タイトルは迷った結果こうなったけど、私のような登山初心者のピヨピヨヘタレチキンがたった2回スイスの山に行っただけで偉そうに「スイスの山は…」などと語れる/語る資格があるとは思っていない。
ただ、去年の7月と8月スイスに行く前に、自分が「私のような若葉マークのヘタレに一人でスイスの雪山が登れるのだろうか」とめちゃめちゃ不安で色々調べたりしたので、もし今後一人で登りたい人がいればちょっとでも日本語の情報として参考になれば、と思って個人的な感想をおいておく。
改めて書いておくと、去年の7月と8月、自分が登った山は以下の通り。
①メンヒ(7月)
②ブライトホルン通常ルート(8月)
③アラリンホルン(8月)
④デュフールシュピッツェ(8月)
これも改めて書いておくと、登頂できたのは②と③のみ。
①のメンヒは頂上手前のリッジで足が竦んで引き返し下山時プチ滑落してたぶん右手の小指の腱を切っている。
④のデュフールシュピッツェは体力不足技量不足でそもそも足もとにもたどり着けていない。
という結果に終わっている。
出発前に自分が一番不安だったのは「一人でスイスの雪山を登れるのだろうか?」という事だった。
日本では一人で雪山行ったりしているけど、地形とか雪質とかうまく言えないけど登り方の常識とか、そういうものが日本に比べてスイスでは難しかったりしないだろうか、という不安。
4つ登って(登ろうとして)みて思った感想としては、
「山による」
というもの。身もふたもないけど。
例えば、ブライトホルン通常ルートであれば、天気が良くて視界が良好でトレースがばっちりついている、という前提であれば、一人でも問題ないのではないか、と思う(あくまで個人の感想)。
技術的に難しい所も危ない所も全くなく、人が多いからトレースもがっちりついているし、単に歩いていれば頂上に着く。
メンヒも、岩登り技術と雪山の歩行技術があり懸垂下降ができれば一人で登ることは可能だと思う。
ただ、高所恐怖症の人であれば私のように頂上手前のリッジでは足が竦むだろうし、岩登り技術がきちんとない人は私のように下山時に滑落して指の腱が逝かれる可能性は十二分にある。
デュフールシュピッツェに関しては、一人は結構リスクが高い、と思った。
日本の雪山になくてスイスの雪山にある固有のリスクとして、氷河歩きがあると思う。
今回初めて氷河というものをまともに歩いて思ったのは、
氷河を一人で歩くのは結構リスキーである
ということ。
(一応シャモニーの雪山教室の時に氷河はちょっとだけ歩いたけどちょっとだけ過ぎて記憶から飛んでいた)
私の事前の想像力が欠如していたんだけど、氷河というものの表面は、本当に「氷」であって、私が思っていたのより数倍固くアイゼンが刺さりにくい。雪面にアイゼンを蹴りこむのとは違う。
そしてこれも私の想像力が欠如していたんだけど、当たり前に常にまっ平なんてことはなく、斜めっている(そして斜めの先はクレバス)所もたくさんある。
ブライトホルンの記録を書いた時、「万一隠れクレバスに落ちても這い上がれるようにアイゼンを装着~云々」と書いてたけど、実際ローテンボーデンからモンテローザ小屋への道で氷河を歩いて思ったのは、
クレバスに滑り落ちたらたぶん途中でアイゼン蹴り入れてorピッケル刺して止まるとか無理なのでは?
