 今日もこむらがえり - 本と映画とお楽しみの記録 -

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レ・ヴァン・フランセ ~協奏交響曲の夕べ~

 

日時: 2018年4月24日 19時開演

場所: 東京オペラシティ コンサートホール

 

〈プログラム〉

イグナツ・プレイエル(1757-1831): フルート、オーボエ、ホルン、バソンの為の協奏交響曲 第5番 ヘ長調 B. 115

第1楽章 アレグロ・コン・ブリオ / 第2楽章 テンポ・ディ・メヌエット、グラツィオーソ / 第3楽章 プレスト

 

フランツ・ダンツィ(1763-1826): フルートとクラリネットの為の協奏交響曲 変ロ長調 Op. 41

第1楽章 アレグロ・モデラート / 第2楽章 ラルゲット / 第3楽章 ポロネーズ、アレグレット

 

フランソワ・ドヴィエンヌ(1759-1803): フルート、オーボエ、ホルン、バソンの為の協奏交響曲 第2番 ヘ長調

第1楽章 アレグロ / 第2楽章 アダージョ / 第3楽章 メヌエットと変奏

 

ヴォルフガング・アマデウス・モーツァルト(1756-1791): オーボエ、クラリネット、ホルン、バソンの為の協奏交響曲 変ホ長調 K.297b

第1楽章 アレグロ / 第2楽章 アダージョ / 第3楽章 アンダンティーノと変奏

 

(アンコール曲)

ジャック・イベール(1890-1962):  木管五重奏のための3つの小品より第1曲(アレグロ)

 

〈演奏〉
レ・ヴァン・フランセ:
  エマニュエル・パユ(フルート) Emmanuel Pahud
  フランソワ・ルルー(オーボエ) Francois Leleux
  ポール・メイエ(クラリネット) Paul Meyer
  ラドヴァン・ヴラトコヴィチ(ホルン) Radovan Vlatkovic
  ジルベール・オダン(バソン) Gilbert Audin
東京フィルハーモニー交響楽団

 

 

夢のような夜を過ごした先週金曜日、文京シビックホールでのレ・ヴァン・フランセのコンサート。買ったCDを早速聴いたらこれがまた素晴らしい!iTunesにダウンロードして出勤中もiPhoneでヘビロテ♡ ふとツアーの続きのスケジュールを見てみたら、4/24のプログラムが、まさに私が偶然買ったCDの内容通りではないですかΣ(゚Д゚)。MP3化してイヤホンで聴いているのでもこんなに素晴らしいのに、これを生演奏で聴けるのか・・・ハイ、チケット衝動買いしました(笑)。金曜日のピアノを加えた最大六重奏のコンサートとはまたガラっと雰囲気が変わって、オーケストラ(東フィル)との共演で、モーツァルトの時代の協奏交響曲オンリーのコンサート!

 

CDを最初に聴いた時、どの曲もそれぞれ違った趣があるものの、どこかモーツァルト風を感じさせる優美さや華やかさがあるなぁと思ったのですが、それはそのはず。4人ともモーツァルトと同世代で実際にもモーツァルトと密接な関係を持っていたので、音楽精神や表現方法や様式美を共有していたとのこと。そして、「複数のソリスト+オーケストラの交響曲」というスタイルは彼らが活躍した18世紀後半のパリで発祥したんだそうです。

 

木管楽器は当時まだ新しい楽器だったとか!その新しい楽器に作曲家が注目するのは当然の成り行き。こぞって木管楽器の可能性を追求し、その特性を活かした音楽を作ることに熱中したんだろうなと納得です(*‘ω‘ *)。そして、その18世紀後半の25年間に書かれた「古典様式と表現の縮図」である協奏交響曲の中でも特に素晴らしい、最高の作品ばかりを集めたプログラム。パンダフル!

 

まずは1曲目、オーケストラメンバーに続いてクラリネットのメイエさん以外の4人が登場。プレイエルのこの曲は、CDの中でも特に気に入った作品です。それがトップバッターだなんて嬉しい( *´艸`)。やっぱり生演奏の迫力は格別!圧倒されます。それに流石コンサート専用ホール。音響設備も素晴らしいですね。よくわかんない私でも感動するほどに(苦笑)。オーケストラとの共同作業で美しいハーモニーを紡ぎつつ、4つの楽器がそれぞれの”らしさ”をアピールする美しいソロパートの連携。主役級の歌手が複数名登場して交互に見せ場のアリアを歌い合う「こうもり」のような贅沢さと楽しさです( *´艸`)。

 

2曲めは、クラリネットとフルート、メイエさんとパユさん2人のハイパー・オーラ奏者のデュエット(+東フィル)!目がハート(笑)。この第1楽章が特に好きです。まるでオペラの1幕目の為に作られたような、動きや流れがあるというか。上手く説明できないなーと思っていたらプログラムの解説にピッタリな表現があったので借用します。曰く、「オペラの舞台にも通じるロマンチックな感性や感情表現が秘められ」ている、そうそうそれ!やっぱりオペラを感じさせるのは正解なんだと嬉しくもなりました。知る人ぞ知る、モーツァルトのオペラの一場面の音楽なんですよ、と言われたら納得してしまいそうです。

