キャプテン・アメリカ/ザ・ファースト・アベンジャー | 今日もこむらがえり - 本と映画とお楽しみの記録 -

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備忘録としての読書日記。主に小説がメインです。その他、見た映画や美術展に関するメモなど。

2011年 アメリカ
ジョー・ジョンストン 監督
原題: Captain America: The First Avenger


疲れてなんだかモヤモヤする時は深く考えずに没頭できるマーベル作品のシリーズ消化がよろしいかと。去年先にシリーズ2作目の「ウィンター・ソルジャー」を観たので順番逆ですが文字通りシリーズ1作目、キャプテン・アメリカの始まりの物語。やっとキャプテン・アメリカの成り立ちがわかったー^^;。ドラマ「エージェント・オブ・シールド」の対立組織、ヒドラとS.H.E.I.L.Dの誕生譚でもあります。

舞台は第二次大戦中の1941年から。ノルウェーの集落でひっそりと守られ続けてきたオーディンの力を宿すと言われる伝説のコズミック・キューブを、ナチスの化学兵器部隊の将校シュミット(ヒューゴ・ウィーヴィング)が略奪するところから始まります。


神々の力を最強の武器として利用しようと企むシュミット。コズミック・キューブの力を浴びたシュミットの肉体は超人的なパワーを得ます。そしてドイツのためではなく、自らが世界を征服するためにパワーを利用しようという野心を抱き、逸脱行動をとり始めます。


しかし、いかんせん生身の人間が無謀に神の力を浴びるとこうなります、の哀しい実例。シュミット将校は、もはやおぞましいモンスター、レッドスカルにΣ(゚Д゚)。でもこの姿を誇りに思う!と強がり言って、せっせと自らが統率するヒドラの兵器工場を世界中に作っていきます。

一方のアメリカ。正義感と愛国心に燃える若き青年スティーブ・ロジャース(クリス・エヴァンス)は強く入隊を希望するものの、ちっこくてやせっぽっち、しかも肺結核の病歴アリで身体検査であっさり入隊却下されてしまいます。ところがひょんなことで、スティーブの見た目を裏切る不屈の精神と意志の強さが戦略科学予備軍(SSR)のエイブラハム・アースキン博士(スタンリー・トゥッチ)の目に留まり、「スーパーソルジャー計画」被験者候補としてスカウトされす。


やっと憧れの軍人になれたスティーブ。おいおいまさかこんなもやしっ子が?マジかよ?なほど頼りなげな様子ですが、この後部隊を率いるチェスター・フィリップス大佐(トミー・リー・ジョーンズ)とイギリスのエージェントのペギー・カーター(ヘイリー・アトウェル)の監督下、アースキン博士による超人化の実験を受けると、いかにも頼りがいのありそうな長身マッチョに変身・・・いや変体?を遂げます。


どうみても別人だよね?!よく似たモヤシ君を見つけてきたんだよねー?!なほどの変わりようですが、血清&ガンマ線の使用前・使用後どちらのスティーブもクリス・エヴァンスが演じているのを特殊効果で撮影してるんだそうです。すげーな、ハリウッドΣ(・ω・ノ)ノ!
それにしても、無防備に直接パワーを浴びちゃったのと、一応研究を重ねて血清を調合した結果との違いは大きいかもしれないけれど、パワーの源は同じはずなのにこの仕上りの違いは大きすぎる。シュミットひねくれちゃって当然(苦笑)。

実験成功に喜ぶ一同ですが、シュミットが送り込んだスパイによってアースキン博士が殺害されてしまい、スーパーソルジャー計画は凍結、スーパーソルジャー部隊の一員として活躍するはずだったスティーブですがたった一人で部隊は作れず、輝ける被験者1号から一気に無用の長物的存在に。せっかく軍隊に入って、前線で戦うべく超人化実験も受けたのに、チアガールたちをバックにコスプレで子供向けに興行して戦時国債を売り込む「キャプテン・アメリカ」という、上流議員ブラント(マイケル・ブランドン)のお抱えマスコットとしてプロパガンダツアーに明け暮れる日々に。

てっきり前線部隊で戦うんだと思ったアテが外れて戸惑うファースト・ステージではいかにもぎこちなく、アンチョコ棒読みのスティーブですが場数をこなしていくうちにどんどん上達して、すっかりデパート屋上の戦隊ヒーローアクターさながらになっていくのがちょっと可笑しかったです^^。基本、真面目で一生懸命な性格なんだな(笑)。


そんな日々に倦んで落ち込むスティーブに喝を入れるのは、強く美しいエージェント・カーター。彼女のお陰で発奮し、かつ親友バッキー・バーンズ(セバスチャン・スタン)と仲間たちを救うため、本物の戦いに単身挑んだスティーブは、自らの実力でとうとう本物のヒーロー、男の中の男キャプテン・アメリカになることができます。


キャプテン・アメリカ率いるチームの強者たち。右から二番目のバッキーはかつてのスティーブとは正反対の運動神経抜群でハンサム、女の子にモテモテの軍人でしたが、スティーブがモヤシ青年だったころから彼の良さを誰よりも理解して心から応援していたのはバッキーでした。かなり面白いドラマ「ワンス・アポン・ア・タイム」ではマッド・ハットを演じた彼。勿論基本ハンサムさんなんですが、バッキーのキャラクターが本当に格好いいのです(*‘ω‘ *)。


なんだかんだでコスプレはクセになったスティーブ(笑)。安普請のダサめなステージ衣装からグレードアップしたオートクチュール・コスチューム完成☆


キャプテン・アメリカのコスチュームと盾一式を作ったのは、もちろんハワード・スターク(ドミニク・クーパー)。キャプテン・アメリカのスピン・オフ・ドラマ、「エージェント・カーター」で彼を観ていたので、何となく再会の喜びを感じたのですが、そもそもは映画が先にあってのスピン・オフ・ドラマでしたね^^;。そして、ずいぶん今更なんですが、このハワードって、要するに「アイアンマン」「アベンジャーズ」でお馴染のトニー・スターク(ロバート・ダウニー・Jr)のパパってことだよね、とやっとつながったのでした。

ドラマ「エージェント・カーター」で、カーター女史の格好良さに惚れ惚れしていたので、この映画でも健在でとっても嬉しい(繰り返しますが、本来の順番は逆ですけども)。「エージェント・カーター」の始まりは、この「ファースト・アベンジャー」のラストからの繋がりなので、もう、ラストシーンは切なくて目頭が熱くなります。「キャプテン・アメリカの恋人」として後日談でもちょいちょいカーターの名前が出てくるので、もっとアツアツの恋人期間があったのかと思っていたけれども、二人とも奥手の軍人で、いじらしいほど切なくてもどかしいまま・・・これはもう、お互い永遠の恋人化してしまいます(>_<)。

2作目以降は、キャプテン・アメリカ・シリーズというよりも”アベンジャーズの中のキャプテン・アメリカ”という感じになってしまうので、キャプテン・アメリカだけで世界感が成り立っている唯一の作品なのかも。それに加えて、古き良き青春とロマンス-熱い友情、まっすぐな正義感、勇気、奥手過ぎて中々進展しない恋-がギュッと詰まったアンティーク・ジュエリーのような輝きを持っているように思います。楽しかった!そしてもう一度「エージェント・カーター」を見直したくなりました。「エージェント・オブ・シールド」ほどハネずにシーズン2で打切りになったのが残念。