ということ。
それくらい表面が固い。
しかもローテンボーデンからモンテローザ小屋までは朝だし目印のポールもあるしでまだましだけど、モンテローザ小屋からデュフールシュピッツェに向かう時は真っ暗な中で標識もない氷河を通過する必要がある。
もしここでクレバスに落ちたら終わる気がする。
実際に私が行った翌週、同じ場所か近い場所でポーランド人のソロハイカーがクレバスに転落して亡くなっている。
これは事故のニュース
記事には「モンテローザ氷河」とある。
モンテローザ氷河は広いので私がたどり着けなかったもっと上の方なのかもしれないけど、とりあえずこの氷河のどこかのクレバスに落ちたらしい。
午後に通りがかったパーティが助けを求める声を聴いて救助を呼んだとのことなので即死ではなかったけど、運ばれた後怪我が元で病院で亡くなったとのこと。
このケースでは声は届いたけど、もし届かなかったらたぶんずっとクレバスの中に落ちたままなんだろうなと思う。
一人で登るとそういう、落ちても誰にも気づかれないリスクがある。
勿論2人パーティで2人ともクレバスに落ちることあると思うけど(実際にそういう救助映像も見た)、ロープで確保して適切な距離を保って歩いていれば、クレバスに落ちるリスクは一人よりも格段に低くなると思う。
このデュフールへの旅の途中で出会ったドイツ人や最後の夜に泊まったツェルマットのホテルの人も私が一人だと聞くと口を揃えて
「一人は氷河歩きが怖い。クレヴァスが怖い」
と言っていた。
それはほんとにその通りだと、今回身をもって体験した。
ゴルナグラート氷河やモンテローザ氷河みたいにクレバスが見えているところもあるけど、氷河が終わったと思っても歩いている下にはたぶん見えない穴が至る所にあるんだろうな、というのは感じた。
トレースの脇にいきなりこんな穴が開いていたりする。写真ではうまく伝わらないけどたぶん私の身長(168㎝)より深い穴。
で、こういう氷河がない山であれば一人で行けるんじゃないかな、とも思うけど、それも今回結構怖いな、というのはアラリンホルンで思った。
(スイス山岳クラブの地図で見る限り、アラリンホルン周辺に氷河はあるけど一般登山ルートは氷河から外れているように見える)
こういう段差はこの日はしっかりしているように見えたけど、もしこの橋が崩れたら勿論下に落ちる。
2人以上で確保した状態であればいいけど一人ならフリーフォール。
あと、登山ルートはブライトホルン一般ルートなみに踏み固められていたけどトレースのすぐ脇に深い穴(これも私の身長以上)が空いていたりもする。
後、ちょっとルートからはずれるとこういう深いクレバスがあったりする。
あと、今回反省として一人で登る場合に備えてやっとけばよかったな、と思ったのは、
①紙の地図を読むスキルを養うか②スイス版yamapかyamarecoをDLしておくこと。
今回2回スイスに行って、7月の山旅では自分の未熟さを、8月の山旅では氷河の怖さを思い知った。
…まぁこのどちらもなしにデュフールに挑戦しようと思った私は今となっては無謀だったなと思う。
一応SACからダウンロードした地図とコンパスは持っていったけど、
読むスキルがなかったらそれは持ってないのと一緒
なんだよな。当たり前だけど。。。
一応ちょっと勉強していったつもりだったけど当たり前に現地では何の役にもたたなかった。
暗い中で左に紙地図とコンパスを、右手には携帯のGPSを握りしめて首を傾げているだけに終わった気がする。
この点がもう少しましだったら氷河であんなに迷う事はなかった気がするし、変な所に迷いこんでクレバスに転がり落ちなかった私はラッキーだった。
スイス版というかヨーロッパ版yamapかyamarecoってあるのかな。
たぶんあると思うんだよな。シャモニーの雪山教室の時参加者がそれっぽいのを開いていた気がするので。
氷河は毎年移動するし地図に氷河の場所までどれくらい正確に書いているのかわからないけど、私のようにyamapに依存しきった奴がいきなり紙の地図なんて読めるわけもないんだから、事前にちゃんとリサーチしてアプリをDLしていくべきだったと思う。これは今回かなりの反省点。
纏めると、今回のスイス山行前の自分の不安「一人でスイスの雪山に登れるのだろうか」という疑問に答えると、
「技術的に一人でも登れる山はある」
「氷河地帯にある山に登る場合に深い穴(クレバス)に落ちるリスクがあり、クレバスに落ちた場合、一人で這いあがる事はたぶん不可能」
「紙の地図を読むスキルあるいはスイス版登山アプリは必須」
だろうか。
しかしじゃあ次はガイドツアーか複数で行くかというと。。。たぶん次も一人で行くと思う。
私のようなピヨピヨチキンが何を偉そうに、と思われるかもしれないけど、欧州に来てからガイド登山か雪山教室ばかりで今回のスイス旅で久々に一人登山をして、やっぱり一人の気楽さは何ものにも代えがたいと思った。
3月に予約している山旅は一人で行ったら確実に死ぬのでガイド登山にしたけど、そういう所以外は一人で行きたい。
たぶん私は今年夏には日本に帰れると勝手に思っているけど、それまでにスイスに行くことは。。。たぶん無理な気がする。
でもいつかまたデュフールにリベンジできたらいいなと思うので、ヨーロッパ版登山アプリについては次行くまでに調べようと思うし、日本に帰ったらまたミ〇〇ツ登山教室に行って今度は雪山でなくクライミングを習いたい。


























































