 

休憩を挟んで3曲目はドヴィエンヌ。おひげが素敵なホルンのヴラトコヴィチさんがここから加わります。CD収録の曲順と、コンサートの曲順、どっちも上手く考え抜かれています。プロなんだから当然ですよね^^;。作曲家自身が一流の演奏者であるのはよくあることですが、ドヴィエンヌはパリ・オペラ座のバソン奏者であり、さらにフルートも習得してパリ音楽院の初代フルート科教授にもなったとか。才能の連鎖はとことんどこまでも。「フランスのモーツァルト」と称されたドヴィエンヌ。この曲も、華やかなりしパリの時代、を感じさせる華やかで美麗でロマンチック。ホルンの響きがまた美しい愁いとトキメキを加えてくれます。ヴラトコヴィチさんて、声を荒げたりとか他人を罵倒するとか絶対ないんだろうな~と勝手に想像してしまいます(´艸`*)。

 

あっという間にとうとうラスト、満を持してのモーツァルト!もう、モーツァルト、モーツァルト、モーツァルト!頭の中は感嘆符だらけです。(パユさんのパートがないのはちょっぴり残念ながら)1778年にパリ滞在中だったモーツァルトが作曲したものですが何故か披露されることはなくお蔵入りになりその後譜面が行方不明になっていた幻の曲。後に発掘されたわけですが、本来はクラリネットではなくフルートとオーボエ、ホルン、バソンのための協奏交響曲だったはずなので研究者の間ではモーツァルトの原譜を元にして、別人が編み直したものではないかという意見もあるようですが、たとえそうであってもモーツァルトのオリジナルのスピリットが色濃く残っていることは誰も否定しないようです。それほどまで、やっぱり間違い様がなくモーツァルト!が溢れています。やっぱり彼は天才。

 

そして、期待のアンコール曲はなんと!金曜日のプログラムにも含まれたいた、イベールの〈木管五重奏のための3つの小品〉のうち第1曲!優雅で壮麗で古典ロマン溢れる協奏交響曲にどっぷり浸った後に、軽やかで楽しいこの曲をアンコールに持ってくるのも粋ですが、個人的な感動ももうひとつ。そう、そもそも、サイン会のためにCDを買う際すごい混雑でじっくり選べず、当日のプログラムの中で特に楽しかったイベールのこの曲が収録されたCDを買おうと思って間違って協奏交響曲を収録した新譜を買ったという経緯があったのです。

 

当初思ったのと違うCDを間違って買ったお陰で、協奏交響曲の美しい世界にどっぷりハマれてヘビロテCDになり、だからこそこの日のコンサートも急遽チケットを購入するきっかけとなって、CDで聴いて耳が覚えたばかりの楽曲を生演奏で堪能するという贅沢な時間を過ごせて、何よりこんな短期間にもういちどレ・ヴァン・フランセの演奏を聴けて、最後の最後には、前回もう一度聞きたくてCDを買おうと思ったイベールの〈3つの小品〉を、アンコールでもう一度聴かせてくれるという、もう全てがトントン拍子で偶然の連鎖で縁が繋がって完璧な大団円ではないですか?!勝手に感動して打ち震えてしまいました(笑)。

 

この日もサイン会は開催。他にも欲しいCDはあったのですが(それこそ、イベールの曲が収録されてるやつとか)、できるだけ早く帰らなければならない事情があったのと、前回とっておきにスペシャルな「パユ」サインを手に入れている(´ー`)のだから、これ以上一度に欲張るのは何かよくないような、あのサインCDを大切にすべきなような気がして、演奏直後でお疲れなのメンバーの腱鞘炎リスクを1人分でも余分に負担増やすのも心苦しく、この日は大人しく早々に退場しました。またいつか、を楽しみに( *´艸`)。

 

この日もほぼ満席状態だったのに2階バルコニー席の両側に空席のブロックがあったので何だろう?と思ったら撮影カメラが入ってました。これはもしや?!と期待がムクムク。そしたらやっぱり!6/29(金)にBSプレミアでオンエアされるようです♪わーい。録画保存必須です!

 

 

よろしければ、チェックしてみてください( *´艸`)。

私が一瞬でゾッコンになってしまった、先週金曜日のコンサートの記事はコチラ↓です。

https://ameblo.jp/pmds90l80/entry-12370521136.html

 

イベント記事が続いたので映画と読書の記事が溜まっています^^;・・・次から順次アップ予定です。

 

最後に、この日の演奏会に向けたポール・メイエさんのメッセージ動画と、コンサート詳細のサイトをリンクしておきます。プログラム解説もダウンロード可能ですのでご興味があれば^^。

 

 

コンサート詳細はコチラ↓

https://www.japanarts.co.jp/concert/concert_detail.php?id=635

 

 

 

 

 

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