燕子花図と夏秋渓流図 (根津美術館) | 今日もこむらがえり - 本と映画とお楽しみの記録 -

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備忘録としての読書日記。主に小説がメインです。その他、見た映画や美術展に関するメモなど。


燕子花図と夏秋渓流図
会期: 2017.4.12(水)~2017.5.14(日)
会場: 根津美術館
開場時間: 10:00~17:00 (5/9-5/14は19時まで)
休館日: 月曜 ※5/1は開館
公式サイト: http://www.nezu-muse.or.jp/jp/exhibition/index.html

 


去年のサントリー美術館での「鈴木其一展」ですっかり鈴木其一が大好きになりました。会期中にもう一度行こうと思っていたのですが果たせず、根津美術館でまた会えると知って会期が始まるのを楽しみにしていました♪が・・・いざ会期が始まると地獄の忙しさで中々タイミングを見つけられず。深夜残業続きで泥のように疲れていましたが、どうしても用事があって青山まで出かけたついでにひと踏ん張り頑張って立ち寄りました。庭園美術館と並び、お庭好きの母と一緒に子供の頃しょっちゅう訪れていた根津美術館、ずいぶん久しぶりで懐かしさもこみあげてきます。

今回初めて知ったのですが、根津美術館が所蔵する尾形光琳の《国宝 燕子花図屏風》と鈴木其一の《夏秋渓流図屏風》は毎年必ず、GWを挟んだ会期で公開されるそうです。琳派目当てか、ちょうどよい季節柄だからか、その両方か、思いがけず来館者が多かったです。子供の頃は平日の人が少ない時間にばかり行っていた(←ん、学校?)から庭園美術館も根津美術館も”空いてる”印象があっただけなのかもしれませんけれど。今回、お着物お召しの方と、外国人の方が圧倒的に多かったのが印象的でした。



尾形光琳《国宝 燕子花図屏風》の右隻。シンプルな図案化されたような燕子花の群生が美しく圧巻。近くで見ると、花びらは数種類の群青色でグラデーションが付けられていて、ぷっくりと描かれています。



鈴木其一《夏秋渓流図屏風》の左隻、秋の風景です。左右の隻でフレーム(すみません、学が無さすぎて正式名称がわかりません( ;∀;))の色が黒と赤で違っているのもコントラストが映えて素敵でした。

どちらの作品も、当時めちゃくちゃ高価で貴重だった群青色の絵の具をふんだんに使っていて、そういう意味でもとんでもなく豪華な作品だったんだろうなぁ。ものすごいお金持ちのパトロンからの発注だったのかなぁ。いろんな「いいなぁ」が私の脳裏を渦巻きました(笑)。
他にも、尾形光琳を中心とした琳派の作品が沢山展示されていて見応えありました。どれもこれもとにかくステッキー。



尾形光琳の中ではこの《夏草図》もお気に入り。春の終わりから秋の始まりまでの40種類近くもの草花がぎっしり書き込まれています。名前を知っている花がいくつあるかなーと数えながら観るのも楽しい^^。



琳派の絵師が絵付けした器も数点展示があってどれも素晴らしかったです。写真は根津美術館所蔵の《銹絵梅図角皿》は尾形光琳と、陶芸家の弟、乾山との合作。芸術兄弟。

1階にある3つの展示室(うち1・2が今回の特別展)の他にも、地下と2階にも展示室があるのですが、とにかく疲労困憊で体力ボロボロ状態、そして入館した時点で閉館まで2時間。自分の体力と気力と時間と相談した結果、勿体ないけれども他の階の展示は今回は諦めました。琳派の展示をゆっくり2周観るのに1時間強、残りの1時間弱はのんびり庭園散策とミュージアムショップに充てることにしました。ちょうど、燕子花も藤棚も満開の時期でした♪というわけで、ここから先はお庭散策日記になります(笑)。

 
小さいけれども、美しい藤棚でした。そういえば、死んだ祖母が藤の花が大好きで、旅行先や外出先で藤棚を見つけると喜んでいつまでもいつまでも嬉しそうに眺めていたっけ・・・と、藤の花を見るといつも祖母のことを思い出します。

 
燕子花の池。国宝の屏風に描かれた燕子花と競い合うかのよう。立ち入り禁止ですが、池を渡る飛び石の上から眺めてみたい(*‘∀‘)。

 
庭園の奥の方にも燕子花が。新緑の緑と燕子花の紫と、火炎のようなつつじの赤が美しいコントラストでした。自然って美しい。
 
なんと、こんな風流な小舟まで。自分ちの池で舟遊びだなんて、なんて贅沢なんでしょう。羨ましい~。

 
小道には様々な意匠を凝らした灯篭や石の彫刻が沢山。ゾウさん可愛かったので思わずパチリ。

 
眩しいくらい美しい新緑に、狐の嫁入りのお天気雨がパラパラと降り注ぐ涼し気な自然の演出まであって、贅沢気分でした。そういえば、琳派の展示の中に狐の嫁入りを描いた掛け軸もあったなぁ・・・。

心身はズタボロで、この後の週末はほぼ寝たきり状態でしたが^^;、心の栄養補給が出来て幸せな時間でした☆
また来年もこの時期に光琳と其一に会いにこなくちゃ。